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第6話 人気の品種は。

光「ちょちょちょ…っと待って、それってもしかして…」 月「こーくん、本当に引かないでね。」 そう言って月城くんは、ポケットから血のついたティッシュを取り出した。 月「これ、こーくんの。」 光「えっ!うそっ!もしかしてサッカーの時の鼻血!?」 月「うん…すんごい良い匂いがして、持ってきちゃった。」 光「ちょっ…とストップ、色々と整理させて。。。」 光「…月城くんがさ、緋美くんの血を飲んでるのは、なんで?緋美くんしか、飲ませてくれないから?」 月「えっと、実は血って買えるんだ。僕やお父様みたいな体質の人、全世界にいるらしくてね。」 月「昔は僕も、取り寄せた血を主食にしてたんだけど、生産者?によって、血の味も値段も、ピンキリなの。」 光「そんなに違うの??」 月「うん、全然違う!血を提供してくれた人の性別、体質や年齢なんかによって、大きく味が変わるから、ランクもあるんだ。」 月「健康な若者の血100%は高価だね。老若男女のブレンド血液は安いけど、正直僕には合わない。」 光「ワインみたいなもんかな…父さんがそんなことを言ってたような…」 月「そうだね、ボジョレヌーボー、知ってるでしょ。解禁解禁って、毎年大人が騒ぐじゃない?血液市場は特に、新鮮な方が人気で、その中でも圧倒的に人気の品種があるんだけど…」 光「どんな品種?」 月城くんは俺に耳にソッと唇を近づけて、 月「……若い女の子の血。」 小声で囁いた。 光「えっ…それって…!」 吸血鬼が好むやつ………!!! と思ったけど…また笑われそうだから、俺はグッと言葉を飲み込んだ。 月「実は僕も一度、飲んだことあって……。 あー、恥ずかしいな…でも、一番人気って、飲んでみたくなるじゃない?でもね、正直僕には合わなかった。」 月「一番人気の高級血液が不味いって知った時、なんだか悲しくなっちゃて…」 月「落ち込んでたら緋美が、俺の血飲んでみる?って言ってくれて…。」 月「弟から直接血を飲むなんて、倫理的にどうなの?って思ったんだけど、飲んでみたら、エッ何これ今までで一番美味しい…!ってハマっちゃってさ、あはははっ!」 月城くんの照れどころも、倫理観も、笑いのツボも全くわからなかったけど、 市販の血?より、緋美くんの血が美味しかったことだけはわかった。 光「……それからは、緋美くんの血をずっと飲んでるんだ。」 月「そう、でも今日、緋美の血より美味しそうな血に出会ったってワケ。」 光「つまりそれがその……俺の血、だと……。」 月「はい!御名答です♡」 月城くんは色白の肌をほんのりピンクに染め、照れ隠しをするようにおどけて両手の親指を立てた。 やっぱり照れどころはわからない… 月城くんのその笑顔の奥で、尖った牙が、きらりと光っている。 え……? あれで俺、噛まれて… 血、吸われちゃうの……?

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