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第14話
絶叫してしまい、片手で口を塞ぐ。多嶋に容赦なく前と後ろを責められ、射精を抑制される強烈な快感に沈んでいく。
全身がわなわなと震え、快感に狂わされてしまいそうだ。全身が熱い。熱すぎて溶けてしまう。
「ああ―――もうダメだ! イかせてお願い、イかせてくれ―――」
多嶋は樹のものを咥えながら低く笑った。その振動でさえ感じてしまう。
圧迫していた手の力が緩み、強く先端を吸われ、樹は目の裏に星が散るのを見た。激しく腰を震わせ絶叫し、多嶋の口の中で達した。
何度か吸い上げられ、出し切ってしまうと、多嶋は樹から離れた。
「椅子にうつ伏せて、自分で尻を広げろ」と言う。
樹は泣いていた。許してくれと哀願するように多嶋を見たが、腕を取られ後ろ向きにされ、頭を椅子に押さえつけられた。
「欲しいんだろ? だったらさっさとしろ」
多嶋の声が樹の全身を震わせる。その声に感じてしまう自分が怖かった。
言われるまま、腰を高く持ち上げ双丘に両手をあてがい、開いた。
「早く欲しいって言ってるみたいにひくついてるぞ、お前のここ」
生ぬるい感触がし腰が震え甘い喘ぎ声が漏れてしまう。
孔を多嶋が舐めたのだと思うと余計に興奮した。記憶の中の強烈な快感がよみがえりそこは多嶋の硬く反り勃つ男根を欲し痺れ始める。
その時、硬いものが入口にあてがわれ、ひんやりとしたものが中に入ってきた。
「うっ、はぁ―――な、なに?」
「ジェルだ。傷つけないように中にたっぷり入れてやった。これで少々激しくしても大丈夫なはずだ」
樹は身震いした。多嶋の言葉に感じたのだ。
多嶋の亀頭が押し込まれ、じゅるっと卑猥な音がした。一気に突き上げられ、樹は背中を逸らし悲鳴を上げる。双丘を割るようにあてがっている自分の手に力が入り更にそこを広げていた。
ゆっくりと多嶋が動き出し体が前後に揺れた、樹は椅子のクッションに顔をうずめ、うめき声を殺した。
滑らかな動きに翻弄され、もっと刺激が欲しくなる。自分からも腰を振り快感を追った。
ああ―――もっと、もっと激しく!
声に出していたのか定かではなかった、だが、多嶋が直後激しく動き出し、樹はプライドも、抵抗もすべて捨て、この強烈な悦楽の虜になった。
獣のように喘ぎ、貪欲に自分から腰を振り挑発した。
己の欲望の証はもう既に限界まで張りつめている。昨晩あれほど出し切ったのに、まだ足りないとでもいうように解放に向かっている。
「自分から腰振って気持ちよさそうだな、樹。お前がどれほどいやらしく乱れてるのかわかってるのか」
多嶋の声に煽られさらに興奮が増す。
「うあぁ―――もうダメ、イく!」
「まだだ、俺がイっていいというまで自分で握って阻止しろ」
無残な言葉に樹は従った。尻にあてがっていた手を男根に持っていき、根元をぎゅっと握りしめた。
快感が全身を駆け抜ける。この苦しいほどの快感に樹は逆らえない。もう逆らおうという気力さえなかった。
涙を流し汗を吹き出し、得も言われぬ悦楽に溺れていく。
何度も激しく突き上げられるたび、震えが走った。
「ああ、早く早く、出したい。うっ、くぅ―――」
多嶋が突き上げるたび切ない声が漏れた。
「出したいなら。言うんだ。お前は俺のものだって」
樹は首をひねり、多嶋の方を向いた。しかし多嶋の顔は見えない。官能の涙を流し息が上がり、ぜいぜいと荒い息遣いのまま樹は言った。
「俺は……うっくぅ―――あなたの……ものだっ」
言ったとたん多嶋の指に背筋を優しく撫でられ、樹はあまりの快感に背中を逸らせ呻いた。
「いい子だ、樹。もう解放していい」
多嶋が少し腰を引き、感じる場所を狙ってそこを亀頭で擦り始める。
「うあぁぁぁ―――」
樹は絶叫し、きつく握りしめていた手の力を緩めた。多嶋の腰の動きに激しさが増し、樹は椅子にしがみつき、涙を流し悶えた。
目の裏に星が飛び散るほどの快感だった。
激しく全身をわななかせ、獣のように叫び、樹は泣いた。迸る白濁した液体が床に飛び散り、痛いほどの快感が突き抜ける。
恍惚とした余韻が長く長く続いた。経験のない怖いほどの快感からもう樹は抜け出せないのだとこの時悟った。
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