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第6話

「あ、やだ……文ちゃ……ん」  腰を振って逃れようとするが、絶対に離さない。きゅうと閉じた場所を舐め、襞を広げるように一筋ずつ舌を這わせる。慌てた顔の皆方がそれでも快楽に引きずられていくまで幾度も、幾度も。きゅうきゅうと締め付けるばかりだったそこが口を開き始めるころ、皆方の雄からは細い蜜液が腹までの線を引いていた。 「効いてきたか?」 「ん……、なに?」 「バイ×グラ……みたいな成分のやつ」 「あ……あ? さっきの?」 「やばいな。こんな完勃ちしたの久々だ」  俺のほうはというと、空恐ろしいほどの興奮が漲っている。二十代……いや、十代の頃の角度で反り返る雄茎は限界を超えて膨張していた。ガチガチに硬いそれを皆方の白い腿に押しつける。 「や……ばいな、それ」 「ああ。だから……やらせろ」  ホテル備え付けのラブグッズからゴムとローションのパックを拝借する。ローションパックをひとつ破ると皆方の腹に撒いた。 指に被せたゴムでそれを持ち上げ、粘度を確かめる。十分な粘り気を確認した後、窄まりにたっぷりと擦りつけた。 「や、なんなん……? あ、あかんって」  出身が西のほうだという皆方は、酔っ払ったときなんかに地を出すことがある。今日はそこまで飲んでいないはずだったが、上ずった声であかんなんて言われたら俺のほうがあかんくなってくる。  くにゅりとローションに滑った指先が後孔に入り込む。途端にきゅうと締め上げられて股間が疼いた。早く挿れて鳴かしてえな。  皆方は腕で顔を庇うようにして横を向いているが、雄芯は萎えない。薬がよく効いているようだ。様子を窺いながら襞の寄った縁を広げる。 「なんで俺なん……?」 「んー?」  問いかける声に混じる吐息が官能を煽る。はあう……と押し殺した喘ぎは思っていた以上の色気で、張りつめた俺の雄を締め付けた。今すぐぶっこみてえ。 「おまえとなら人生終わりまでいられんのになって思ったら、な……」

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