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第3話 秘められた痕と、冷たい嘘
柊也は焦った。暁月を見ると夜のことを考えてしまうのだ。よく似ているが、目は……二人の目は違う。だから初めて夜を見た時、暁月ではないとわかった。そして……暁月の目よりも……もっと……
保健室での情事の後、夜は姿を見せてくれない。
「あ、あのさあ? 暁月の兄ちゃん……夜だっけ? どうしてる? 保健室でかなり具合悪そうだったから心配でさ……」
「ん?……うん、別に普通だよ? 俺らすっごい仲良くって、いつも一緒に寝てんだよね。何でも話すし、秘密はなし。夜は俺のこと裏切らないし、世界一愛してくれてるんだぜ? 素晴らしい兄弟愛だろ? 俺も夜が大好き!……ごめんだけど、柊也は夜には敵わないかな……? ごめんね!! 俺の中で世界一は夜だ」
「ふーん……そうなんだ。おもろな……」
「え? 何? ごめん、聞こえなかった。も一回言って?」
「いや、そんなに兄弟仲良くて羨ましいなって……俺兄ちゃんとそんなに仲良くないし……すげえな」
「でも……最近たまによそよそしいって言うか……悩んでる感じもあって……心配だなぁ。何でも話してくれて良いのに……」
「もう大人だろ? 秘密の一つや二つ……な? お前も俺のこと夜に秘密にしてたんだろ? おあいこだろ?」
「そうだね。あんま深く考えないでおこっと」
──────
夜は柊也から逃げ回るのに必死だ。あの時を境に、理系棟まで探しに来るのだ。最悪だ。
「あ、夜! 見っけ! おい、逃げるなよ?」
夜は身体を震わせた。腕を酷く掴まれ、空き教室に連れ込まれた。次の授業のチャイムが鳴った。
「あ、あの……せ、瀬戸くん? だよね? 暁月と付き合っているんだよね? 僕を間違えてるの? 暁月はきっと教室に……」
「うっせーよ。間違える訳ねーだろ? お前ら目が全然違うよ。お前の目が忘れられない。お前の身体も……匂いも……キスも……」
「そ、そんな、勝手だよ……暁月とシてるでしょ? 僕とは……」
「暁月とは……何もしてない。そんな気も起きないんだ」
「?! なに? 一体何なの? お願い離して!! 暁月に全部話すからっ!!」
「どうぞ? お前を信じるかな? 俺、お前に誘惑されたって言うぜ? 同じ顔だから抱けって迫られたって……
なあ、脱げよ? 今日はシャツも脱げよ、お前の乳首、好きだよ。舐めさせろ。」
「や、やだ……そんなこと了承する訳が……」
「また縛る? それともシャツ、破かれたい?」
夜は震える手で涙を堪えながらシャツのボタンを外した。
──────
『ぐっぷぐっぷぐっぷ……ずちゅん……』
柊也は後ろから夜の髪を鷲掴みにし、思いっきり腰を使っていた。
接合部からは卑猥な音がしていた。
それもそのはずだ。中からは何度も何度も吐き出された柊也の精子が溢れ出て、掻き回される度に白く泡立っていた。
夜は泣きながら喘いでいる。
「おい、夜……気持ち良いのか? もっと声出せよ。喘げよ。俺の欲しがれよ」
「だっ、誰がお前のっ……ふっく……なんか……あっ!! やぁん……おく、いやあ…………」
「お前、可愛いな……」
──────
夜は服を着ながら柊也に尋ねた。
「ねえ、何で暁月とシないの? 僕なんかとヤってないで……」
「──確かに暁月のこと好きだ。好きで告白したし、付き合ってる。けど……性欲は起きないんだ。大切だ。それは間違いない」
「無茶苦茶だ。僕も暁月も同じ顔なんだ。何を言っているのかわからないし、例え暁月に対して性欲が湧かなかったとしても、僕をレイプする理由にはならない。こんなことはもうやめて欲しい。僕は暁月が大切なんだ。暁月はお前が好きなんだよな? こんな最低な奴が…… 暁月、これ以上裏切るな。もうやめてほし……あっ……ダメっ……やめっ!!」
柊也は夜を抱きすくめて、顎を掴むとキスをした。
柊也にもわからない。この感情が何なのか。確かに顔は同じだ。暁月とセックスをすれば良い。それで解決だ。
違う……そういうことじゃない。幸い性行為に関しては暁月は蛋白な様だ。強請られることもない。都合が良い。ヤりたい相手は暁月じゃない。夜なのだ。
柊也は嫌がる夜を抱き締めた。
──────
「おかえり、夜。最近帰り遅くない? 何してんの?」
「あ……図書室とか……先生に質問とか……」
「ふーん……最近柊也も先に帰れって言うんだよね……進路相談だって。俺待っとくって言ってるのに……」
「──あ、あのさ、僕……何でもない。ごめん、お風呂入ってくる。一人で入らせて……」
夜は風呂場で掻き出さなければならない。柊也の残滓を……
見せられない。この胸元の陵辱の痕を……
耐えられない。暁月といることが、息が詰まりそうだ。
──────
「ねえ、聞いてよ。夜。俺たち……俺、柊也とまだキスしたことなくて……その、付き合って3ヶ月経つんだけど、コレって普通かな? 俺の気にし過ぎ?」
夜は氷で胸を刺された心地だ。冷や汗も伝う……
「さ、さあ……僕好きな人いないし、付き合ったことがないからわかんないけど……あんまり気にしなくても……人それぞれだとは思うし、た、大切にされてると思うけどな」
「そうかな〜 だと良いんだけど……」
──────
「ねえ、あんた何で暁月にキスもしないの? 暁月不安がってるよ?」
柊也と夜は空き教室での逢瀬の途中だ。
「暁月にキス?……もう今更出来ねえよ。する気もない。
何度も言わせるなよ? 暁月は大事だ。けど、性的に魅力を感じない。……お前のせいだ。お前がいるから……」
「人のせいにするなよなっ!? 僕はお前に無理矢理犯されてるんだぞ? 僕が望んでるとでも?……コレで、暁月がお前とシたいってことがわかった。もう暁月ときちんとしろ。僕には構わないで。二度と近寄らないで!!」
「……そんなの無理だ。暁月を捨ててでもお前を取る。どうする? 俺に暁月を捨てさせるか?」
柊也はニヤニヤとして見せた。
「お前、最低のゲス野郎だ……」
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