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第22話 処罰欲求
神谷の叔父貴がみんなに言う。
「酷い思いをしている動物を助けたい。
その思いから始まった事だろう。
私もそうだ。もう長い事この活動をやっている。裏社会の仕事だ。はっきり言って人殺しだ。
虐殺された動物たちの、かたきを取ってやりたい。その気持ちは正しい。
しかし、法律的に我々に虐待者を始末する権利はない。俯瞰して見れば、ただの人殺しだ。」
正しいことをしている、という自己陶酔。
殺人はなんと言っても犯罪だ。神谷丈は覚悟が出来ている。始末屋は捕まれば死刑確定だ。
この若者たちを道連れにしたくない。
「処罰欲求が満たされると、相手をやっつける事で、得られる成功体験に依存するようになる。
気持ち良くなってしまうんだ。」
神谷丈の言わんとする所がみんなに伝わるだろうか。
将来のある若者たちを犯罪者にしてしまう恐れ、それを心配しているのだ。
もう遅いかもしれないが。
「ヤクザは盃をもらったら、
親が黒いと言えば白いものも黒いと言わなければならない。窮屈な世界だ。
恭司たちはもう引き返せない。」
リキが質問した。
「なぜ、この場でそのお話をされるんですか?
私たちは席を外した方がいいのではありませんか?」
神谷丈が手を振って
「まあまあ,リキさんを巻き込んじゃいましたね。ヤクザの掟の世界ならカタギを巻き込んじゃダメだ。なあ、
ジーマにかつを、鷹旗よ。
おりてもいいんだぜ。恥にはならねえよ。」
テツと拳太は今更、確認の必要がない。
もう腹は決まっている。
「口の聞けない動物に変わって,我々がその外道を退治しますよ。」
恭司がその場を〆た。
「そうなんだ。
これ以上無惨な事をしないように
奴らを壊滅させましょう。」
C国でまだまだ増え続ける虐待ビジネス。それを楽しめる気狂いが存在するのだ。
「みんな酒が入った所で覚悟を聞いてもフェアじゃないな。
明日にでも個人的にわたしに言ってきてくれ。
降りてもいいんだぞ。」
みんな強かに酔っ払って、ひとまずお開きになった。静かに聞いていた函館同士会の岡本会長が、
「うちの会が手を引くと言った事、まことにお恥ずかしい。北星会から出回っている殺人ビデオも
問題だから。知らん顔は出来ない。」
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