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第30話 廃病院
懇意の動物病院に猫たちを無事に預けて、
廃病院に向かった。
コンテナが着く港の倉庫と廃病院は至近距離にあった。元は港湾労働者の病院だったのだろう。
コンテナが港に着くとC国人が車で何かを運び去る、と港の管理人が言っていた。
「何かって?」
「なんか人のような感じだったよ。
複数いたようだ。
コンテナが着く度に車でコソコソと運んでいる。
気持ち悪いんだよ。」
恭司たちの他に、コンテナの方は函館同士会の若いもんが手伝ってくれている。コンテナの中身は廃病院に運ばれたと言う。
古ぼけて今にも外壁が落ちて来そうな建物だった。
「気味が悪いな。」
バリバリと床に散乱したガラスを踏んで中に入って行く。
「奥の方が明るい。誰かいるようだ。」
奥には裏から入れる救急搬送口があった。そこから入ってすぐに手術室だ。明かりが煌々と付いている。
中で叫び声がする。ことばはわからないが、恐怖の声だ。
同士会の連中と、急いでドアを蹴破ってとびこんだ。
「何やってんだよ!」
ベッドに手足を拘束された外国人が裸の胸に何か線を書かれて、今にもメスで切り裂かれる寸前のようだった。
カメラが固定されて男に焦点を合わせている。
「アンタタチダレダ?
勝手に入っちゃダメだヨ。」
「これから生きた人間を解剖するヨ。
また、再生回数、伸びるアルヨ。」
白衣を着た不気味な医者のような男が二人、
メスを振り翳して向かって来た。
恭司がそれを取り上げて制圧し、逆に医者の首に近づけた。頚動脈にピタリと当てる。
「これを引けば、すぐに死ぬよ。
それじゃあ、もったいねえな。」
ゆっくり、恐怖を与えながら殺さなければならない。 もう一人を押さえつけている同士会の男と目を合わせてうなずいた。
「他にも誰か,さらって来たんだろ?
どこにいるんだ?」
地下を指差した。
「地下の霊安室。縛って転がしてアルヨ。」
胸糞悪い白衣の男を蹴り飛ばして転がした。
「おまえもちょっと刻みに、凌遅刑(りょうちけい)にしてやろうか。」
地下の牢に入れられていたのは数人のウイグル人だった。
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