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第2話
「あのさ・・・俺がここで働いている事誰にも言わないで」
俺のTシャツをきゅっと掴んで、切羽詰まった顔で何を言うのかと思えばそんな事・・・。
「言う訳ないだろ。俺だって風俗に通ってるなんて知られたくねーし」
しかも『ゲイ』風俗だし。
「そっか、そうだよね」
少し安心したのか尚はほっとした様に微笑んだ。
まだ若干硬さはあるけれど、俺の好きな可愛らしい笑顔。
垂れ目がますます垂れて、何時もは大きな目が笑うと無くなっちゃうんだ。
でもその可愛らしい笑顔もすぐに消えて、柔らかな少し高めの声を、緊張の所為で少し掠れさせながら、尚は徐に話し始めた。
「あの・・・あのね壮太朗。俺本当はバック受けはやらないんだけど、壮太朗がしたいんだったらヤッてもいいよ」
はいぃぃぃっ!?
尚はバスローブの襟を掴むと胸元を開けさせた。
うっっ!!白い肌とくっきりと浮かぶ綺麗な鎖骨が俺の目に飛び込んで来た。
指先でなぞりたくなる鎖骨と、これまた尚のチャームポイント(?)、左の鎖骨下にある小さな黒子までしっかり見える。
夏の合宿で湘南へ行った時に見つけた色っぽい黒子。
何時か口付たいと思っていたあの黒子・・・。
今それが密室で俺の目の前に差し出されているなんてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!
滑らかな肌に俺の目は釘付けで、しかも生唾を飲み込んでご丁寧に「ゴクリ」と音までさせて。
どこかへ押しやったはずの欲望が、尚の白い肌を見た途端ムクムクと頭を擡げ始める。
心臓バクバクだし。おまけに心臓と一緒に下半身も脈を打つ。
そんな俺の顔を見て尚はクスっと笑うと、バスローブの肩を落とした。
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