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第13話 可愛すぎて滅

白い喉仏が動くのを、俺は息を呑んで見つめていた。 一口含んだ途端に目を大きく開いて、 「んん!?ごほっ……!」 一瞬で顔をしかめ、咽せるような音と共に慌ててグラスから顔を離した。 強烈なアルコールの刺激に驚いたのだろう。 涙目で咳き込みながら、自分のファジーネーブルを慌てて喉に流し込む。 甘い液体で喉の灼熱を癒そうと必死な様子だ。 「こ、こんなの飲めるの凄すぎるよ…っ、!僕もう無理…」 赤くなった頬を両手で押さえ、訴える姿がまた無邪気で可愛らしくて 堪えきれず口角が上がってしまう。 丸で父親の真似をしてコーヒーを飲んで痛い目に遭った子供のようなその反応が、たまらなく愛おしい。 「裕介にはまだ早かったかもね」 笑いを噛み殺しながら裕介の背中を軽く擦ると 手のひらから伝わる背中の薄さにまた胸が締め付けられる。 「うぅ…また子供扱いしてる……!」 なんて、潤んだ瞳で言ってきて 俺の胸をポカポカ叩くのだから、可愛すぎて死にそうになる。 (…全く痛くないし。本当に裕介って握力あんのかな…) あまりの衝撃のなさに、逆に心配すらしてしまう。 女の子のパンチよりも軽いんじゃないかと思えるほどの質量。 「ねぇ、僕の話聞いてる…?」 裕介が不満そうに顔を覗き込んできた。 「え?き、聞いてるって」 「絶対今考え事してたぁ!僕といるのに…っ」 強い酒を飲んだせいなのか、それとも雰囲気に呑まれたのか。 裕介って酒に酔ったらこんなに甘えてきたっけ?と記憶を辿るが 過去のどの記憶を探っても、今目の前にいる裕介ほど甘ったるい姿は見当たらない。 裕介がこんな、まるで彼女のような なんなら猫が懐くような甘えた響きで、無防備に体をくっつけてくるのは初めてだった。 密着した部分からじわじわと体温が融解していくような錯覚を覚える。 そんなに俺と話せなかったのが寂しかったのか、と暗い高揚感すら湧いてくる。 俺への依存度の高さが嬉しくてたまらない。 酔っている男友達からこんなに密着されたら、鬱陶しいなり酒癖が悪いなり 文句を言いたいところだが 相手が他の誰でもない、その男友達が裕介となれば、話は別だ。 もはやこのまま死んでもいい。 それぐらい可愛くて、どうしようもない。 俺の理性を粉々に砕くには、充分すぎた。 酔いが回っているのか、裕介は頬だけでなく耳まで赤くなりはじめ どこかぼんやりとした視線をこちらに向けてきた。 焦点が少し定まらないその瞳が、じっと俺を捉える。 「ねえ……快翔ってモテるよね」 唐突な質問に内心少し驚く。 そんなことを考えていたのかと、意外に思った。 「え?急にどしたの。全然だって」 「うそ!イケメンだし、優しいし、頼りがいもあるし、面白くて楽しいし、話題豊富だし、面倒見もいいし……こんなカッコイイのに謙遜とか必要ないでしょ…!」

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