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第13話 歪んだ勝利と、首筋の罠

 その日柊也は暁月を家まで送ると、門のところには夜がいた。柊也は敢えて夜に見せつけるかのように暁月をきつく抱きしめて何度も何度もキスをした。そして勝ち誇って見せた。柊也は今、暁月を征服した満足感に満ち溢れている。夜に勝った……双子を引き離した!! そういう思いでいっぱいだ。 「じゃあ、暁月……愛してる。また月曜日、朝迎えに来る!! 愛してるよ……」  夜は顔を歪めた。一体何が……? 暁月の手を引き慌てて家に入り、二人の部屋まで駆け上がった。  暁月は吹き出して大声で笑った。 「あいつサイテー……俺をレイプしやがった。慣らしもせずに慌ててケツに突っ込みやがった。そして俺が喜んでると思ってる……俺、言ったからな? 『これはレイプだ』って。何を勘違いしてるんだろうね? ごめん。これで夜にも手を出してくるようになるかもしれない。なんとかかわして。夜は俺のものだ。これ以上汚されたくない。 さあ、旅行の準備しよ? 遅れちゃう」  夜は暁月の頬を殴った。 「なんでそんな罠にわざと引っかかって……何考えてんのっ!? 暁月最近おかしいっ!! あいつに抱かれてきたの……? 僕の暁月の体が……」 「うん。後で綺麗にして、夜で上書きしてね? 愛して……さ、出かけよ!!」  二人はバタバタと部屋を後にした。 ──────  温泉宿で二人はずっと愛し合った。 セックスをして抱き合い、観光をして部屋では愛し合う……  布団の中で夜は聞いた。 「柊也のこと、どうしようと思っているの?」  暁月は楽しそうに答えた。 「これからどうしてやろっか? まず、あいつが俺に告ってきたんだ。そして夜を見て、一目惚れしてあり得ないことにレイプした。それから僕と付き合うこと、悲しませないことを条件に、夜に体の関係を強要した。  そして、今、俺が離れていくことの怒りの矛先がなぜか夜に向いている。そして今俺を手に入れたと思っている。滑稽だと思わない? 俺、なんでこんな奴が好きだったんだろう……悔しいな……」  暁月は泣き出してしまった。本来の暁月はこうなのだ。明るく元気で愛くるしいが、繊細で傷付きやすく、すぐに泣いてしまう……ここ数週間はどれだけ堪えて気を張っていたのだろうか……  柊也が憎い。夜も考えた。自分も自分の体を差し出して復讐を始めるのはどうか……? しかし、それは暁月を最も傷付けてしまう。結果はどうあれ、自分は暁月の恋人と寝ていたのだ。兄弟として最悪の裏切り行為だ。  だが、必ず報いは受けさせる。 ──────  月曜日、本当に柊也は朝から待っていた。 「おはよう、暁月!!」  暁月に駆け寄るとキスをした。そして夜を見るとニヤついて見せた。夜から暁月を奪った気でいるのだろう。もう柊也にもわかってはいない。双子のどっちが欲しいのか……あるいはどっちも欲しいのか……  それからも柊也は嫌がる暁月にセックスを強要し続けてた。酷い時には日に何度も犯された。  柊也はそれで安心しきっているが、彼は知らない。双子は心だけではなく、体も何度も何度も深く繋がっていることを……  柊也自身ある時から気付いた。夜に対しての興味よりも暁月に対する独占欲が上回っていることを。今は夜から暁月を奪うことに必死で毎日毎日抱き潰している。  暁月はそんな柊也を笑っていた。 ──────  セックスの後、柊也は暁月を離したがらない。暁月の方はもちろんそれに合わせている。従順な振りをしている。 「なあ、最近俺のこと好きって言わないよな? 何でだよ? セックスの最中にでも言ってよ。興奮するから(笑)」 「うん……そうするね」  誰が言うか。おめでたいクソ野郎。今こうして腕に抱かれているだけで吐きそうだ……夜はいつもこうだったのだろうか? 毎日キスして、何度も体の中に汚らわしい異物を挿入されて不本意に喘がされて……夜への興味も失ったようだし、そろそろ潮時か……?  暁月は服を手に取り、袖を通そうとすると取り上げられ、押し倒された。 「もう一回しよう? 暁月がちゃんと俺のものか目を見てヤらないと……」  柊也は一目惚れした夜の目とは明らかに違う暁月の目に欲情した。 ──────  夜は暁月が心配で堪らない。初めて抱かれたと言ってから毎日胸元に痕を付けて帰ってくるのだ。歯形に鬱血……痛々しいほどだ。毎日お風呂や愛し合う時にそれを目の当たりにする度に切なくなる。  夜は痕をさすりながら言った。 「──気持ち悪い。暁月があの男と体を繋げてるなんて……もうやめてよ」 「──夜、お願いがある。俺の頸にキスマーク付けてくれない?」  夜は訝しんだ。 「暁月……? 何考えてるの? バカなこと考えてるでしょう?」 「大丈夫。もうそろそろ俺も終わりにしたいからね……ね? 早くっ!!」  暁月は無邪気にねだった。 ────── 「あっ!……あん……はあ……ふう、やあん……そこ、いい……」  柊也は暁月を無理矢理抱いている。 「暁月……好きだよ……好きだ。何でもっと早くに抱かなかったんだろ……? 俺ってバカだよな……あーダメだ。俺、バカすぎる」  暁月は内心ほくそ笑んでいた。 「ねえ、柊也。バックでして?」  柊也は暁月をひっくり返すと髪を掴み引っ張って後ろから激しく挿入した。  気分よく腰を振っているとある事に気が付いた。 自分の知らない痕が付いている。間違いない……こんなところにキスマークなど付けてはいない……  柊也はカッとして暁月を怒鳴り付けた。 「おいっ!? 首の後ろにキスマついてんぞ!? 何だよこれ?」 「え? まじ? やっば……ごめんね? 不愉快だった?」  柊也は力一杯暁月の頬をビンタした。 「いっ……! いたあ……こんなに強く……痛いとは思わなかった……あはは」  柊也は怒りで我を忘れ再度暁月に挿入すると暁月の首を絞めた。 「お前……何考えてんだよ? 堂々とこんなもん付けて……殺されたいのか……?」  柊也は暁月の最奥まで突き入れるとその先を目指した。 暁月の顔は息苦しさと苦痛に歪み、もがく力さえ無くなってしまった。  意識を失いだらりとした暁月の体を何度も何度も犯し、何度も中に出し、これでもかというほど所有印を付けた。頸の後は上からきつく吸い、痕を消した。

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