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【SS】幸せの先にあったもの③

「あっ……、んっ……! やぁ……っ!」  もはやまったく意味をなさない声が、ただ口から溢れ出る。  快楽に溺れ、乱れる僕の感じる場所を的確にとらえて、ルーファス様は無言のまま舌で弄び続けた。  少しでも舌先から逃れようと体をよじり、まるで這うようにして前を目指す。  でもそんなささやかな抵抗は、腰を引かれ、その反動までも利用してさらに深いところを舌で強くえぐられることであっさり防がれた。   「こら、ノア。駄目だろう? 以前俺と、約束したじゃないか。俺から、二度と逃げないって」  お仕置きみたいに、ズズッという水音が寝室内に響く。   僕から溢れ出た蜜を、美味しそうにすするルーファス様。   それに驚き、思わず目を開けたらそんな光景が視界に入ってきたものだから、恥ずかしくてクラクラした。 「確かに、言いました。言いました……けど!」 「……けど、なぁに?」 「けどあれは、そういう意味じゃ、な……んんっ!!」  ひと際大きな声が、出た理由。それは僕の中で、彼の舌が大きく暴れたからだった。 「もう、舌、やぁ……っ! ルーファス様! ルーファス様が、欲しい……っ!」  震える声で、訴える。すると彼はようやく顔を上げ、口元を手の甲で拭って満足そうに笑った。 「フッ……、本当にノアはおねだりが上手だね?」  褒められたのが嬉しくて、自然と笑みが溢れた。  するとそれを見たルーファス様は、荒々しく唇に噛み付くみたいなキスをした。    彼はそのまま腰を強く引き、腕を立てさせると、まるで獣みたいな体位のまま一気に僕を貫いた。  たくましく硬い、ルーファス様のモノ。  だけど僕の後孔はいつも以上に丹念に解された後だったから、それを易々飲み込んだ。 「あ……っ、あっ……! ルーファス様、駄目……っ!」  ガツガツと、激しく貪られるような行為。まだ挿入されたばかりだというのに、何度も目の前に火花が散った。 「ハハッ、駄目? 駄目じゃないだろう? 君が求めたんだ、もっと楽しんでくれよ」    小さく震えながら、ただ与えられる感覚に溺れる。目の端から涙が溢れて、シーツにシミを作った。 「ほらな? ノア。やっぱり君を鳴かせる方が、楽しい」  本当に、この男は! さっき僕がちょっとからかったのを、まだ根に持っていたのか。  だから今日はいつも以上に、ねっとりしつこかったのだと、今さら気付いた。  責めてやりたいのに、一突きされる度に脳が焼かれ、それを立て直す前にまた新たな快楽が僕を襲う。  そのため僕はただ卑猥な喘ぎ声を上げ続け、そして締め付けて彼を悦ばせることしか出来なかった。  悔しい、情けない、恥ずかしい。……でも、どうしようもなく気持ちいい。 「愛してる、ノア。……このまま、中に出すよ」  耳元で優しく囁く、ルーファス様。さっきまでの様々な感情は、それにより一瞬のうちに帳消しにされてしまった。 「んっ……、出して。ルーファス様、僕も愛してる……!」  パンパンと激しく、腰を打ち付ける音。  それに混じって、グチュグチュと卑猥な水音が聞こえてくる。    浅く荒い呼吸を繰り返しながら、その時を待つ。  僕の中でさらに硬くなったかと思うと、ルーファス様は僕の身体を後ろから強く抱き締め、一滴残らず僕の中へと注ぎ込んでくれた。  そしてそれと同時に、今日もう何度目かも分からない絶頂へと導かれた。  これで終わったと思い、幸せな気持ちのまま身体を弛緩させる。  だけど今夜は、まだ終わりじゃなかったらしい。 「ごめん、ノア。まだちょっと昂ぶったままだから、もう少しだけ付き合って」  その言葉に驚き、慌てて逃げようと身体をよじる。  だけど達したばかりの敏感な身体はもう一度軽く突かれると、あっさり快楽の波に飲まれてしまった。 「フッ……、よかった。ノアも、もっと欲しそうだね?」  楽しそうに笑う、ルーファス様。小さく左右に首を振ってはみたけれど、この言葉にはきっと、何の説得力もない。そのため繋がったまま、ちょっと強引に身体を反転させられた。  そして僕の許可を得ることなくそのまま向かい合った状態で、彼は緩やかに腰を使い始めた。  こうなると僕に、拒否権なんて一切ないわけで。タンタンとリズミカルに腰を打ち付けられる度、快感がまた少しずつ増幅していく。  そのため僕は彼の背中に腕を回して、キスをねだった。  さっきとは異なり、優しく甘い行為。それは再び僕の頭と身体を溶かして、あっという間に飲み込んだ。  緩やかな律動。でもそれだけでは物足りなくなってきた僕は、自らの意思で上になり、彼のたくましい肉体に乗っかったまま腰を振った。 「アハハ、次は優しくしてあげようと思ったのに。……あれじゃ、物足りなくなっちゃった?」  意地悪く聞かれたけれど、それに素直に答えるのはさすがに恥ずかしい。  そのため僕は目を閉じて、ただ快感を貪ることに集中した。    でもそれが気に入らなかったのか、ルーファス様はそっと腕を伸ばして、指先で僕の胸の先端を弾いた。 「あっ……、んっ……!」  それに驚き、いやらしい喘ぎ声がまた口を突いて出る。そのまま摘まれ、転がされると、僕はまたしてもただ卑猥な吐息を漏らすことしか出来なくなってしまった。  胸への刺激があまりにも気持ち良かったから、腰の動きが自然と止まる。  すると今度は、下から激しく突き上げられた。  でもその後は焦らすみたいにゆるゆると腰を動かされ、切なくて泣きそうになった。   「ちゃんと答えてよ、ノア。……さっきのじゃ君も、物足りなかったんだよね?」  普段は優しい僕の運命の番、ルーファス様。だけど行為の最中の彼は、とても意地悪だ。  なのにそれに僕自身、興奮しているのもまた事実で。……求められるがまま、こうした行為を受け入れているというのが現状だ。  恥ずかしくてたまらなかった。だけど答えないと、きっとこのまま逝かせてもらえない。  それが嫌というほどよく分かっていたから、コクリと一度だけうなずいた。 「よく出来ました。いい子には、ご褒美をあげないと……な!」  最後の一音を発するタイミングで、激しく奥を突かれた。  そのため僕は前のめりに倒れ、彼のたくましい身体にしがみついた。

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