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第22話 地下室の悪夢*

「は、うぅ……ああっ……」  熱い息を吐きながら、周囲の男たちに目を向けようとする。興奮する信徒たちの向こう側で、魔法と拘束具で動きを封じられたアレクと目が合った。  み、な、い、で。  思わず、口がそう動く。獣が体勢を変え、発情してしまった僕の下の穴へと、そそり立った性器が当てられる。 「う、うあああぁぁ……! やめろぉぉおおお……!!」  血を吐くような声色でアレクは叫び、こちらに駆け寄ろうとする。だがすぐに周囲の信徒たちに押さえ込まれ、床へと倒れてしまった。  本気で彼が僕を助けようとしてくれた。それだけで恐怖に染まっていた心が温かくなって、目元が柔らかな笑みの形に細くなる。  ありがとう。心配してくれて。淫乱で、誰にでも股を開くこんあ僕のことを、本気で案じてくれて。でも大丈夫。それだけで僕はこれから起きることにもきっと耐えられる。腹の中をぐちゃぐちゃにされて、二度とあなたに抱いてもらえる体じゃなくなったとしても、絶対に、心までは壊されないから。  獣が腰を大きく引き、勢いよく僕目掛けて肉杭を抉り込む。 「アッ、ぎ、ぁ……が、はっ……!」  馬ほどの体躯を持つ獣の性器が、僕の腹の中にぐじゅぐじゅと捩じ込まれていく。いくら悲鳴を上げても異種族の僕の声が届くはずもなく、獣はただ性処理穴を使うための動きで、僕の内側を食い荒らす。 「ぐ、がっ、がはっ……! ぎ、あ、あぁっ、ごっ……!」  本能のままに腰を打ちつけてくる獣に、うまく息をすることもできずに肺から持ち上げられた空気が濁った声となって口から吐き出され続ける。  遠くで殴打音が響き、アレクがどこかに引き摺られていくのが視界の端に映る。良かった。もうこれ以上、酷い姿を彼に見せずに済む。我慢して取り繕わなくても、もういいんだ。  危機的状況が加速しているというのに胸の内には安堵が満ち、弱くなった心が救いを求めて本能へと体を明け渡す。 「あ、ああっ、アッ♡ きもち、いいっ……きもちいいっ♡♡」  腹を裂くような痛みも、不本意に獣によって組み敷かれているという苦しみも、その向こう側にある快楽を優先する本能によって無視され、顔に淫蕩な笑みが浮かぶ。 「もっと、もっとぉ♡ たくさんちょうだい♡ うれしいっ♡」 「ああ、なんということだ」 「聖獣様の逸物をあれほど受け入れてよがるとは」 「払い下げられるのが楽しみですな」  人とは違う狼の性器が奥底を叩き、閉じられたそこをこじ開けようとする。  嫌だ。そこは入れないで。そこは彼だけの場所なの。お願い。 「あっ、アぁっ♡ ぎ、ひぃっ♡ うれしい♡ いれてっ♡ ぜんぶこわしてっ♡」  ぐぢゅん、と荒々しい一撃によって、獣の性器は結腸の向こう側へと侵入する。それだけでは収まらず、獣は結腸口を破壊するほどの勢いで鋭い先端を何度も激しく出し入れした。 「あ“、かはっ♡ ごぁ、ぎっ♡ アッあっ♡ きもちいい、きもぢいい、れすっ♡♡」  全ての苦痛を快楽だと思い込み、言葉も通じない相手に対して媚びる言葉を口にする。その一言一言は周囲の男たちの興奮を誘い、彼らは今すぐ僕を犯したいという欲を抑えられずに、檻のすぐ近くにまで続々と集まってきた。 「バケモノが」 「穢らわしい淫売め」 「俺たちをここまで誘惑して」 「死ぬまで犯されろ」  口々にぶつけられる罵倒も、本能に支配された僕には快楽を得るための材料にしかならなかった。 「ありがとうございます♡きもちいいです♡きもちいい、きもちいいっ♡ きもち――ぎっ、あぁぁあ”ーーーっ……!♡♡」  絶叫で喉が震え、獣の性器から膨大な量の精液が注ぎ込まれる。本来であれば夜魔である自分の力となるはずのそれは、何故か僕に力を与えることはなく、不快な熱となって腹の奥に停滞した。 「は、はひ……なん、れ……?」  性器はいまだ挿入されたままで、断続的に吐き出され続ける精液で薄い腹がぽっこりと膨らんでいく。何が起きたのか分からず細かく痙攣する僕に、司祭は教えを説くような清らかな表情で言い放った。 「聖獣様の子種には、魔除けの力が宿っているのです。このようになるまで調整するのは骨でしたが……儀式の後、払い下げられるのを考えれば必要なことでしょう?」 「は、らい……さげ……?」 「あなたが気にすることではありませんよ。これから聖なる子種を受けたまま、あなたは聖獣様が満足するまで耐え続けるのです。大抵は精力が回復した聖獣様に何度も犯されているうちに子種の魔力に耐えられず命を落としますが……魂はそれにより浄化されるのだから、それでいいでしょう?」  司祭の言葉を肯定するように、獣は低く唸り声を上げると、再び腰を持ち上げて僕の中へと叩きつけてきた。 「ごっ、がっ♡ おっ、お“っ♡」 「下品な声ですね。まあ、もう数時間もすれば、『静か』になっていることでしょう。では皆さん、一旦礼拝へと向かいましょうか」  名残惜しげに下劣な目を向けながら、司祭と信徒たちは地下室から去っていき――全ての光が落とされて、暗闇の中に僕と獣だけが取り残された。

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