27 / 33

第27話 緋美の慟哭。

緋「先輩!!」  「やったんすか!?」 光「えっ!やっ!?ちょっと!ないない!!」 緋「じゃあ、その絆創膏は??」 光「あっ、血をあげたかってこと??   それはその…一口だけ……」 光「でも、儀式とかしてないから!俺はお前みたいになってないから!」 光「カプッと噛んで、チューッと吸っただけだし!!」 緋「ああああああ!!その擬音ムカつく!!!」 光「いやいや、ただの食事じゃん。」 緋「………本当にそれだけですか?」 光「えっ」 手も繋いだし唇と唇でキスしたし抱き合って寝た。 …なんて言ったら緋美、息の根止まるだろうな。 あー…思い出したらまたドキドキして来た…!! 俺が顔を真っ赤にして黙ってしまったので、 緋「あああああ!!!ぜえったいいああああ!!!なんかあったああああああ!!!!!」 絶叫と共に慟哭し、緋美の目は更に腫れた。 月「楽しく過ごしただけだよ。それより緋美、僕は帰ったら自分のルーツや、体質について調べようと思ってるんだ。日中にもっと、活動できるようになりたいから。」 月「書斎に文献や古文書があるって言ってたよね?」  「どれだか教えてくれる?」 緋美はピタリと泣き止んで、 みるみる真っ青になっていく。 緋「……古書は解読が難しいよ、しーちゃんが読んで…わかるかなぁ…。あ、それに書斎は埃っぽいし、カビ臭いし、しーちゃん耐えられないんじゃないかなあ。」 月「マスクしていくから大丈夫。解読難しかったらその場で緋美が教えてよ。」 ふっ…詰んだな…… 俺は緋美を生温かい目で見つめた。 月「こーくんも協力してくれるよね?」 緋美に仕返しできるチャンスだし、吸血一族の書斎なんて、めっちゃ楽しそう! 光「もちろん!俺は静夢にとって世界一血の美味しい童貞男。吸血の作法や儀式についてもちゃんと知っておきたいし、喜んで協力するよ!」 月「こーくん…!」 月城くんは胸元で両手をぎゅっと握り合わせ、頬を桜色に染め、潤んだ瞳で俺を見上げた。 一方の緋美は、顔面蒼白で、死んだ魚のような目をしていた。 緋「なんすかその伊達男みたいな言い方…ただの非モテ男子のくせに、俺はしーちゃんのために純潔守ってるんすからね!」 緋「告白されても断ってるし!!」 光「あ、そう言えば俺もラブレター的なものもらった。」 光「返事する前に振られたけど笑」 月「あははっ!僕と抱き合って寝てたの見られちゃったからね!」 光「ちょっ…!静夢…!!」 緋「ッはあぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ???!!!!!」 緋「一回捕食されたくらいで、もう第一食料気取りっすか?!?!」 第一食料?第一夫人的な?? 緋「…いいっすよ…こうなったら…俺も……」 緋「書斎に行って、しーちゃんのこと調べます。」 緋「先輩も絶対に来てくださいね!!」 俺が来た方が都合悪いだろうに、なんか怖いな…… 光「わかった、じゃあ明日土曜日だから、夕方から行くよ。朝までかかってもいいように。」 緋「臨むところっす!!」 何この気合い。 果たし合いでもする気か?? ──嫉妬に狂った緋美の捨て身の計画を この時の俺はまだ知らなかった──

ともだちにシェアしよう!