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第10話
「皆さんお揃いですね。じゃあグラスを持って……」
それぞれ自分のグラスを手にして持ち上げる。
「それでは、赤羽さんがいらっしゃったことをお祝いして……カンパーイ!!」
グラスがぶつかると軽やかな音を立てて場の雰囲気を一気に明るくさせた。真翔はすぐにグラスに口をつけてビールをあおる。疲れた身体に流れ込むアルコールは、徐々に身体が温かく感じられる。
「はぁ~。週末のお酒はいいっすね~」
「森くん、おっさんみたいだよ」
あはは、と反対側に座る岡崎と森は一気に盛り上がっていた。
「仕事中も思ってたんですけど、このチームって和気あいあいとしてますね。岡崎さんと岩本さんのおかげですか?」
「えっ、普通だと思ってました。でも、ついでにちょっとお喋りして盛り上がっちゃうことは多いかもです」
「そうですよ! いっつも俺の方に何かしら飛ばしてくるじゃないですか!」
「それは森くんのせいでしょ?」
気づけば反対側の三人だけで会話が盛り上がってしまい、真翔は入り込む余地を見つけられなかった。
「あはは……。ほんと賑やかですね」
「そうですね。彼女たちのおかげで喋るようにはなりました」
古谷はゆっくりとビールを飲みながら、ぽつりぽつりと話していった。仕事中に真翔と開発について盛り上がったのが嘘みたいにあまりにも静かだ。
「前は静かだったんですか?」
「まあ、はい。飲み会もほとんどなかったので」
「聞いてくださいよ、赤羽さん!」
すると、今まで真翔の言葉を耳にしていなかった岡崎が突然割り込んできた。
「古谷さんって仕事以外はよっぽど何かないと参加してくれないんですよ。だから今日は赤羽さんのおかげで来てくれた感じなんですよ!」
「俺、仕事とオフは分けたい主義なんで」
「いっつもそればっかじゃないですか!」
「まあまあ、岡崎さん。あんまり言い過ぎると俺から注意しないといけないからね」
チームリーダーらしく、優吾は岡崎をなだめる。すみません、と岡崎はこれ以上古谷に対して何も言わなかった。
「お待たせしました。前菜のサラダです」
真翔のグラスが半分くらいになったところで、料理が運ばれてきた。トングを交代で回して各自で取り分けて食べ始める。シャキシャキとレタスを噛んでいると、空腹だったことを思い出した。
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