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「ね、稲葉くん、これって垂木は扇でしょう?」
パソコンの画面から視線を上げると、同僚の田 永 がコーヒーの入ったマグを差し出してくれた。
「はい。施主さんはそうおっしゃっていました」
会釈して受けとりながら、紀一はにっこり答えた。
「……あそこの工務店で大丈夫かしら」
「今年戻ってこられた息子さんが、宮大工の棟梁 をされていたらしいのでいけるみたいです」
「あ、そうなの」
ほっとしたように田永は薄化粧の目元を緩めた。
扇垂木は禅宗の寺に起源を持つ手法だ。一般の住宅では極めて珍しいので彼女の心配はもっともだ。扇垂木は規 矩 術を習得して中勾等の指金利用技術に長けているからできる技で、並みの大工では無理な注文である。
四十を少し過ぎたばかりの田永は古参の女性で、所長の相原 とともにこの事務所の両輪である。細やかな気遣いのできる性格らしく、まだ入所して浅い紀一をいろいろと気に留めてくれているようだった。
紀一が新しく手がけることになった日本家屋は、事務所が今まで引き受けたことのない種類の物件だ。もともと住宅や店舗などをモダンなイメージで設計することを得意とする田永には不安な案件なのだろう。
「なので、このまま図面引いちゃいますね」
明るくしかしきっぱりと言い切ると、田永は少し目の色を柔らかくして頷いた。
「お願いするわ」
「稲葉さん、ちょっといいすか。一昨日の有 働 邸のなんすけどね、登記簿の面積確認お願いします」
事務所の建築士のサポートをするアルバイト、大学生の西 木 が手を上げて言った。紀一は彼の机の横に立って、机の上の書類を一通り目を通す。
「登記簿の面積と建築確認申請の面積、注意ね、違うときあるから」
「あ、ありがとうございます、気をつけます」
混同しそうになっていたらしく、西木は恐縮したように手元の書類をめくり始めた。
「ややこしいよね。でも今間違えとけば修正すぐできるし大丈夫」
「はいっす!」
地元で運よく建築士として再就職し、一月が過ぎようとしていた。日本家屋を手がける企画を採用されてからは、慣れていない者がほとんどの事務所で、プロジェクトは紀一に一任されているようなものだった。寺社仏閣や伝統的な家屋の修復などを専門としてきた紀一だから、慌しいがやり甲斐 がある。
(モダンが売りなのに、日本家屋やりたいって俺の無茶ぶりを受けて立ってくれた所長の柔軟性のおかげだよな、ほんと……)
紀一の得意とする伝統構法は、現在の建築基準法の仕様規定では位置づけがなされていない。だから限界耐力計算を用いて、自然災害の際の構造の安全性を測り、構造計算適合判定に合格しなければ建築の許可が下りない。
紀一はこの限界耐力計算を、構造設計事務所に外注せず、自分でやっている。かなり面倒で労力を割かれるが、構造や負荷がかかった際の力の流れを把握する重要な作業だった。
そしてうまく申請が通っても、技術や建材自体も独特なので実務を担う工務店の技量も求められる。そのため、従来の構法では半年ほどだが、伝統構法で家を建てる場合は一年から一年半かかってしまうのがざらだった。相当な時間と手間と費用を必要とする建築方法である。
扇垂木を始め、伝統構法は特殊な技巧が必要だ。丁寧で、堅実な仕事が求められる。細部にこそ神は宿る。有名な近代建築家の言葉を思い出しながら、近代建築であれ、伝統構法であれ、その本質は同じなのだろうと紀一は慎重に取り組んでいる。
「おい、紀一」
所長の相原が、事務所の廊下から首を出した。どうやら休憩するようで、顎をしゃくって紀一を呼びつけてきた。眼鏡をかけた顔は知的な紳士だが中身はがらっぱちである。誘われるまま、給湯室のほうについていった。
商店街の一角にある、この六階建てのこじんまりとした貸しビルの二階が相原設計事務所だった。一階にはカフェが、三四階には貸し倉庫、五六階にはデザイン事務所が入っている。
「お前にバイトの学生、もう一人いるの、紹介してなかったよな」
相原は小柄なわりにスーツの手足がひょろひょろ長い。案山子がひょこひょこ動いているように見える。
紀一は事務所の壁にある在籍管理のホワイトボードを思い浮かべた。確かに知らない名前がひとつあった。それがそのアルバイトの学生なのだろう。
「そうですね、所長」
紀一が挨拶すると、さも嫌そうに顔をしかめ、しかしすぐに意地悪そうににやにやしはじめる。
「お前に所長呼ばわりされると、なんだ、なんか、すわりが悪りなー」
「社会人のけじめですから」
年が二十歳以上違う同窓の先輩かつ大学の非常勤講師でもあった相原に、紀一は澄まして言った。いつになく強気な紀一に、相原はぴくんと片眉を持ち上げた。
「社会人なら、体調管理ぐらい気をつけろや」
「はい、ご迷惑をおかけしてすみませんでした」
それは申し訳なく思った。いきなり初日に遅刻してきた紀一を、相原は心配しつつも体調に気をつけろと小言を言った。それから咎 められるような事態はなかったが、口の悪い先輩は今でも心配してくれているのだろう。
相原は眼鏡のブリッジを指で押し上げた。はっきりとした物言いの相原には珍しく少し言いよどんだ。
「……おめェさ、やっぱり、無理してるんじゃねえの?」
廊下を歩きながら、冷たそうな横顔は前だけを見ている。
「仕事だけでも手いっぱいだろうに、その上、姪 だからって紀保ちゃんのことも引き受けちまって……」
「俺はっ」
遮るように声に出していて、紀一ははっとした。
大人しい紀一の険しい声が珍しかったのだろう、呆 気 に取られたように相原が目を大きくしている。
「……すみません、でも、紀保のことは、散々考えて自分で決めたんで……」
上ずった声にばつが悪くなって、紀一は俯いた。
「いつも心配かけて、すみません」
「ばーか、心配なんてしてねえし」
項垂れていた頭のてっぺんを、こつんと小突かれた。
「……おまえ昔から、無理するのがデフォだもんなぁ」
呟 いた相原の声がちょっと小さくなった。
「いや、もういい年の男なんで無理はききませんよ」
「どうだかな」
へらへら笑っている紀一に相原は鼻を鳴らした。
「……しかし、早いもんだなぁ。妹さんが亡くなってもう一年か」
相原の視線に釣られて、紀一も窓の外を見た。このビルの二階からは、ちょうど桜の並木のてっぺんが眺められる。四月も終わりに差しかかり、葉桜になった爽やかな緑が揺れていた。
「そうですね、早いですね……」
妹の紀 恵 は数年前に夫を亡くし、残された娘の紀保をひとりで育てていた。そんな紀恵が死んだのは去年の三月のことだった。自動車事故に巻き込まれ、即死だった。遺体の損傷が激しくて対面は止められた。紀保とふたりだけの葬式で棺桶 を覗 き込んで、紀一は初めて妹の死に顔を見ることができた。綺 麗 に処置してあった妹の顔は眠っているようで、そのせいだろう、妹が死んでしまったという意識は今でもどことなく希薄だった。
「それで、今日、保育園早帰りなんで、すみません」
おずおずと言い出すと、相原は太く笑った。
「ああ、わかってる。紀保ちゃん、迎えに行ってやりな」
そうこうしていると、給湯室の開けっ放しの戸口が見えてくる。誰かいるらしく、そこからコーヒーのいい匂いが漂っていた。
「おい、哲 史 ! いるか?」
相原が給湯室のドア口で呼びかけた。
「はい」
返事とともに、ひょっこりと首を屈めるようにして誰かが出てきた。背が高い。
(あ!)
声も出せずに紀一は目を見開いた。
あの親切なイケメンだった。
「バイトの若 山 哲史、な」
相原が紹介するのにもろくに返事できなかった。
目をぱちぱちさせる顔が間抜けだったのか、若山哲史という青年は薄く笑みを浮かべた。
「今日は顔色いいですね」
「あれ、え?」
口をぱくぱくさせている紀一に、相原が怪 訝 そうにつっこんでくる。
「あ? なに、鳩 が豆鉄砲喰 らったみたいな顔してやがる」
我に返って、慌てて紀一はポケットに常備している名刺を差し出した。
「す、すみません、名乗り遅れました、稲葉紀一です」
長い指が優雅に名刺を受け取る。やっぱり仕草のひとつとっても、目を引き付けられるものがあった。微笑んだ唇の隙間から真珠色の歯がのぞいて、紀一は見惚 れてしまいそうになる。
「若山です、よろしくお願いします」
迷いなく差し出された右手に紀一はきょとんとした。
握手を求められている、らしい。
「馬鹿、なに戸惑わせてんだよ。紀一、こいつ、海外暮らしが長ぇから、気にすんな」
相原は若山を肘でどんと小突いた。苦笑している若山に紀一もなごんでくる。
「本当にあの時は助かりました。ありがとう」
「いえいえ」
改めて頭を下げると、若山はにっこり笑った。目じりが柔らかく下がって、整った造作に人間味と愛嬌 が加わる。
二人のやり取りに、相原がおもしろそうに眉を持ち上げた。
「なんだ、お前ら、会ったことあったっけ?」
「あ、ええ、まぁ」
手短に駅でのことを説明すると、相原は感心したように顎を撫 でた。
「へぇ、すごい偶然もあったもんだ」
相原は感心したように若山を見上げる。自分が褒められているわけでもないのに、紀一はなんとなく嬉 しくなってしまった。
「そういうことだから、雑用とか荷物運びとか、なんでもこき使え」
「体力には自信ありますよ」
ひどい言い草の相原を請合うように、若山は力こぶを作るまねで片腕を曲げた。肘の辺りまで袖を曲げた腕、その綺麗な筋肉が動いたのが覗いていて、なんとなく紀一は目を泳がせてしまった。
「じゃ、休憩終わりなんで、俺行きます」
「おう、行け行け」
犬猫でも追っ払うように相原が手を振る。綺麗な会釈をして若山はオフィスのほうへ歩いて行った。背中がまっすぐで、歩き方が堂々としている。それだけで、紀一は後姿から目が離せなくなった。
「世間ってものは狭いな」
ぽつんと相原が呟いた。
「本当ですね」
「……でも珍しいな。あいつ、外面いいけど基本ドライだから」
少し訝 しそうに相原が眼鏡の奥の目を眇 める。
「そうですか? とっても親切にしてもらいましたよ」
ドライというよりも、爽やかで適度に親切だった。それともドライと評される若山が捨て置けぬほど、悲惨な顔をしていたのかもしれない。きっと人との距離感をつかむのが得意なのだろう。要領の悪い紀一には羨ましいぐらいだった。
「ふーん」
相原が気の抜けた相槌 を打った。
「ま、あいつ使えるから、どんどん手伝いさせろや」
「わかりました」
紀一は容赦のない相原の口ぶりにくすりと笑った。
若山の着ていたシャツの淡い若葉色が余韻のように紀一の眼裏にしばらく残っていた。
仕事をどうにか纏 めると、紀一は慌しく帰宅の準備をした。手を休めることなく時計を確認する。保育園のお迎えの時間までまだあるが、事務所を出る前にやりたいことがあった。
身支度をすませて、紀一はきょろりと事務所を見渡した。外に出ている人もいるが、ほとんどが座って仕事をしている時間帯である。所長の相原も電話をしながら、何やら書類をめくっていた。
もしかしたら、お使いかなんかに出ている可能性もある。
紀一はそんなことも失念していた自分にがっかりしながら席を立った。同僚たちと別れの挨拶を交わし、とぼとぼと廊下に出て行く。
念のためのぞいた給湯室には誰もいなかった。そう広くないビルの二階フロアを探したが、次々に空振りに終わる。もしかしたらと最後に覗いた資料室兼備品置き場で、運よく紀一は目当ての姿を見つけた。半ば開いたドアから呼びかける。
「若山くん」
ファイルを棚にしまうと、若山はにこにこと廊下に出てきてくれた。
「お疲れ様です、稲葉さん」
「もう、仕事終わり?」
あらかじめ若山のアルバイトの時間を確認はしていたが、急ぎの仕事が入らないとも限らない。
「ええ、そうですけど」
腕時計をちらりとみやって若山は頷いた。
「よかった! あの、こないだはどうもありがとう!」
紀一は勢いよく頭を下げた。
「いえいえ」
薄く微笑む表情に後押しされて、紀一はうまく言おうと気負って話し始めた。
「それで、あの、お礼にお酒でもって、まだ二十歳前、かな……?」
「十九歳です」
物腰が落ち着いているからもっと年上に見えた。自分よりも十歳近く若いという事実に紀一は地味にショックを受けて誤魔化すようにへらりと笑った。
「それじゃ、ご飯でも奢 らせてくれる? といっても今日は帰らなくちゃいけないんだけど」
鞄 から手帳を出してスケジュールをチェックすると、夕方の適当な時間がどこにも見当たらない。当たり前である。紀一のプライベートはすべて紀保に捧 げられているのだから。
紀一は焦った。勢い込んで自分のやりたいことだけを並べていって、紀一はあわあわとなる。気持ちだけでここまで来たはいいけれど、自分でもいやになるほど計画性がない。
(どうしよう、シッターさんに紀保を預かってもらうのは嫌だし……)
どうしても都合が悪くてベビーシッターを頼むこともあるが、できるだけ紀一自身が傍にいたいのだ。頭の中でぐるぐるしていると、若山が首をかしげた。
「別に、俺気にしてませんから。お気持ちだけで」
「いや、それは俺の気がすまない」
「でも」
「お願い。させて」
食い下がるように視線だけを上げると、何故か若山の表情が消えた。
「……あの、稲葉さん」
「哲史、いいから甘えとけ。こいつ、やわい顔してしつけーから」
不意に助け舟が飛んできた。いつのまにか、相原が給湯室の前で廊下に佇 んでいる。やわい顔ってなんだと、相原を軽く睨 むと涼しい顔で持っていたマグをすすり始めた。眼鏡が湯気に曇って表情がわからない。
「わかりました。甘えますね」
苦笑する若山に、紀一はほっと肩の力を抜いた。
「決まったなら、さっさと散れ! おめぇらーみてえなでかいのが並んでると、圧迫感あるんだよ。ったく」
ぶつぶつ言いながら相原は部屋に戻って行く。紀一は平均身長を少し超えるぐらいだが、若山は身長が百八十センチを軽く超えているから鼻につくのだろう。身長は仕事のできるいい男の相原の唯一のコンプレックスで、昔から見下ろされるのが嫌いなのだそうだ。
若山とふたりで目を見合わせて、微笑み合う。
「外、行きましょう」
「そうだね」
エレベーターは使わず、申し合わせたように階段に行く。就業時間に遠い時間帯だから、階段の踊場なら誰も通らない。静けさに遠くの車の音なんかが混じっている。ほっとして、紀一はまた手帳をめくった。
「よかった。えーっと、……いつがいいかな」
「俺はいつでもいいですよ。どうせ予定ないですし」
若山は外国人のように肩を竦 めてみせた。
「ああ、どうしよう……。夜は暫く駄目だし、週末は……動物園だ……」
「動物園、ですか?」
「うん、そう」
こくりと頷くと、若山はなにかを口の中をもぐもぐさせた。困ったように若山の眦が下がる。
(どうしよう、次の週末は何もないけど……)
脳みそを振り絞るようにぐるぐる考えていると、ふと視線を感じた。
若山の真っ黒な目が、見上げたすぐ傍にあった。
「……なんか、かわいいですね、稲葉さんって」
「え?」
紀一は口をつぐんだ。
表情に出さないまま、紀一は心臓を早くした。
言ったほうの若山は自分の言葉を紀一がどういうふうに受け取るか知らぬげに、いつも通りの穏やかさだった。
(かわいいって言った……)
心の波立つのをこらえるように、紀一は眉間に皺 を寄せた。
今更、こんなことで動揺させられるとは。
(……それが嫌じゃない、なんて。俺は馬鹿か。いかんいかん)
自分の本音に蓋をするように、紀一は耳元の髪をくしゃりとかいた。
「そう、かな?」
若山ははっとしたように詫 びた。
「あ、すみません、男の人だと嫌な気持ちになるひともいますよね」
「え、あ、……んん」
どう答えることもできなくて、紀一は曖昧に笑った。
「動物、好きなんですか?」
「うん、紀保が好きなんだ」
「のりほ?」
「……姪なんだけど」
腕時計を確かめると、そろそろ出発しなければお迎えの時間に間に合わなくなる。
「もしかして今日、姪御さんと約束があって早上がりを?」
「……保育園の、お迎えがあって」
知らなかったようで、面食らったように若山は瞬いた。紀一が独身のまま姪を育てているのは周知の事実だった。若山は事務所で噂 話なんて気にとめるタイプではないのだろう。若山の好ましい面をまた一つ見つけてしまった。
「夜が駄目なのはそういうわけですか……」
「うん、でもみてもらうのを頼めば、なんとかなる、と思う」
唸 りながら算段をめぐらしていると、若山がぱっと顔を輝かせた。
「そうだ、稲葉さん。料理されます?」
「そりゃ、まぁ」
子どもを育てているのだから、世の中の母親ほどではないが家事はこなしているつもりだ。お弁当だって作る。
名案を思いついたと言う顔で若山は続けた。
「おうちでご飯は、駄目ですか? それでしたら、姪御さんのお世話に支障も出ないだろうし、迷惑にならない時間にお暇もできますし」
どうでしょうというように微笑まれて、紀一はしどろもどろで返答した。
「俺は、それでも平気だけど、……それって、大したお礼にならないんじゃないのかな……」
ぐずぐずと言いよどんでいる紀一を促すように、若山は紀一の背中に手を添えた。
「行きましょう」
上から注がれる微笑の優しさに、紀一は思わずどきりとした。こんなふうに誰かに見下ろされるなんて、何年ぶりのことだろうか。
「ご馳 走 してくださるんですよね?」
覗き込むようにして若山が言った。すぐ傍にある黒い双眸 と取り囲む白い部分が子供のように青かった。それが紀一に若山の瑞々 しさを感じさせた。
海外育ちのせいだろう、若山は少しスキンシップが激しい。今も薄いシャツ越しの背中に掌の熱を感じる。こんな近くであんな顔をされては、愚かな紀一は息苦しくなってしまう。
「そうだけど、……そんなことで、いいの?」
きりっとした若山の顔を直視できずに目を泳がせていると、まだ迷っているのかと思われたらしい。若山はとどめを刺すように言い放った。
「いいんです。あなたの手料理が食べてみたい」
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