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第15話 自覚した想い。
『まあ、この私に文句を言える使用人がいるのならば、この場で辞めてもらうがな……』
強気に微笑みながらも、揺らぐ瞳でそう言葉を紡いでいたラファエルだったが、そんな主人の違和感に気付いた使用人の中に、レイモンドも含まれていた。
しかしその揺らぐ瞳の正体は『怯え』だったことに今は気付きもしなかった。
『特別待遇など、私はしない』、と、心に誓っていたラファエルだったが、その自分のせいで居心地の悪い思いをさせたくないと思ってしまったからこそ、今回この場を作ってしまった。
しかし、今回の場を作ってしまった自分に嫌悪しはじめた。
ラファエルは認めざるを得なかった。
自分がレイモンドに好意を寄せていることを。
「……本当に、私はどうしようもないな」
ラファエルは周りに気付かれないほどの小さな声で、息を吐きながらそう呟いた。
『よりにもよって使用人、しかも親子ほど歳の離れた相手を好きになるなんて』、と、絶望を感じた瞬間だった。
それでも救いなのは、ラファエルは分別のある『無能王子』だということ。
そして、レイモンドにこの感情が気付かれていないことくらいだ。
これからも少しでも長く自分の傍に置いておけるように、感情を押し殺し、これまで通り気怠げに振る舞い、気持ちに気付かれないよう過ごせばいい。
ラファエルは小鐘を鳴らし、近くに待機しているレイモンドを呼んだ。
「部屋に戻り、少し休む」
「かしこまりました」
『特別待遇』だからこそ、こうしてそのレイモンドを堂々と呼ぶことができるのか、と、そう思いながらもラファエルは自己嫌悪が深くなっていくのを感じた。
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