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第28話
「でも、俺がここを出るのは三月後だぞ?それまでに金を用意してもらえるのか?」
「そうだね……。彼を信じて待つしかないよ」
「ふぅん……。しかし、金があっても……東堂さんが許してくれるか分からないな」
和音が僅かに厳しい表情をしたので、飛鳥も不安になってしまう。
「お前、最近店側から推されていると聞いたからさ。お前ほどの美貌なら、いつまでも店に置いておきたいだろうからな」
「でも、僕はいつまでもいたくないよ。僕だって、容姿は変わるだろうし……」
そうだ。
飛鳥も年を重ねるのだし、いつまでも美貌を保つのは容易ではない。
第一、年季が明ければ誰しも去っていくのだ。
飛鳥の言葉を聞いた和音は、ぶっと笑った。
「そんなこと気にするな。俺だって、お前を長くここに置きたくないと思ってるんだ」
「本当に?」
「当たり前だ。お前が他の男の相手をするなんて、本当は今でも耐えられない」
それは飛鳥も同じだった。
「僕もだよ。早くここを出よう。まずは、東堂さんに事前に話さなきゃ」
「俺も、何とか助けるから」
和音の言葉に、飛鳥はしっかりと頷いたのである。
飛鳥たちの話を聞いたら東堂がどんな反応をするか不安はあるが、この関門を突破しなければ彼らの未来はない。
二人は、意を決して東堂のいる部屋にやってきた。
緊張しながら入室すると、東堂の視線が飛鳥と和音に突き刺さる。
「どうした?お前らが二人で来るなんて、珍しいな」
疑うような眼差しで見つめてくる東堂に、飛鳥は勇気を振り絞り言った。
「お、お話があって来ました」
「何だ?話というのは。言ってみろ」
そう促され、飛鳥はゴクリと生唾を飲んで話し始める。
「はい。和音さんがもうすぐ年季が明けるので、私も共にここを出たいと思います」
それを聞いた東堂は、眉間に皺を寄せた。
「なぜお前が、和音と共に出る必要がある?」
確かに、東堂からするとそう思うだろう。
彼の問いに、飛鳥は和音と顔を見合わせてから腹を決めて口を開いた。
「私は、これから先も彼と共に生きていきたいのです」
東堂の表情が一層険しくなったと思ったら、彼は溜息を吐いた。
「分かっていたさ。お前たちのことは」
「え!?」
飛鳥と和音は、揃って驚きの声を上げる。
東堂は、飛鳥たちが客間を使用したことで閉じ込められた時から、二人の関係に気付いていたらしい。
それを聞いた飛鳥たちは愕然とした。
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