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「本当に薬も包帯もいらないのか?手首のとこ、やけどしてるだろ?」
アパートへ着くと玄関を開けてすぐに浴室へ促し、シャワーを浴びさせた。その間に、汚れたクロの衣服を手洗いして洗濯機を回す。
「これくらい、平気だよ。兄に焼かれたときの炎はもっと熱かったから」
口ではそう言っているけれど、いつもの笑顔ではない。眉間にシワを寄せながら、無理して笑おうとしている。
それに、物騒な言葉に、紅はクロの家族が気になった。あたたかな家族関係ではなかったのかもしれない。
シャワーからあがってきたクロの、まだ濡れたままの髪をバスタオルで拭いてやる。Tシャツを着ているので、手から腕にかけてできたやけどは赤く目立ち、痛そうだ。
「たぶん、俺の家族が紅に迷惑をかけてると思うんだよ」
ちょうど知りたいと思っていた話題が振られた。
「俺のこと、もっと知ってくれる?」
紅が何も言わずうなずくと、静かにクロは話し始めた。
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