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第23話 初エッチ

俺は人に頼ることが苦手だった。 すごく優秀ってわけではないけど、わりと何でもそれなりにこなせるから、何か自分でできないことを人に頼ったり、相談したりって元の世界ではあんまりしたことなくて、普通に自分の能力の範囲内で生きていた。 仕事も割と順調で、すべきこともその方法もわかっていて、それを過不足なくこなすだけで問題なく進んでいけた。 それがこの世界に来てからは、もうありとあらゆることを人に頼りっぱなしで、何もかもがわからないことだらけだし、何でも誰かに聞いて、できないことはやってもらって、困ったときには相談してって、すごく人に助けてもらいながら生活してきた。 はじめは全然慣れなかった。相手に申し訳ないと思ったし、自分が不甲斐ないとも思った。でも実際問題としてかまどでご飯を作れないし、お湯も沸かせないし、一人で馬にも乗れない。そして毎日毎日のことだから、さすがに慣れるしかなかった。 その流れがなかったら、恋人になってくれたタバトさんにも、こんなふうに自分の体のことなのに全部を丸投げでお任せしたりはできなかったと思う。 俺は、現実逃避のためにほかのことを考える癖がある。 自分の思考や行動の癖なんて今振り返るようなことじゃないけれども、フランツ君が用意してくれたお風呂にタバトさんと二人で入って、体を洗ってもらって、お湯の中で後ろから抱きしめてもらって、そしてお尻にね、何かごつっとしたものが当たっているから、だから、もうそのことしか考えられなくなりそうで、それで現実逃避してるってわけ。 でも、タバトさんの手が俺の体のそれを掴んだから、現実逃避モードは速やかに終了になった。 タバトさんの大きな手が俺のそれを握ったままゆるゆると上下に動く。 もうしっかりかたくなっているけど、それはタバトさんも同じだから恥ずかしくはない。 さっきも全身を素手で洗われてしまったから、体に触れられることには少し慣れてきたように思う。 体を洗ってくれた時には、手の動きはからっとしていて、単に清潔にしてくれている感じがして、受け入れやすかった。 今はそこを握られて、反対の手で体を撫でられていて、それは明らかに性的な目的を感じているけれども、太ももや腰を優しくなでてくれるから、お風呂の気持ち良さもあって、俺はがちがちに緊張した体がゆっくりほぐれていくのがわかった。 「ソウの肌はなめらかだね。ずっとこうして撫でていたい」 「ソウの髪は綺麗だね。艷やかでとても神秘的だ」 「細身なのに筋肉がちゃんとついててすごく官能的だ」 とかタバトさんがなんの照れもためらいもなく言ってくれて、俺はなんの返事もできなくて、ただ口をぱくぱくさせることしかできなかったけれども、めちゃくちゃ安心したし、めちゃくちゃ嬉しかった。 後ろから抱きしめてくれているタバトさんを振り返ると、優しい顔をしているけれども、目はちょっとギラギラしていて、そしてタバトさんのそこはすごくかたくなってて、時々お尻の柔らかいところに擦り付けるられるから、俺は何の心配もしなくて良かった。 「あまり長く入ると湯あたりするから」 そう言ってタバトさんは俺を抱き上げたまま浴槽から出てくれた。 わあ!お姫様抱っこでベッドまで運んでもらえるの!? って思ったけど、よく考えたら二人とも体がびしゃびしゃに濡れているし、タバトさんは一度俺を脱衣所に降ろして体と髪を拭いてくれた。 俺は自分で拭けるのに、全部タバトさんにやってもらって、ぼんやりと立っていた。 タバトさんは俺のことは丁寧に拭いてくれて、自分はがさつに拭いて、まだ背中とかちょっと濡れてたけどそのへんは気にしないで、もう一度俺を抱き上げてベッドまで連れて行ってくれた。 俺はそこにそれを入れることばっかり考えていた。ほかのことももちろん何の経験もないし知識もふわっとしているけれども、その辺の行為には難しさはそんなにないと思ってた。 できるできないの話ではないし、痛いとか痛くないとかも問題もないから。 でも、実際はじまってみたら、もう何もかもにパニック寸前だった。 ベッドのうえに横たえてくれて、タバトさんが俺をつぶさないように俺の体の両側に膝をついてのしかかって来て、タバトさんの西洋人イケメンの顔が近づいてくるのが見えて、その向こうに筋肉質の上半身が見えて、俺の顔の両側についているたくましい腕の筋肉も見えて、それでちょっと向こう側に、その、ね、ものすごく隆々としているそれも見えて、そのアングルだけでめまいがしそうだった。 それに俺の体も隅々まで見られた。 もちろんお風呂でも見られていたんだと思うけれども、タバトさんは俺の上にのしかかった状態で、両腕と両脚で俺が逃げられないように囲い込んでいて、別に逃げる気なんて全然ないけれども、それで、熱っぽい目で体中を舐めまわすように見つめられた。 その目が俺の目を見つめてきて、そして近づいてきて、それで俺は口をちょっと開けて、それで俺はタバトさんの唇と舌を受け入れた。 口の中を舐め回されて、キスはもう慣れていると思ったけれども、キスをしながら、肌を撫でられると、撫でられたところの気持ちよさとキスの気持ちよさが体の奥で繋がって、体全体がどろどろに溶けてしまいそうだった。 ただキスするだけよりずっと息が苦しい。 気持ちよくてぼうっとなってしまう。 思わずタバトさんに抱きつくと、タバトさんも裸だから、裸の皮膚の感触が生々しくて、背中が熱くて汗ばんでいて、タバトさんの興奮が伝わってきて、思わずぎゅうぎゅう抱きついてしまった。 力が入りすぎた腕をタバトさんの手のひらが優しく撫でてくれる。 少し力が抜けると、タバトさんは俺のホールドから抜け出して、俺の両手首を掴んでしまって、俺は手首を掴まれてベッドに押し付けられたまま、首筋や肩や胸にキスをされた。 唇が触れて、舐め回されて、皮膚を吸われて、恥ずかしくて両手で顔か身体か両方を隠したいのに、タバトさんが俺の両手首を掴んでいるから、何もできなくて、俺はただただされるがままになった。 胸のところを吸われたり唇で挟まれたりすると、くすぐったくて気持ちが良くて、なんだかぞくぞくして、やめてほしいのに全然やめてほしくなかった。 そのうちタバトさんは俺の手首を離してくれたけれども、俺の身体の筋肉はもう全然力がはいらなくなっていて、タバトさんが腰にも脚にもキスしてくるのを止めることはまったくできなかった。 エッチってこんなに体全体に触れられるものなんだろうか。性感帯?って言われているところにちょっと触ったりなんだりするだけだと思っていた。 これが異世界のやり方なのか、元の世界のやり方も同じなのか全然わからないけれども、俺はタバトさんとしかこんなことしないんだし、タバトさんはこういうふうにするんだから、それでいいんだと思う。 俺は脱力した全身と脳みその全てでタバトさんを受け入れた。

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