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第13話

 多嶋はキッチンカウンターの椅子に腰かけていた。  入ってきた樹に視線を向け、目が合った。ドキンと心臓が大きく打ち付けた。 「お帰り。心配になって早退して様子を見に来たんだ。昼もカフェにいなかっただろう」と、多嶋は言った。 「心配……した? なんで? 俺のこと散々好きにしといて心配ってなんだよ! 鍵、置いて出て行ってくれ」  多嶋が樹を心配して様子を見に来てくれたという事実に心がかき乱される。 「無理させたから。もしかして体調を崩したんじゃないかと思ってね。初めてなのに加減してやれなくてすまなかった。そんなに怒るなよ」  樹の腕を取り、顔を覗き込んでくる。探るように見つめられ、かっと体温が上がった。顔が赤くなっているのを自覚するほど頬が熱い。 「俺の顔を見て欲情したのか?」  樹の顔が赤くなったことを揶揄しているのだ。樹は多嶋を睨むことしかできず、何も言い返せなかった。 「そのうちそうなる。俺の声を聞いただけで、ここが疼く身体にしてやる」  多嶋に引き寄せられ、尾骨を強く押さえられると、本当にそこが疼きだす。背中に震えが走り勝手に熱いため息が漏れた。そんな自分の状況を隠したくて辛辣な口調になる。 「な、なんで?なんで俺なの? 淋しいから? だから俺で満たそうとしてるの? 俺は……あなたの死んだ恋人の代わりかよ」  多嶋の前では何の抵抗もできない自分が歯がゆく、思ったことを口走った。多嶋はゆっくり立ち上がり、樹の髪に手を入れくしゃりと掴むと、強く引き寄せた。樹よりも10センチほど背の高い多嶋は少し顔を下げ、お互いの鼻の先がぶつかるようにした。そのままの状態で見つめあう。近すぎて視界がぼやけている。多嶋の整髪料の爽やかな香りが鼻腔をくすぐった。 「その通りだ。淋しくてやるせない。それをお前で紛らわせようとしてるんだ。お前の身体が欲しい。お前の感じて乱れる姿をもっと見たい」 「なっ」  その言葉に反論しようとした途端、唇がふさがれた。 「んっ、ん―――」  身をよじって逃れようとするがしっかり抱きしめられていてそれさえできない。ジンとした痺れが絡み合う舌から乳首へ、そして下半身へ広がっていく。キスだけで痺れて力が抜けてしまう。  樹から力が抜けたことを察した多嶋は強く腰を抱え込んでいた腕を尻の割れ目に滑り込ませた。  そうされると否でも感じてしまい。腰がビクンを震えてしまう。  その手が前に移動し、樹の股間を握りしめた。 「ううっ」  くぐもった声が塞がれた口から洩れる。多嶋は樹の口腔から舌を抜くと、啄ばむようなキスをしながら言った。 「こんなにカチカチになってるのは何故だ? またキスだけで興奮したのか? お前がどれほど感じやすくて快楽に弱いかはっきりわかったはずだ。抵抗しても虚しいだけだ、樹。正直になれ」  多嶋の言うことに反論できない悔しさで涙が滲む。  ベルトを外し、スラックスを脱がされようとされていても樹は動けなかった。  スラックスとトランクスを一緒に引きずりおろされると、解放された男根はビクンと揺れ、さらに力を増した。  多嶋が樹の前に跪くと、先端を口に咥えた。  ぐちゅぐちゅといやらしい音を立てながら吸い付いては舐める。樹の腰は次第に揺れ、自分からも腰を振って、多嶋の口腔の奥深くへ進もうとしてしまう。  根元をぎゅっと掴まれうめき声が漏れた。  痺れるような快感が全身を突き抜ける。  もう片方の手で後ろの孔に触れられると、びくんと腰が揺れた。指の腹でそこを柔らかく撫でられ、樹は次第に陶酔していった。  喘ぎ声が勝手に口から洩れる。 「昨日散々ここを使ったからまだ柔らかい」  樹の男根を咥えながらくぐもった声でそう言う。その振動と舌使いで刺激され全身に痺れが走った。 「う、はぁ―――」  樹はカウンターに背を預け、多嶋の髪に両手を差し入れかき乱しながら快感に耐えた。  多嶋の指が孔にゆっくりと侵入し、感じる場所を的確に探し出す。 「う、あああ―――」

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