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第26話 繋いだままで。
「血も飲めたし、少しは眠れるんじゃない?部屋に戻ろう。」
「はーい!こーくんと一緒に寝る!」
「一緒に?!」
「眠れるかな…」
「眠れなくても、寝たい。」
「僕、帰ったら自分のこと、ちゃんと調べてみようと思う。」
「子どもの頃から、周りの子達と同じようにできないことが多過ぎて、考えるのも面倒くさくなっちゃってたけど…困ったら緋美が助けてくれるし。」
助ける?欲望押しつけてるだけだが?
「もっと一緒に過ごせる方法見つけたい。」
「君と……」
「うわ!森の中、真っ暗だね。何も見えないや。こーくん、どこ〜?」
「ここだよ、すぐ後ろにいるよ。」
「うそ〜見えないよぉ。」
「危ないから、手繋いで!」
「えっ」
「うん…。」
俺はそっと月城くんの手を握った。
細くてヒンヤリとした指に、俺の体温が移っていく。
胸の高鳴る音まで伝わってしまいそうで、
余計に心臓がうるさく鳴った。
月城くんの家に向かう道も似たような森だし、
月城くんは夜目が効くことも知っている。
それでも俺たちは
森を抜け、月に照らされても
手を繋いだまま
歩いた。
宿舎に着く頃には、空が白んできていた。
「起床時間6時だから、あんまり時間ないけど、少しでも寝ないと。」
「うん!今なら眠れそう♪寝よう寝よう!」
月城くんは当たり前のように俺の布団に入って来た。
「ちょっと!寝れないって!」
「大丈夫大丈夫!」
「お腹いっぱいだから、すぐ寝れるよ!」
「そっちはそうかもだけど…。」
「抱き枕にしてくれていいから♪」
「お腹空いたら噛みついてくる抱き枕でしょ!やだよ!」
「ふふ!こーくん面白い!」
「じゃ、僕がこーくんを抱き枕にする♡」
月城くんは俺の胸元に顔を埋めるように、ギュッと抱きついてきた。
「…あれっ、こーくん、すっごくドキドキしてるね。」
「そ、そりゃ、心臓に耳くっつけてたら、音もよく聞こえるよ…。」
「なんかこの音、落ち着くなぁ…。」
スゥ……
月城くんはそのまますぐに寝てしまった。
月城くんの体温が心地よく、俺もいつの間にか寝落ちしていた。
アラームをかけていなかったので、俺たちは盛大に寝坊した。
起こしに来たクラスメイトに、一つの布団で抱き合って寝ているところを見られてしまい、
「将軍と嫁が一つになっていた!」とまた変な噂が広まった。
他のクラスにも広まったせいか、その後手紙をくれた吉田さんが話しかけてくることは無かった。
2日目の活動もなんとか黒マントで乗り切った月城くんは、帰りのバスでも終始爆睡だった。
学校に着きバスを降りると、
瞼をパンパンに腫らした男が駆け寄ってきた。
「しーちゃぁぁぁぁん!!!!!」
「えっ、緋美だよね??どーしたの!?その目…。」
「止めたかったのに…血吸われ過ぎて追いかけることもできなくて…心配で心配で…寂しくて…グスッ……!」
「泣き腫らしたんだね。大丈夫だよ、こーくんのおかげで僕は元気だよ!」
緋美が俺に、まさかという顔で目を向けた。
俺は咄嗟に首元の絆創膏を隠したけれど、その動き自体で血を飲ませたことがバレてしまった。
「ギィヤァアアアアア!!!!!」
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