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第12話 『不誠実なクソ野郎』
「おい、夜っ!! お前暁月に何か言ったのか??」
──来た。柊也はついに夜を捕まえて問い詰めにやって来た。今までの余裕のあった柊也とは違い取り乱している。確かにこの取り乱しようを見るのは暁月ではなくとも気持ちが良い。そして不思議なことに、柊也は夜とセックスをしにきたわけではないようだ。
柊也は夜の胸ぐらを掴んで壁に押し付けた。
「ゲホっ!! 離して……苦しい……暁月が何? 別れたんだろ? 僕はそう聞いてる。君がクリスマスに置き去りにして来たんだ。僕は暁月を連れて帰って宥めた。そうだろう?」
「なあ……お前らこの前廊下でキスしてたよな? おかしいぞ? 異常だぞ……? それに暁月の彼氏は俺だ。勝手なことをすんなよ!?」
「はっ……君は暁月とは別れてるし、僕らは兄弟なんだ。たまにはキスくらいするだろ? と言うか君には関係ない。僕たちは元々仲が良い。風呂も一緒だし、寝るのも一緒、抱きしめあったり、キスだってする。ただのスキンシップだ。君、やけにさっきから暁月のこと気にするね? あれ? 僕のことが好きだって言ってなかった? あ、暁月が離れて行くのが惜しいのか(笑)暁月は僕よりも優しいからね。もっと縋ると良いよ。優しくしてくれるかもしれない(笑)
そして、僕はもう脅しには応じない。暁月に言いたきゃ言え。暁月に恨まれても構わない。お前の言うことは聞かない。それじゃあ……」
なぜだろう? 柊也の憎しみの矛先が夜に向いている。
ドス黒い感情が生まれた。
──────
「なあ、暁月……一緒に帰るぞ? ほら、行くぞ」
暁月はニヤニヤを崩さない。
「なんか最近やけに俺に絡むね? 別にいーけど……」
二人は暁月の家の前まで来ると暁月は家に入ろうとした。
「じゃあ、明日……」
案の定、柊也は暁月を引き寄せてキスをした。暁月は抵抗するわけでも積極的に受け入れるわけでもなく、ただただ立っている。
「最近やけにキスするね? 俺と友達関係崩したくないんじゃなかったの?」
「い、いや……違うんだ……なあ、明日の金曜日うちに泊まりに来ないか? 俺今までお前に酷い態度とってきたよな……反省してる。許してくれるならなんでもするよ。暁月、好きだ」
暁月は顔色も変えずに|惚《とぼ》けたように言った。
「あっ、ごめん! 明日から夜と用事があるんだ。俺らの誕生日なんだよね。年明けに必ず温泉旅行行くから。ごめんね?」
「はあ? 誕生日だから尚更だろ……なあ……夜ばっかり優先にしすぎだろ? 俺、彼氏なんだ。俺が優先だろ? なんで……」
暁月は笑いを堪えるのに必死だ。
「そんな事ないよ? クリスマスだって拒否をしたのは柊也だ。誕生日は夜と過ごす。今では俺は別れてるつもりなんだけど……俺の誘いはことごとく断ってたよね? おかげで誰か他に好きな人がいるんだとばかり……」
柊也はギクリと肩を震わせた。
「──カマをかけただけだったけど、本当みたいだね? じゃあ、好きな人とお幸せに。不誠実なクソ野郎」
暁月はドアを閉めた。
ドアの向こうでは先に帰った夜が待っていた。
「ねえ、暁月っ!! なんであんな煽るような事言うの!? また僕が付き纏われたら……それに挑発して君までレイプされたら……知ってるだろ? 僕は学校で無理矢理レイプされたんだよ!? もう関わるのやめよう?? 無視しておけば良いよ」
「──僕は襲われない。夜みたいに迂闊じゃないし、だとしてもあいつ相手に上手く立ち回ってやる。夜という存在をチラつかせて苦しめるんだ。それくらいしたってバチは当たらないだろう?」
夜は暁月を背後から抱きしめるとキスをした。部屋に引き入れて服を脱がせると暁月の上に跨った。
「暁月が帰ったらシたくてさっき準備しておいたんだ。すぐに挿れられる」
暁月もすぐに興奮し勃起すると、夜は暁月のモノの上に腰を下ろして喘ぎ始めた。
──────
「なあ、暁月……昼休みちょっと来いよ」
柊也は暁月に声をかけた。
「──嫌だけど……何?」
柊也は小さく舌打ちをしながら、でも頼み込んだ。
「ちゃんと話しがしたい」
「──考えておく」
恐らく……いや、ついていけば絶対にレイプされるだろう。柊也本人は合意の上だと思うだろうが……面白い。乗ってやろう。これで夜を諦めるか? 暁月も夜もどっちも欲しがるようになるのか?
昼になり、暁月に断りも入れずに空き教室へ連れ込むといきなりキスをした。
舌を入れ、絡ませて、涎が伝い……
案の定暁月は押し倒されて、息の荒い柊也は暁月のズボンを下ろすとむしゃぶりついてきた。
「柊也……やめて? 俺、今ちゃんと言ったよ? やめて。これ以上やるとレイプだよ?」
「俺はお前の彼氏なんだ……お前は俺のものだっ!!」
柊也は慌てて、慣らすことすらせず、ローションだけを使い挿入した。
「いっ!? やだあ!! いきなり……ちょっ!? お前ふざけんなよ!! いたあっ!! やだーっ!!」
柊也は自分の欲望だけで暁月を征服していく。なぜかとても安心した。暁月が自分の手から逃げていくなんて、今までは考えもしていなかったのだ。早くこうするべきだった。
キスをして深く深く腰を押し込んで抱きしめる……暁月の全てさえも自分のものだ。柊也は異常に興奮した。
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