25 / 37
第25話 C国人の客
「俺たちは帰るよ。おあいそしてくれ。」
川田が近づいてきて
「おいおい俺たちから逃げんのか?
関東のヤクザさんよ。」
夕子も
「あら,もう少し飲んでって。
せっかく来てくれたんだから。」
恭司とリキはまた座り直した。
声がデカい客人は奥の小上がりでもうるさい。
「カワタサン、アンタの紹介してくれた屁鳥の物件、ちょっと狭いね。
配信の動画撮影がやりにくい。
エス動画、撮るの,難しい。」
「ああ、破産して押さえている廃病院があるからいま整備している所。屁鳥に話してあるから。」
川田はこちらを意識して声を潜めようとするが
陳と曼は一向に気にしない。
こいつらは動物虐待動画の元締めで、拠点を函館にしよう、と考えているのだった。
恭司は、思わずリキを見た。リキがうなずく。
小声で
「もしかしたらビンゴだな、こいつら。
北星会って言えば、あの木村のアニマルクラッシュにも一枚噛んでいた。」
「エスって今出回っている殺人動画の事か?」
なんで聞こえよがしに話してるんだ?
これは罠か⁈
アニマルクラッシュの藤田と木村が惨殺された事で警戒しているはずのC国人や川田がイヤに挑戦的だ。
川田がこちらに来た。
「なんで今頃、関東斎田会が函館に
来てるんですかね?
あの倉庫の死体が出たのと同じ時期に?
怪しいじゃありませんか。」
「ああ、いい度胸だな。ケンカ売ってんのか?」
「いや、アンタたち、同士会ともつるんでるんだって?岡本の所も潰しますよ。同士会なんて子供の遊びか?
こっちは今デカいビジネスが始まってるんだよ。極道ならシノギは大事だろ。
屁鳥に言ってデカいスタジオ作ってんだわ。
くれぐれも邪魔はしねえでくださいよ。」
ドスを利かせて脅してくる。
「正面切っての挨拶だなあ。
しっかりと受け取ったぜ。
日本人の気概を見せてやるよ。」
直接の暴力はないが、ナイフで斬りかかるような言葉の応酬だった。
ともだちにシェアしよう!

