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第17話
次の日…マスターが来なかった…
何があったか誰も言わない…見覚えのない先生が教室へ来て出席を取っていたが
僕の名前だけ何度も呼ばれた
窓の外を見る僕は…校門前で立ちすくむマスターを見つけた
マスターはあと一歩で入れそうなのに入ろうとはしなかった
気付いたら教室を飛び出してマスターの前にいた
マスターは驚いているのか喜んでいるのか曇った眼鏡でよく見えなかった
何があったのか…どうして昨日はなにも聞かなかったのか
聞きたいことを飲み込んで僕はマスターの裾を引っ張り学校を指差した…マスターは重く堅かった
マスターの顔を見ると…広角が上がっていた
何がなんだかよくわからない…
でもマスターの背中の黒い人を見てすべてを確信した
僕の不安が意図も容易く的中していた
「実験は失敗続きだ…担任のあの男が性病になったと知ったときから満たされるはずがなかった…1号君の涙もそれを知ったからだろう」
マスターは一度後ろを見てから…僕の手を掴んだ
柔らかく優しく…僕を許してくれる暖かい手
「だが…やり残したことがある…あのおとこたちに許しをもらってここに来たんだ…さぁ私の部屋へ行こう…最後の実験だ」
僕はそのままマスターの部屋まで連れてかれた
黒い人がドアの外で待っている
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