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第4話

『俺はαで男だが、男に抱かれたいんだよ』 幼馴染の同性相手、それも「α性」に告げられた衝撃の告白。 正直驚いた。 いつから? きっかけは?? こっちは柊のことなのに全然気づかなかったんだぞ!? だけど――。 自分でもまだよく分からないけど柊が他のやつに触られると思った瞬間、胸の中がざわめいた。 嫌悪じゃない、この感情は『嫉妬』だ。 なんでかは分からない。 だって、柊を………友人をそんな目で見たことも意識したこともないんだ。 (だから、ちゃんと見極めないと) 俺自身が今どういう目で、”班目 柊”という人間を意識しているのかを。 「さすが、チェックインに慣れてんな。お、またたび酒がある」 「飲まないし茶化さないでよ、こんな時に」 「こんなとき、だからこそだろ? αとβ、それも男同士でラブホなんてよ」 まるで正気じゃないと、笑っているみたいだった。 だけど俺は、ここまで来て引き下がるつもりなんてない。 それよりもずっと、俺は……。 「いいから、遊びに来たわけじゃないだろ、柊も」 「清人」 「先にシャワー行けよ」 ここまでやれるのに、こんなにも鈍い俺に苛々しているんだ。 ――――――――――― (柊目線) 「えっと、触られていやなところとかNGなことってある?」 「………」 「めっちゃ緊張してるんだよ、柊が相手だと…すっげぇドキドキしてるわ」 「はあ?」 たどたどしいくせに、スムーズすぎて腹が立つんだが? 「やっぱり友達同士でおかしいよな」って……。ひよって、ビビってくれてたらよかったのに。 「好きにすりゃいいだろが」 「ちょっ、相手にぶん投げたら怪我するぞ!?」 「うっせーな、俺は男だぞ」 「そんな理由で、柊を適当に扱いたくない」 「‥‥‥‥チッ」 「舌打ちしてもダメ」 クッソ面倒くさいぞ、コイツ。 俺はもう―――清人に男が好きと知られた以上、後には引けない。 それでも清人が俺を抱けるって言うんなら、最後はめちゃくちゃにして終わらせてやりたい。 たとえ、トラウマになったとしてもだ。 「なぁ、柊。もし最後まで出来てさ、それでお前が嫌じゃなかったら―――俺と付き合うことを考えてほしい」 ‥‥‥‥。 どうしてこの馬鹿は、俺の前提を覆すことばかりするのか。 「お前、キャラが違い過ぎんだろ」 「それで結構。……柊、こっち来て」 そっと、ベッドの上へ押し倒される。 想像していたより重い体。肉の壁かよ…と言いたくなる清人が覆いかぶさってきた瞬間、本気なんだと分かってしまった。 「っ、清人、ん……っ」 首筋に清人の温かい唇が落とされる。 優しく、だけど噛み痕を残すような吸い方に、背筋をゾクゾクとした熱が駆け抜けた。 「柊」 「っ、やめろ、口にキスはすんな」 「分かった」 (トラウマでも何でもいい……俺を忘れられないようになればって思ってたのにな) 二度と友人には戻れない。 こんなことして馬鹿なのは俺の方だ。 どうしようもない……。清人の手が俺の衣服を脱がして、肌に直接触れてくるたび……もっと触ってくれと体が熱くなる。 「っ、う」 「柊、力抜いて。……痛いことしたくない」 「っ、うるせぇ……さっさとやれよっ」 「またそんなこと言う」 強がる俺の耳元で、清人が低い声で囁く。 「柊の体、ちゃんと大事にさせてよ」 「んンっ、や…、耳はっ」 耳の付け根を優しく揉みほぐされると自然と力が抜ける。 「ここ、弱点だもんな」 ~~~~~コイツ、知ってやがったのか。 中学の頃から変わらない、俺の弱点。 清人が毎日毎日、俺にマウント行為して噛みつくからっ‥‥。 身体が勝手に記憶を呼び起こして、ビビッて強張っていた腰の力が脱力するように抜けていく。 ‥‥‥熱い 熱い、熱い――― 「んっ、あッ―――、あっ」 「柊、またイッたの?」 「‥‥っ、るせぇ、耳元でしゃべんなっ」 まだ余裕を保とうとするらしい、俺の可愛い幼馴染は。 エロいエロいと言っていたけれど、予想以上だ。 確かに女の子の体とは何もかも違う。 けど―――ごくりと自然と喉が鳴る。 熱い。 もっと、柊の色んな表情が見たい。 「なぁ、柊。なんで、お尻の穴が柔らかいの?」 「っ、はっ?」 腰は細いのに少しだけ大きな尻。ローションだけで、するすると飲み込むように指が入っていく狭い穴。 俺の目が節穴でなければ、柊は既に……。 「清人、なにか勘違いしてっ…、つか、セックスなんてお前も散々ヤッてきただろうがっ、ひぁっ!?」 「ここが前立腺? めっちゃエロい声」 「~~~っ、てめっ、んンっ、やめっ…っ、そこばっか触んな…っ!」 αだとかβだとか、男同士だとかどうでもいい。 「柊、はじめて?」 「…‥‥っ、はっ、あっ…ンっ…、!」 「じゃなくてもいいよ。俺、柊が好きだ」 「‥‥‥‥っ、流されんなよ、馬鹿やろ…っ」 ―――流されたって思われても仕方がない。 見えない相手への嫉妬している状態で柊を抱こうとしてるんだ。 「清人」 「あ、ごめん。どっか痛かった―――っ!?」 ふわっと、香る石鹸と柊の匂い。 唇に触れた、あたたかい―――。 キスはしないと言っていたはずなのに。熱く湿った唇を重ねられたまま、柊の絞り出すような声が口内でくぐもった。 「挿れるからな、柊」 「んぐ、あ、あ゛っ、‥‥、っ!」 緊張しているんだろう。離れそうになる柊の細い腰を強く引き寄せ、内側を押し広げるようにゆっくりと深く、深く腰を突き上げた。 「あっ、ひ、んぁっ……!」と柊の背中が跳ねて、シーツを固く掴んだ長い指先が白く強張る。 「もっとっ、力抜いて」 「あ、あっ、あ‥‥、ひ」 「柊、好きだ。本当に‥‥、鈍くてごめんな」 耳を甘噛みして、柊が気持ちいいよう扱く。 どれだけ「男同士だ」「αとβだ」と理由をつけて逃げようとしても、柊に俺の事を好きだって‥‥言ってほしくなる。 「んっ、ぁ……や、清人っ、……っ」 「柊、俺を見て」 「っ、きだ、…、お前が好きだっ」 「――――っ!」 そこからは、記憶が曖昧だ。 たまらずお互いの指を絡めあって、いっそう深く繋がる。 痛みも、苦しみもあっただろう。 それでも俺達は止まらない、止まれない。 濡れた瞳に映っているのは他の誰でもない、欲望に染まったお互いの顔。 「柊……俺の、柊……っ」 「ひっ、ぁ……あぁっ!!」 引き絞るような柊の甘い声に導かれるように、俺達は絶頂を迎えた。

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