4 / 16
第4話 タカリ女
「いや、前々から誘いたいなって思ってたんだけど、歩美ちゃんってモテモテだからさ。タイミングを伺ってたんだ」
「え~♡イケメンな快翔くんにそんな風に思って貰えてたの嬉し~!行こ行こ?!」
俺が一言挨拶をし、昼を誘っただけでこの様だ。
この女について情報を集めたところ、経験人数2桁だとか
他にも裕介のように、金を搾り取るだけ搾り取られて捨てられたり
食い逃げ常習犯という噂を耳にしたから攻略難易度は高いかに思えたが、案外チョロいのかもしれない。
まあ、難易度なんて関係ない。
(裕介の笑顔を取り戻すためなら…なんだってしてやる)
そんなことを考えながら、俺は歩美と一緒に会社近くのカフェに入った。
まずはコイツの懐に入って、コイツと付き合うところまで持っていかないとだな。
そんなことを考えたのも束の間、席に着くなり
歩美は「なににしよっか~」と言う俺の言葉を遮るように
「すみませーん!注文お願いしまーす!」と店員に声を掛けた。
「えっと、私はクラフトブッラータチーズと季節の贅沢フルーツタルト!これにピスタチオジェラート追加で!」
「あとお腹ペコペコだから、フードで黒毛和牛のローストビーフエッグベネディクトも食べちゃおっと♡」
(いや、多くね?てか、俺まだ決まってないんだけど…)
なんて言う間もなく、歩美は店員に向かって注文を続けた。
「ドリンクは、期間限定のプレミアム宇治抹茶ホワイトショコラフラペチーノをベンティサイズで!」
「あ、エスプレッソショット追加とチョコチップ多めで、あ、あと中のミルクをオーツミルクに変更してくださ~い!」
一通り注文し終えると、俺は引き気味に水だけを頼んだ。
「ははっ、歩美ちゃんって結構食べるんだね」
「えへへ、こう見えても大食いなの。男性にはそれでよく引かれちゃうんだけど…快翔くんも、引いちゃった……?」
食い意地ありすぎだろ、と内心ツッコミを入れて
「まさか。少食の子のが多いけどさ、よく食べる女の子って可愛いなって思うよ?」
俺は満面の笑みでそう答えた。
すると歩美はぶりっ子顔で「え~そんなこと言ってくれる男性初めてだよ~?うれし~♡」と、慣れた口調で言った。
今まで奢らせてきた男にも言っている常套句なのだろう。
正直、裕介がハムスターみたいに口の中いっぱいに頬張ってる姿は可愛げがあるけど、この女は野生の獣にしか見えなくて萎える。
それが、歩美とランチして抱いた感想だった。
そして見事と言うべきか
「はぁ~お腹いっぱい!じゃあ快翔くん、お会計お願いね?♡」
レジに向かうと、歩美は当然のように伝票を俺に押し付けてきた。
ともだちにシェアしよう!

