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第7話 二人だけのキスと、閉ざされた部屋
夜が帰るとリビングのソファには暁月がブランケットを羽織って眠っている。
今、夜の11時を回ったところだ。
夜はその寝顔を見ると涙が一筋流れ落ちた。
夜は暁月の横に潜り込むと必死で抱き締めた。
「ごめん……ごめん……暁月……好き……」
「ん〜? ああ、夜帰ったの? 遅かったね〜 ケーキ食べた? 買ってきたから一緒に食べようよ。あ、もうすぐクリスマスじゃん! 明日は一緒にいれるよね?」
「……うん。明日は必ず一緒にいる。絶対に」
──────
「ごめん、明日は絶対に暁月といなきゃ……疑われる。僕に何かあったら絶対に勘付かれるよ。だから本当に明日は無理だよ」
『暁月の話はもういいよっ!? じゃあ、お前の誕生日、空けとけよ?』
「ダメだっ!! 誕生日は必ず暁月と過ごしてっ!! もう切るから!!」
よし……! 明日……25日は暁月とゆっくり過ごせる。
夜は安堵した。
──────
「よるーーーーっ!! 聞いて聞いてっ!! 今柊也からLINE来て、明日夕方までだったら会えるって!!」
夜は心底驚いた。が、暁月の喜び様を見て安心した。
「良かったね! クリスマスだもん、楽しんでおいで!!」
そこに、夜にもLINEが届いた。
『暁月喜ばせたろ? 夕方から俺の部屋来て』
「──」
返信はしなかった。
──────
二人はベッドに潜り込み、いつもの様に抱き締めあった。
「心配ばっかかけてごめんね。やっぱ俺、柊也のこと大好きだ。現金だよな。あいつに優しくされたらすぐ喜んじゃう」
「そりゃそうだろ? 誰だって好きな人に優しくされたら……」
夜はハッとした。これであいつを操れるかもしれない。優しくしてやるよ。暁月を守る為ならば。
夜は柊也を嵌める算段をしながら、暁月からのキスのお強請りに応えていた。
「暁月……」
「ん? なあに?」
「きっとうまくいくよ。何もかも」
「うん? わかった……おやすみ、夜」
「おやすみ、暁月」
──────
「柊也! お待たせ! 会えて嬉しい……俺、この前はごめん。ウザいこと言った。柊也はいつも好きだって言ってくれてるのに……ごめん。俺、キスもいいや。諦めた訳じゃないけど、柊也がしたくなるまで……ね? これまで通り、一緒にいたい」
「勿論だろ? 俺たち友達の時と変わらない。な?」
「──うん……友達……か。わかった」
胸にチクリと痛みが走ったが、暁月は目を瞑った。
──────
暁月と柊也は映画を見に行った。今話題の、キスを題材にしたオムニバスである。
なぜ二人はこの映画にしたのだろう……? キスを封印したばかりではないのか?
「──」
もちろん映画の後には沈黙が続く。
「あ、映画良かったよな? 柊也ってキスしたことはあるの? 俺は……」
「俺? あるよ。大好きな人と……あ、お前のこと好きじゃないって訳じゃないからな? まだ友達関係の方が良いってだけだから」
「──あ、そっか……あるんだ。じゃ、俺のキス、夜だけで終わるのかな〜 なんて……」
「は? 夜って……兄ちゃんだろ? ファーストキス?」
「……引かないでよ? 今も普通にするんだ……抱き合うし、キスもする。あ、引いてる!? まじで……柊也だから言ったのに!!」
「……最後いつした?」
「ん? 昨日の夜……どうしたの?」
「いつも一緒に寝てんの?」
「う、うん……」
「ごめん、俺帰るわ。気分悪い」
「えっ!? 柊也っ!! 待ってよ!! 置いていかないで!!」
柊也は暁月の方を振り返りもせず歩き去ってしまった。
暁月は訳が分からなかった。
その場にしゃがみ込み、人目を憚らずに大声で泣き出した。
「もしもし……夜? 早く来てっ!! お願いっ!! 迎えに来て……」
夜はため息を吐いた。
『映画館だね? 寒くないところにいな? 今から行くか
ら』
──────
夜は暁月を見つけると、ただただきつく抱き締めた。柊也からの着信は無視し続けた。
──暁月を大切に扱えと言った。それが条件だとも。
いっそのこと柊也と寝ていることを暁月に話してしまおうか……全て終わらせようか?
「──何があったの? 嫌なら答えなくていい」
「映画見たの。それでキスしたことあるかって聞いたら、好きな人としたことがあるって……だから俺ムカついて……夜とはするって言ったら怒ったみたいで……キモかったのかな……?」
「そんなことない。僕たちは互いに世界一愛し合ってるだろ? キスくらいはするよ? 何をするにも一緒だ。せっかくのクリスマスだから、チキンとケーキ買って帰ろう?……僕と沢山キスをしよう?」
二人は寄り添って街に消えた。
──────
柊也はかなりイラついていた。夜が電話に出ないし、メッセージも既読にならない。
今日は暁月の相手をしてやったのだ。約束は守った。夕方からは俺の部屋に来る約束だ。
「くそっ!! 夜、あいつ許さねえ……」
──────
このクリスマスの週末は双子の両親は旅行中だ。
夜はわざとチャイムの電源を切った。
「暁月? ベッド行こう?」
「え? 夕食まだだけど……?」
「──先にやりたいことがある。おいで?」
夜は二人の寝室に暁月を引き入れた。
外では柊也が何度もチャイムを鳴らしてみた。
勿論、室内には聞こえない。
──────
「ねえ、暁月。服を脱いで?」
「えっ? な、なに? なんで? 何するの?」
「いいから、服脱いでこっちにおいで。酷いことはしないから」
そう言うと夜は服を全て脱ぎ捨て、暁月の服を脱がせ始めた。
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