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第8話 初めての君の味。
ツ───…
月城くんに迫られたその瞬間、
俺の鼻から、1本の赤い筋が…
「あっ、こーくん!また鼻血…!」
月城くんは、そう言うや否や
……ペロッ
俺の鼻血を、舐めた。
「ビギャッ!!」
「わっ!ごめん!つい!!」
「……ああっ…!!」
月城くんが真っ赤な顔で、悲鳴にも似た声を漏らす。
「ど、どうしたの!?大丈夫??」
「……いや、大丈夫じゃない……」
「……死ぬかと思った….…」
「えっ!」
「………美味しすぎてッ…!!!」
月城くんは理性の消えた瞳でギラリと牙を覗かせると、そのまま俺の首元へ食らいつこうとする。
わ!ヤバい…!動けない…!!!
──その時
「しーちゃん!やめて!!!」
緋美くんが勢いよく俺にぶつかってきて、
俺は「ガタン!」と椅子から転げ落ちた。
…イテテ…!助かった….!
でも止めるならあっちだろ.…!!
「あっ!こーくん!大丈夫?!」
「こらっ、緋美!こーくんに何てことするんだよ!!」
いやいや!どの口が!?
「こーくん、本当にごめんね。こーくんの血、予想以上に美味しくて、理性がふっ飛んじゃった…。」
「一滴でこんな…はぁ…君ってやっぱり…凄い……堪んないや……!」
頬を染め、うっとりと俺を見つめる月城くん。
血の話だってわかっているのに、その視線を向けられるだけで鼓動がうるさいくらい高鳴る。
「ピュアッピュアな童貞であればあるほど好み」なんて話を聞いた後にこんな感想聞いても、喜んでいいのか複雑なんだけど…。
「今君の血をまともに飲んだら僕もどうなるかわからないから、今日は辞めておくよ。」
なんでそっちが主導権握ってんのさ…。
「でも今鼻から出てる分は勿体無いから、舐めていい?もう、心の準備できてるから。理性保てるから!」
「ええっ!でもまあ、噛みつかれるよりは…」
「やったぁ!ありがとうこーくん♡」
あーもう、その顔!反則だろ…。
「けっ!」
不満そうな緋美を他所に、月城くんは俺を再び俺の膝に跨った。
華奢な月城くんは、綿のように軽く、殆ど重さを感じさせない。
そのまま俺の顔をひんやりとした両手で包み込み、潤んだ瞳で鼻先についた血を見つめ、
「いただきます…」
小声でそう言いながら、そっと目を閉じ、ピンク色の舌をゆっくりと伸ばした。
鼻周辺に優しくその舌を這わせ、
「ジュルッ…!」
っと音を立て、吸い上げる。
鼻血の量に見合わない音が、熱い吐息と共に、何度も耳元で聞こえてくる…。
ジュルッ……ハァッ。
……ジュルッ。
んっ……ハァッ……!
…舐められる度に、頭が真っ白になっていく。
体の奥がじんわり熱くて、力が入らない。
……なんだこれ。
……いや、鼻だよな?
なのに、なんで……。
どうしよう……これって……。
「…ハッ…美味しい……。こーくん、大丈夫?」
「……歯、あたってない……?」
!!!!!!!
「おーーーーーい!!」
「…えっ?」
「…ッ!ぉかしいだろぉ……」
「…あの、ごめん…。お、降りて……。」
俺は膝の上からそっと月城くんを下ろし、
「タイム…トイレ……貸して…。」
「どぞ。あっち。」
冷静さを取り戻すためにトイレに走った。
なんだあの舐め方…。
ピュアッピュア男子になんてことしてくれてんだよ…!!
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