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第35話 ウイグル人
C国の恨みを買った。日本に入り込んでいる
C国系の奴らがまだグズグズと何か仕掛けてくるようだ。
恭司の仲間たちが、
「動物虐待を見つけたら、叩き潰す。
必ず同じことをやってやる。
生まれて来た事を後悔させてやる。」
と息巻いている。神谷の仲間は知らない顔もあったが、みんな仕事がプロだった。
恭司の組の者たちは、その手際の良さに感心した。感情を顔に出さないで黙って仕事をする。
「俺、尊敬したなぁ。」
神谷の仲間は筋金入りの兵士だった。悪の所業の征伐には哀れみなど一切持たない。気持ちのいい奴らだった。仕事が終われば静かにどこかに消えた。
函館から連絡が入った。
「なんと一斉に、動物虐待動画の会員たちに
訪問者がいたようですね。
奴ら恐れ慄いていたよ。」
函館同士会の岡本会長から神谷に連絡があった。
「本当は国がやるべき仕事を、我々がやってるんです。感謝してもらいたいくらいだ。」
助け出されたウイグル人たちは樺太経由の漁船でウイグル自治区に帰ったそうだ。
「また、C国に捕まったらどうするんだ?」
神谷の仲間がガードしてついて行ったが、C国の領分だから危険はある。
「国際問題になるから表立って抗議はできない。
しかし殺人動画が証拠として残っている。
目を光らせておくよ。」
C国の若者たちも民主化を望む声は根強い。
「トップのやり方に反発している者たちが頑張ってるよ。」
不当逮捕されてどこかへ消されるのを警戒しながらだ。動物虐待の最たるもの、人間殺害動画などという、許し難い事が起こっているC国。
臓器売買の闇は深い。これが一番金になる。国を挙げての産業にしたいのか?
屁鳥のような企業が、重役に裏切り者のウイグル人を入れて、民主化を邪魔している。日本の政府にも入り込んでいるようだ。
「臓器移植をしないと助からない人たちの順番待ちが気の遠くなるような数だ。
それがC国へ行けばすぐにでも臓器があるという。どこから供給しているのか。」
それを言った芸能人が番組を干された事は有名だ。金があれば助かる命。金で蹂躙する命。
科学や医学が進んでも,その恩恵は決して平等ではない。
神谷丈は、この矛盾にいつもぶつかる。
今夜は、珍しく恭司とリキ相手に酒を飲んでいる。恭司が任されているあのキャバレー。
「生きていく事はつらい事だな。」
昭和の香り漂う古臭いキャバレーは、昔ながらの広いフロアでダンスが踊れる。
ビッグバンドに合わせてジャズを歌う歌手。
恭司の母親だ。
「おふくろさん、相変わらずいい声だ。」
「この頃、声が掠れてうまく、歌えないのよ。」
ステージから降りて神谷の隣に座った。
「リキちゃん、うちの息子、よろしくね。」
「おふくろ、何言ってんだよ。」
恭司が赤くなった。
「恭司はねえ、ガキの頃からリキちゃんしか見てなかったからね。二人のためにあたしは孫の顔を見るのを諦めたんだ。
恭司をリキちゃんの嫁にするって決めたから。」
「何言ってんだよ。やめろよ。」
リキも赤くなりながら
「俺も恭司しか見てなかったかもしれないな。」
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