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第22話

 激しく舌を絡ませながら、樹は性急に多嶋の服を脱がせようとした。多嶋も同じように樹の服に手をかけ脱がしにかかる。  早く肌を重ね合わせたい。多嶋の体温を感じ、男の匂いに包まれたい。夢中だった。既に欲望の証は先端からだらだら涎を流し、早くしろと急かし始めている。  自分でベルトを外し、ジーンズの前ボタンをむしり取るように外した。下着ごと引きずり下ろし、脱ぎ捨てる。シャツは多嶋の手で脱がされ、ソックスだけはいたままの全裸になった。  樹が多嶋のベルトを外し、スラックスのファスナーを下げようとしたとき、突然多嶋が立ち上がった。彼は自分でボトムを脱ぎ捨て、下着も取り払う。靴下も脱ぎ全裸になった。  目の前に多嶋の昂りがある。樹は躊躇せずそれを口にほおばった。多嶋の両手が樹の髪をかき乱し、掴む。そのまま固定され、何度か強く喉に押し入っては引くことを繰り返される。苦しさで涙が滲むのに恍惚としてしまう。 「俺はお前のものだ、樹」  多嶋は喘ぎながらそう言った。  樹は嬉しくて涙があふれた。  不意に多嶋が腰を引き、樹の口から男根が抜ける。腕を取って立たされ、そのままベッドに連れていかれた。  仰向けに寝かされ、多嶋が重なってくる。その熱で欲情を煽られキスしたくてたまらなくなる。  多嶋の首に両手を巻き付け、目を合わせた。欲望を露わにした多嶋の熱い視線にゾクリとする。 「キスして、もっとキスしてよ。ドロドロになるまでキスして」  手に力を入れ多嶋の顔を引き寄せた。自分から噛みつくようなキスを仕掛け挑発する。  お互いに夢中で口腔を貪った。  お互いの濡れたペニスが勝手に重なり合う。快感でビクンと揺れるたびそれらは共鳴するように擦れ合い、得も言われぬ快感が背中に駆け抜ける。  多嶋がお互いの男根を握り、腰を上下に動かし始める。 「ん……ふあぁ……」  喉からくぐもった喘ぎ声が漏れたがそれは多嶋の口内に呑み込まれていった。  感じすぎて腰が揺れ自分からも擦りつけるように動いてしまう。重なり合った唇から喘ぎ声と唾液が混ざり合う音が漏れ始め、脳内がその淫靡な水音で興奮し、熱がかっと上がる。脳が溶けてしまうかと思うほど熱い。どこもかしこも熱い。  樹は今や快感を追うことしかできなかった。腰を振り、舌を絡ませあい、ボルテージが上がるまま夢中で解放の時を待つ。  それはすぐ目の前だった。  ぐちゅぐちゅと卑猥な音がするのは、お互いの舌が絡み合う音なのか、亀頭の先端からあふれ出す液体が絡まる音なのかもうわからない。体液すべてが混ざり合いひとつになる。その感覚に酔いしれた。  ああ、あともう少し  ビクンと腰を揺らし、快感に耐える。多嶋が樹の先端に爪を立てるように擦った。 「ん―――、うあぁ―――っ」  呻き声は多嶋の口内にまたもや呑み込まれた。樹は激しく痙攣し達した。息苦しく、息が上がるのにキスをやめられない。多嶋にしがみついたまま樹は恍惚とし、舌を動かし続ける。多嶋の方が苦しそうな声を出し、振り払うようにキスから逃げた。お互いの荒い息遣いが部屋の熱を上げる。汗をほとばしらせ、多嶋が起き上がった。サイドテーブルの引き出しに手を伸ばし、そこに常備してあるローションと避妊具を取り出す。手際よく避妊具を取り付けると樹の脚を広げ、力を失いつつある男根にローションをたっぷりと落としていく。その冷たさに樹の腰がビクンと跳ねた。  多嶋の手で塗り込まれ擦られていくうちにまたその大きさが増していく。樹は背中をのけぞらせ、震えるほどの快感に耐えた。

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