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区切り4
◇
清水さんたちとの食事は土曜日だったこともあり、十川さんと昼から過ごして一緒にお店へと向かった。
店の前で待ってくれていたふたりと合流し、一緒に店内へと入る。
ふたりで合わせたのかは分からないけれど、着ている服の雰囲気が似ているように見えた。
お揃いではないけれど、恋人だと分かる雰囲気のひとつに、このコーデも含まれているかも。
ふたりと向かい合わせに座ると、改めてお似合いだと感じた。
前回の食事の際は、苦しさも大きかったけれど、今日は純粋な気持ちで心からそう思える。
清水さんと宗治郎さんが、こうして仲良くしてくれて嬉しい。
もう清水さんを羨む気持ちはなければ、宗治郎さんの隣にいるのが自分ではないことに悲しむ気持ちもない。
「楓、久しぶりだね。楽くんも、来てくれてありがとう」
宗治郎さんが微笑み、つられて清水さんも笑った。そっくりな目元に、僕まで口元が緩む。
最近は、十川さんとのことで忙しくて、宗治郎さんと積極的に連絡を取ることはなかったけれど、今後はいつでも話せるし、ふたりで食事にだって行けると思う。
……思う、じゃなくて絶対に。
メニューを開き、宗治郎さんたちのおすすめの料理を頼んだ。
ふたりでこの店によく来ているらしく、料理のことについて詳しかった。こういうときは、彼らのおすすめに任せたほうが良い。
「楓、これおいしいから食べてみて」
「ありがとうございます」
「楽くんもね」
宗治郎さんが料理を取り分けて、僕に渡してくれた。それから同じように、十川さんにも渡す。
「……おいしい!」
「でしょ? ここのお店、とってもおいしいの。気に入ってくれて嬉しい!」
料理を褒める僕たちを、清水さんが嬉しそうに見る。
最初は料理を中心に話をしていたけれど、お腹が落ち着いてきたタイミングで、お互いの最近の話や、仕事の話をした。
特別面白い話をしたわけではないけれど、久しぶりに宗治郎さんに会えたこと、ふたりを心から応援できる自分がいたこと、それら全てが嬉しくて、とても楽しかった。
それに、そうしてくれた十川さんに感謝もした。
宗治郎さんのことを綺麗に整理ができたからと言って、十川さんとのことはまだまだこれからだから、その点では何もできていないのだけれど。
ちらりと十川さんを見ると、「ん?」と微笑まれた。
テーブルの下で、そっと手を握られる。
「なんで?」
小声で尋ねると、ふっと口角を上げた十川さんが「そうしたくなったから」とだけ答え、何事もないように清水さんに話を振る。
「楓、酔った? 顔が真っ赤だよ」
「本当だ。楓くん、温かいお茶でももらう?」
「いや……大丈夫です」
静かに十川さんを睨みながら、彼の太ももをもう片方の手でつねった。
前回同様、みんなで駅まで一緒に行き、それから解散した。
当たり前だけれど、清水さんと宗治郎さんが同じ家に帰ることも、何も思わず見送ることができた。
僕も十川さんと一緒の家に帰りたい……とは思ったけれど。
途中まで同じ方向だからと十川さんと電車に乗ったけれど、土曜日なのもあって車内は混んでいた。
座ることができずに、扉のほうでふたりで立つ。
手すりや吊り革を握れる位置でもなかったから、十川さんに甘えて彼に寄りかかった。
車内の混み具合的に仕方ない状況なのもあって、僕も人の視線を気にすることなく過ごせた。
ふと、十川さんのほうを見ると、彼はずっと僕を見ていたようで視線がぶつかった。
「望月さんって、平気そうに見えたけど、実は無理してました?」
少しだけ眉を垂らし、十川さんがそんなことを聞いてきた。
「やっぱり心配してくれてたんだ」
「まあ……、心配だけではないんですけど」
「無理はしてないよ。純粋におめでとうって思えた。これからも、ふたりには幸せを重ねていってほしい」
「そんなこと思えるようになった心境の変化は?」
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