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第24話 ヤクザの女
「あ、お客さん?
ヤクザの恭司さんとお友達?」
まさおが馴れ馴れしく話しかけてくる。
「ヤクザって言うな。バカにしてんのか?」
「してないですよ。ウチのおふくろも北星会の川田さんって人に面倒見てもらってますから。」
ガキのまさおは、自分の母親には強いバックがついてるんだ、と自慢したかったようだ。
「やめなさい、まさお。
余計な事は言わないで。」
(ああ、そんな事だろうと思ったよ。
一人で店を切り回すなんて、夕子には
出来そうにない、と。)
リキは思った。ヤクザじゃ夕子のためにならないだろう、と危惧もした。今更だけど。
恭司はあの時、川田がタイミングよく現れたのは、夕子が川田の女だったからだ、と今になって腑に落ちた。
「女将さん、まさおくんのお父さんは川田って人?」
夕子は笑って
「全然違うわよ。あたしが17の時、
半グレに輪姦(まわ)されて出来た子だから。
父親はわからないの。」
「まさおの前でそんな話するなよ。」
「全然平気。いつも聞いてる話だから。」
まさおはケロッとしてうなずいた。
恭司とリキのそばに寄ってきて小声で
「僕は13才の時、川田さんに犯されて、ホモになったんだ。川田さん男も好きだって。」
川田が父親でなくて良かった。話を聞いてリキは思った。こんな乱れた環境で、まさおは大丈夫なのか。余計なお世話だとは思うが気になった。
恭司から、まさおが自分で男娼だ、と自己紹介したと聞いている。
「まさお君は学校にいってないのか?」
「ボク、18才なんだ。もう大人だよ。
学校は小学校もあんまり行ってない。
やっと読み書きは出来るけど、計算とかは苦手だ。」
夕子がいなくなったのは15年前だ。その時3才だったまさおはなぜ学校に行かなかったのか。
周りの金を盗んで飛んだ女がその後どんな人生を送ったのか、リキには知る由もなかった。
まだ35才にしてもう人生に疲れたような荒んだ女。会いたくなかった、とリキは思った。
そこに店の客が数人、川田と共に入ってきた。
声高にしゃべる客はどうやら日本人じゃないようだ。
「いらっしゃいませ。
あら、陳さん、曼さんも。奥へどうぞ。」
後から川田が睨みを利かせて入ってきた。
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