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第46話

 静かな病室に生まれるのは、吐息と唾液の音。  そして、鼓動。  それらは、どんどん速くなる。  激しくなっていく。 (茉希。私は、君のものだ) (虚空さま。僕は、あなたのもの)  そんな想いを込めて、二人は口づけ合っていた。  素肌を合わせ、互いを撫でては慈しむ。 「ッく。虚空さま、ったら。病院の、ベッドで、なんて……」 「もう、我慢できない。好きだ、茉希。愛している……」 「あぁ、あ……そんなトコ、触っちゃ、ヤだ。シーツが、汚れちゃうぅ」 「後で、こっそり洗うから」  虚空が緩く握っただけで、茉希のペニスは張り、とろりと精をこぼす。  その敏感な反応が、虚空にはたまらなく愛しい。  情の赴くままに擦り続けると、やがて茉希は大きく引き攣り、勢いよく飛ばした。 「んぁッ! あぁあ! はぁッ、は、んうぅ……」 「早いな。溜まってたのか?」 「ば、バカぁ! うぁ、あうぅ……イヤッ。もう、手を放して……」  虚空の大きな手に、茉希の白い手が重ねられた。  息を弾ませたまま、茉希は虚空の手を自分の後ろへといざなった。 「僕も、もう我慢できません……来て」 「もう少し、楽しみたいが」 「お願い。早くぅ」  鼻にかかった甘い声で、おねだりされると虚空は言いなりだ。  普段は清楚な茉希だが、セクシャルな欲求には意外と貪欲だった。 「ギャップ萌えが、たまらないな」 「僕は、亜貴と双子なんですよ?」  くすくす笑う茉希は、確かに亜貴と同じく、情欲をかき立てる魅力を持っている。  誘われるまま、虚空は茉希の後膣を探った。  紅く染まって蠢く秘所は、オメガの愛液ですっかり潤っている。 「……」 「どうしたんですか?」 「いや、美しいな、と思って」 「そんなに見ないで……んぅッ!」」  虚空が、茉希と一つになった。  深く、奥へと挿入り込んでくる。 「あぁ、はッ! んあぅ、うぅあ! はぁ、あ!」  虚空を受け止めながら、茉希は思うがままに悦びの声を上げていた 「あぁ……あぁあ!」  茉希は、虚空とまた一つに交われたことに、喜びを感じていた。  深い深い幸福感を、味わっていた。 「虚空、さまぁ……」 「動くぞ。いいか?」 「ん、待って。ちょっとだけ、待って」 「どうした? 痛いのか?」  大きく息を吐きながら、茉希は虚空の体に腕をまわした。 「少しの間、ギュッ、てしていたいんです」 「気が利かなくて、すまなかったな」  虚空も茉希と同じように、彼を抱きしめた。  こうすると、互いは一つになっているのに、違う部分が見えてくる。  その肌触り、髪の柔らかさ。  体温も、匂いも、筋肉の固さも。  二人は、違うところだらけだ。  なのに、今ひとつに溶け合っていた。  虚空が動くと、茉希もうねる。  柔らかな体を伸ばし、そしてまた縮める。  虚空の律動に併せて、腰を波打たせる。 「ふぁ、はぁ、あ。んッ、あ! うぅ、んあぁ!」 「悦いぞ、茉希。とても、悦い」 「んんぅ、あぁ! や、ヤだっ。お、奥に、当たって……ッ!」 「奥に、もっと当てて欲しい? 擦って、抉って、めちゃくちゃにして欲しい?」 「ち、違ッ! あ、そこ……ぉ! 悦いぃ!」  正気に戻ると、恥じらいで真っ赤になってしまいそうな言葉を、茉希は紡いだ。  彼の体は虚空によって拓かれ、おおらかな性の悦びを知るようになっていたのだ。 「う、あぁ。気持ち、悦いよぉ……虚空さまぁ、あ! んんぁ! はぁ、あ!」 「私も気持ちが悦いよ、茉希。君は、ホントに素敵だ」  ゆったりと話していながらも、虚空の動きは速い。  そして、力強い。  時には細かく、浅いところを責める。  そうかと思えば、螺旋を描くように、ねっとりと責め立てる。  良いように翻弄され、茉希はさんざん喘ぎ、啼き、射精していた。 「虚空さま……虚、空、さまッ!」  茉希が、もう何度目になるか解らない絶頂を迎えた。  首を反らせ、長く引く嬌声を上げ、虚空の体に爪を立てた。 「……ッ、っく。はぁ、あぁ。あぁ、あ、うぅ……」  やがて糸が切れたように脱力し、荒い息を吐く、茉希だ。  その姿を見届けた後、虚空は不意をついて彼の体内に精を放った。 「ッ、え!? あ、ヤだッ! あ、う、あぁ! そ、それは、ダメぇえ!」  快感の余韻に浸っているところに、上乗せで途方もない刺激を受けたのだ。  文字通り、茉希は跳ねた。 「い、やあぁ! あっ、あッ、あぁあ! ひ、ぅ、うぁ! んあぁああ!」 「茉希……」  身悶え、あがく茉希の体を、虚空はしっかりと抱きとめた。  肩を噛まれ、爪を立てられ、ばた狂う脚で蹴られても、離さなかった。  茉希の中で荒れ狂う精のほとばしりと、どうにも抑えられない愛情。  そして、暴れる彼が落ち着くまで、虚空はその体を抱きしめ続けた。 「私は、君のものだ。いつまでも」  自らに宣言した言葉を、心に深く刻み込んでいた。

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