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第34話 個人情報
名前のたどれた動物虐殺ネットワークの会員は、ほぼ90%に昇る。
会員の個人情報は簡単に手に入った。C国で個人情報を抜き取る事は、日本人が思うより簡単で、あらゆる所に入り込んでいた。
スマホから個人情報を盗み出す不正アプリ。
アプリの中に、SDK(ソフト開発キット)を組み込んで個人情報を盗み出す仕組みとか。
知らないでアプリをインストールしてしまう。
アプリは無料、という意識の低さに付け込まれる。こうして抜き取られた個人情報は、アプリの開発会社や広告会社、そして名前もわからないような「第三者」に提供される。
アプリを通してユーザーの端末情報、現在位置が簡単に知られてしまう。
恐ろしい事に利用者は位置情報を追跡されている事を知らないままだ。
「携帯番号、端末の型番、位置データ、通信記録、ショートメッセージの内容や、SDカードに入っている情報だって抜き出せる。」
C国では、個人情報が抜き取れる事はネットの世界の暗黙のルールになっている、という。
そうやって金になる動物虐待動画ビジネスは後を絶たない。
神谷丈の組織もなかなか大きい。神谷がトップではない。虐待ビジネスがどんどん増えるのと同じくらい、それを撲滅するための組織もたくさんでき始めている。心強い事ではある。
C国では動物を守る法制が未だなされていない。生き物は全て食べ物だ、という蛮族の国。
日本には動物愛護法はあるが、厳密には機能していない。甘い罰則。
自分が絶対に有利な立場で弱いものを残虐に
甚ぶり殺すのが楽しいと感じる神経。
人間の性(さが)なのか。
全てがそうではない、と信じたい。
「いくら壊滅させるための組織を作っても、人間の残酷さには追いつかない。
どうしたら無益な殺生、無闇な虐殺は無くせるのか?」
全国規模で一斉に蜂起した神谷の仲間は、帰って来て無力感に打ちひしがれた。
「あのネット会員たちは、殺す事はしなかった。
自分たちの考えた拷問を自分の体で試してやっただけだ。許しを乞う者たちは解放したから、警察に駆け込んだだろう。
司法が我々を捕らえにくるだろう。」
神谷が仲間たちに覚悟を語った。
「私は懲役になるか、死刑になるか。
どうか、大門を頼みます。」
信頼できる仲間に愛犬の行く末を頼んだ。
しかし、一向に警察が動く気配はなかった。
都合の悪い事はC国が握り潰す。
引きこもりがちのネット会員は怖い目にあってビビったのか、虐待は激減した。
C国のの虐待組織は、脱退が相次ぎ、主だった組織は壊滅したように見える。
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