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第16話
虚空はベッドで、茉希の体中を愛撫した。
大きな手のひらで、撫でさすった。
茉希が、虚空にしてあげたように。
しかし、肝心の茉希はそれに笑うことが多々あった。
「く、くすぐったいぃ!」
「こら。逃げるんじゃない」
(やはり、亜貴とは違うな。こういうことに、慣れていないようだ)
茉希の双子の兄・亜貴は、打てば響くような反応をしたものだが。
そして、慣れていると判断したからこそ、虚空は亜貴と関係した。
遊び上手の雰囲気をまとう亜貴は、一度寝たからと言って後を引かない子だ、と思ったからだ。
(亜貴はワンナイトでいいが、茉希は今後も大切にしたい)
「私は、茉希が好きなのだから」
心の声が言葉に出た途端、茉希は震えて跳ねた。
「あッ! ヤだッ!」
そして、初めて精をこぼしていた。
瞼を閉じて身をすくめ、恥じらいに耐える茉希を、虚空は目を円くして見ていた。
「茉希。君は……ずいぶん珍しいところが、スポットなんだな」
虚空の指先は、茉希のへそに触れていた。
その時に、彼は軽く達したのだ。
「ち、違います。おヘソで感じて、イッたんじゃないです……」
「でも、ほら。私はこうして、君のヘソに」
「虚空さまが『好き』って、言ってくれたから……」
ようやく虚空は、思い当たった。
「確かに、言ったな。そうか、茉希は言葉責めで感じるんだな」
「ち、違います!」
では、と虚空は愛撫にささやきを交え始めた。
「可愛い、茉希のヘソ。ここに、キスをしたい」
そう言って、茉希の腹に手を這わせる。
「美しいな、茉希は。何て白くて滑らかな肌だろう」
さらに、腕を下に伸ばす。
「好きだ、茉希。君と、身も心も一つになりたい」
ついに捉えた茉希の秘所は、その頃にはオメガの愛液ですっかり潤っていた。
虚空に甘い言葉をささやかれ、茉希はぶるぶる震えていた。
そこに時々、軽い攣きつりが加わる。
頬を赤らめ、薄く開いた唇からは熱い息が漏れている。
「言葉責めは、効果的だな」
「うぅ……虚空さまの、意地悪ぅ……」
彼の体と心が熱いうちにと、虚空はそっと指を茉希の後ろに差し入れた。
「ひゃ、うッ!」
「大丈夫。大丈夫だから」
「あ、あ、あ。ふぅ、あぁ……」
体内にどんどん侵入してくる虚空の指を、茉希は感じ取っていた。
(何か、何だか、変な気持ち!)
しかもその指は、確かめるかのように、内壁を押したり擦ったりするのだ。
「んぁ、あ……あっ、ダメッ!」
虚空の指が腹側を擦った時、茉希は強く射精してしまった。
「うあぁ、ヤだぁ……」
「いい反応だ。恥ずかしいことなど、ない」
「ホント、ですか?」
「ああ。茉希が私を好きな証だ」
「っく! あぁあ!」
「あぁ、また吐いてしまった。元気があるのは、良いことだ」
虚空はゆっくりと指を引き抜き、次の段階に備え始めた。
「さて。この後、私が何をするのか。茉希には、解っているか?」
「知ってます。知識だけは、あるんです」
「良かった。でないと、レイプになってしまうからな」
(ん? 知識だけはある、ということは?)
虚空は一度、茉希に顔を寄せた。
「君は……初めて、なのか?」
「ハイ」
小さく、消え入りそうな返事。
虚空は瞼を閉じて、息を吐いた。
「茉希の大切な初めてを、私がもらってもいいのかな」
「今はもう、虚空さまにしか、あげたくありません」
「ありがとう、茉希」
感激の言葉を贈りながらも、虚空は別のことを考えていた。
(今はもう、ということは。以前は、兄上に捧げたかったのだろう)
その愛する兄は、もういない。
それでも純潔を守り続けてきた茉希に、虚空は言いようもない尊さを覚えた。
「私では、兄上の代わりにはなれない。だが、私も兄上同様に、茉希を愛しているよ」
「虚空さま!」
「他人行儀な呼び方は、もう辞めて欲しい。虚空、でいいんだ」
愛する魔導士の優しい言葉に、茉希は涙をこぼしていた。
亜貴と茉希は違う、と虚空は思っていた。
だがしかし。
(いや、違う、ではなく、全然違う!)
遊び上手の亜貴とは違い、初めてその体を開く茉希。
秘所の締め付け、内壁のうねり、虚空に対する反応まで、全く違っていた。
「凄い、な。食いちぎられそうだ!」
「やっ、ヤだ! 言わないで、恥ずか、しいッ!」
「ナカも、こんなに、悩ましく動いて!」
「もう、ヤだぁ……ッ! あ、はぁ、あぁ! っく、う!」
「どうだ? 私の味は。満足できそうか?」
「うぅッ! は、はぁ、また! また、イッちゃ……あぁああ!」
虚空の腰突きに併せて、茉希はふんだんに精をこぼした。
それが内股に流れ落ち、二人の繋がりをさらに潤す。
派手な水音がベッドルームに響き渡り、牡の匂いでいっぱいになった。
「ま、茉希。今夜の、君の体は、どうなんだ?」
「ど、どう、って!?」
「妊娠しやすい日、なのか!?」
「え? あ! 考えたこと、ありません、でしたぁ!」
「では、子どもを授かったら、私が父に……!」
最後まで言えなかった、虚空だ。
彼はひとつ震えると、茉希の体内に熱い精を注ぎ込んでいた。
「ぅあ! あぁ、あ! 何、これッ、はぁ! あぁあぁ!」
思いきり体を弓なりに反らす茉希に、虚空は倒れ込んだ。
抱きしめ、口づけ、荒い息を溶け合わせた。
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