指先で強弱をつけながら、執拗に乳首を刺激され続け、樹の身体は蛇のようにくねくねとうねることを止められない。熱い血流が全身から一気に下半身に集中し、股間が痛いほど張りつめている。先端から溢れ出している先走りでトランクスを濡らしているに違いなかった。 　信じられなかった。全身が性感帯になったみたいにどこを触られても感じてしまう自分の身体の反応が、信じられなかった。 　自分はどうなってしまうのか？怖くて逃げ出したいのにそれができない。 　唇が突然自由になり、樹は呆然とし、息を切らせたまま多嶋を見つめた。多嶋は眼鏡越しに樹を見つめ続けている。下から見る多嶋は整えられていた前髪が下がり扇情的で、欲情した瞳で見つめられるとその色香に動けなくなる。 「ああっ」 　カリッとまた乳首を引っ掻かれ、ピリッとした痛みに身体がビクンと跳ねかえり、甘い声が漏れた。 「こんなに感じやすければ、すぐに良くなるさ。俺がお前を変えてやる」 　多嶋の言葉遣いが変わったことに恐怖と興奮が混ざり合った。 　ベルトに手をかけられ、スラックスを下着ごと引きずりおろされる。一瞬のことで悲鳴のような声が漏れただけで抵抗らしいことは何一つできなかった。 　形を変えた己の欲望は解放された反動で更に硬さと大きさを増し、直立しふるふると揺れている。先端が透明の液体で卑猥に光っていた。 「なんでこんなにギンギンに勃ち上がってるんだ？キスしただけだろ？」 　多嶋はうっすらと笑い、透明の液体が溢れ出している先端を指で弾いた。 「うあっ」はしたない声が漏れ、頭をのけぞらせ腕で唇をふさいだ。生暖かい感触に亀頭が包まれている。 　見れなかった。多嶋が何をしているのか、怖くて見れない。ただどうしようもなく気持ちよくて眩暈がする。 　じゅるじゅるといやらしい音を立て吸い付かれるたび腰が震え達しそうになるのを必死でこらえた。 　多嶋の手に根元をきつく握られ、先端を吸い付かれるたび腰が上下にビクンと跳ねる。いくら腕をきつく唇に押し当てても、呻き声は漏れてしまう。 　限界が近くなればなるほど、腰の動きは激しさを増した。 「うっ、ああ―――もうダメだ。出る。出るから」 　彼の肩を必死で押しのけようとするが、びくともしない。 　喉奥まで咥えこまれゆっくりと吸い上げられると樹は腰を激しく震わせた。 「う、ああっあああ―――っ」 　ガクガクと、腰を痙攣させながら目も眩むような快感に嬌声を上げた。多嶋の口腔に白濁した液体が迸っている。 　じゅるじゅると音を立て吸われるたびに腰が震える。目尻に涙が滲み、全身を赤く火照らせ樹はされるままだった。多嶋は樹が全てを出し終わるまでそうやって吸い付いていた。 　放心し身体から力が抜けている。彼は樹から離れると今度は腰に手をかけ下向きになるように樹を回転させた。腰を持ち上げ、双丘を両手で開く。その感触に戦慄が走る。 「いやだーやめてくれ！お願い。いやだぁ――――」 　孔に生暖かいものを感じた。背中が仰け反り震えが走る。そこを舐められているのかもしれない。両手で尻を揉みしだかれながら、孔を舌で弄られる。羞恥でどうにかなってしまいそうだ。 「お願い、やめて……いやだ……いやだ」 　必死で何度も訴えた。 「大丈夫だ、ここも感じるようにしてやる。力を抜け」 　ぴしゃりと尻を叩かれた衝撃で、悲鳴が漏れた。