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第27話 緋美の慟哭。
「先輩!!」
「やったんすか!?」
「えっ!やっ!?ちょっと!ないない!!」
「じゃあ、その絆創膏は??」
「あっ、血をあげたかってこと??
それはその…一口だけ……」
「でも、儀式とかしてないから!俺はお前みたいになってないから!」
「カプッと噛んで、チューッと吸っただけだし!!」
「ああああああ!!その擬音ムカつく!!!」
「いやいや、ただの食事じゃん。」
「………本当にそれだけですか?」
「えっ」
手も繋いだし唇と唇でキスしたし抱き合って寝た。
…なんて言ったら緋美、息の根止まるだろうな。
あー…思い出したらまたドキドキして来た…!!
俺が顔を真っ赤にして黙ってしまったので、
「あああああ!!!ぜえったいいああああ!!!なんかあったああああああ!!!!!」
絶叫と共に慟哭し、緋美の目は更に腫れた。
「楽しく過ごしただけだよ。それより緋美、僕は帰ったら自分のルーツや、体質について調べよと思ってるんだ。日中にもっと、活動できるようになりたいから。」
「書斎に文献や古文書があるって言ってたよね?
どれだか教えてくれる?」
緋美はピタリと泣き止んで、
みるみる真っ青になっていく。
「……古書は解読が難しいよ、しーちゃんが読んで…わかるかなぁ…。あ、それに書斎は埃っぽいし、カビ臭いし、しーちゃん耐えられないんじゃないかなあ。」
「マスクしていくから大丈夫。解読難しかったらその場で緋美が教えてよ。」
ふっ…詰んだな……
俺は緋美を生温かい目で見つめた。
「こーくんも協力してくれるよね?」
緋美に仕返しできるチャンスだし、吸血一族の書斎なんて、めっちゃ楽しそう!
「もちろん!俺は静夢にとって世界一血の美味しい童貞男。吸血の作法や儀式についてもちゃんと知っておきたいし、喜んで協力するよ!」
「こーくん…!」
月城くんは胸元で両手をぎゅっと握り合わせ、頬を桜色に染め、潤んだ瞳で俺を見上げた。
一方の緋美は、顔面蒼白で、死んだ魚のような目をしていた。
「なんすかその伊達男みたいな言い方…ただの非モテ男子のくせに、俺はしーちゃんのために純潔守ってるんすからね!」
「告白されても断ってるし!!」
「あ、そう言えば俺もラブレター的なものもらった。返事する前に振られたけど(笑)」
「あははっ!僕と抱き合って寝てたの見られちゃったからね!」
「ちょっ…!静夢…!!」
「ッはあぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ???!!!!!」
「一回捕食されたくらいで、もう第一食料気取りっすか?!?!」
第一食料?第一夫人的な??
「…いいっすよ…こうなったら…俺も……」
「書斎に行って、しーちゃんのこと調べます。」
「先輩も絶対に来てくださいね!!」
俺が来た方が都合悪いだろうに、なんか怖いな……
「わかった、じゃあ明日土曜日だから、夕方から行くよ。朝までかかってもいいように。」
「臨むところっす!!」
何この気合い。
果たし合いでもする気か??
──嫉妬に狂った緋美の捨て身の計画を
この時の俺はまだ知らなかった──
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