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第13話 タバトさんの解決方法
「あの、ソーさん、俺たちのどこが無神経だったんですか?」
フランツ君が悲痛そうな顔で聞いてくるから、怒りの勢いが弱まってしまった。
フランツ君はさっきの暴露合戦に参加していないし、それにまだ子どもだし、でもたぶん俺が怒っている理由がわからないことを、自分の力不足みたいに思っている気がする。
「フランツ君は悪くない!」
「でも、ごめんなさい。俺もわからないんです。今のは何がだめだったんですか?」
ううう。もう!そんな悲しい顔をされたら、知らない!自分で考えたら!なんて言えるはずがない。
でも、説明するとして、もちろん怒ったのは俺なんだから説明する義務はあると思う。それはある。でも、俺が説明するの?俺が?ロマンチックな妄想を台無しにしやがって!って言うの?
でも、フランツ君がものすごく悲しんでいるのがわかる。フランツ君は俺の家事をしてくれるだけの存在ではない。今までずっと俺の気持ちに寄り添って、俺が困っているときもつらい時も助けてくれていた。
あああ、ままならない俺の恋愛。
「あのね。多分これが駄目だって言うのは、異世界人の感覚なんだと思うんだけどね。でも!俺は異世界人なんだから、わかってほしいの!」
「はい!」
全員が背筋を伸ばして返事をした。
ううう。言いにくいよぉ。
「あのね!俺はタバトさんが好きだけど、それはまだ本人には伝えてなかったの!」
ロナルド君、首を傾げないで!
「伝わっているとか、どう考えてもバレバレとかそういうのじゃなくてね!言葉で伝えてなかったの!」
もうっ、みんな「だから?」みたいな顔をしないでっ。
「それにね!タバトさんの気持ちも聞いてなかったのっ!」
だから!「じゃあ今聞けてよかったじゃん」みたいな顔もしないで!タバトさんも「じゃあ言ってよかったな」みたいな顔をしないで!
「あのね!!俺のいた世界ではね!好きだとかそういう告白はね、二人きりでロマンチックなところでするものなの!俺はねっ!もしタバトさんが俺を好きなら、どこかね、素敵なところに連れて行ってもらって、そこで告白してもらいたかったのっ!そしたら俺も返事をしてね!それで両想いになったらキスしようと思ってたのっ」
全部言ってしまった。めちゃくちゃ恥ずかしい。俺は両手で顔を覆った。
「ええと、じゃあ、どこか素敵なところに行って、やり直すのはどうかな?今のはなかったことにして」
タバトさんの解決方法はいつもめちゃくちゃで強引だ。SNSは手紙の交換、歌ってみたはカーテン、そしてこのデリカシーのない一連の出来事はなかったことにしてやり直す。
うん。
うん!
タバトさんの解決方法はすごく強引。だけれども結果としていつも俺の問題は解決している。
だから、やり直してくれるなら確かに問題は解決しそうな気がする。
だけど俺は言い足りない。言わなくてはならない大切なことがある!
「タバトさん!異世界人取扱説明書にさっき俺が言ったことはちゃんと全部書き加えておいて!!異世界人の恋心を本人にバラしてはいけない!人前で異世界人への恋心を表明してはいけない!」
「わ、わかった。約束する。市民用の小冊子にもちゃんと書いておく」
市民用の小冊子?そんなものもあったの!?
「うん!書いておいて!そうすれば今後異世界から来た人が、デリカシーがないって叫んで、その後全部説明する羽目になって恥ずかしい思いをせずに済むから」
「ソウ、俺、ソウのそういうところが好きだよ。自分がつらい目に遭ったときに、他の人が同じ目に遭わないようにって考えるところ、すごく思慮深くて優しいと思う」
あ、真剣な目で見つめられて嬉しい。俺の内面をそんなふうに言ってくれるの、嬉しい。
けど、さ。
「タバトさん、あのさ、それも二人きりのときに言ってほしかったよ」
「わかりました!」
フランツ君が言った。
「今のは聞かなかったことにしましょう!それで俺たちが帰れば2人きりになるから、すぐにやり直せます」
タバトさんのやり方を踏襲することにしたらしいフランツ君が、ロナルド君とミリーさんとリヒト君を連れて行ってくれた。
うん、ものすっごい変な展開だけど、二人きりだね。ありがとうフランツ君。
「ソウ、俺、ソウのそういうところが好きだよ。自分がつらい目に遭ったときに、他の人が同じ目に遭わないようにって考えるところ、すごく思慮深くて優しいと思う」
全く同じセリフをありがとうタバトさん。
ロマンチックじゃないけど、二人きりだよね。
俺、タバトさんのそういうところすごい好きだよ。
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