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06懐かしい再会

 僕は咄嗟に足から着地できるように動いた。孤児院では自分たちで作った遊具で遊んでいたので、高いところから落ちるなんて日常だった。その経験を活かし、僕は階段の一番上から落ちたのに綺麗に足から着地した。 「よしっ。僕を押した人はって……もういないか」 「シルバ!! 何を危ないことをやっている!!」  僕が転びそうになったのを見たのだろう、アルジャンがすぐ僕の傍にやってきた。そうして僕のことを怒ったが、愛情のある怒り方だったので僕は反省はしたが気にしなかった。アルジャンが僕を突き落とした者を探そうとしたが、すぐに立ち去られたし無理だと思った。事を大きくしたくなくて僕はアルジャンに抱きついて言った。 「アルジャン、僕は疲れたよ。もう寝室に戻っていい?」 「全くもう可愛い奴め、そうだな挨拶も終わったし寝室に戻ろう」  その後も王室主催のパーティは続いたが僕とアルジャンは寝室に戻ってしまった。僕はお風呂に入りたくなって浴室に向かった。お湯の中でゆっくり体を休めているとアルジャンも入ってきた。 「シルバの裸が見れるのはここだけだな」 「あんまり見ないでよ、まだ背が伸びてないし」 「いや、一年前よりは大きくなったぞ」 「ほんと!?」 「ああ、本当だ。身長も伸びたし、また美しくなった」 「身長はともかく、男に美しさなんて要らないよ」  そう言って僕たちはじゃれ合いながら入浴した。本当はアルジャンに裸を見られるのは苦手だった。僕の裸を見ているとアルジャンが興奮してくるからだ。僕にも精通がきたし、そういう気分になるのも分からなくはなかった。でも僕自身がその相手となれば話は別だ。お風呂場で気をつかって疲れた僕はすぐに眠りについた。だから知らなかった、アルジャンが眠った僕相手に自慰をしていることに気がつかなかった。自分が凄く危険な獣と一緒に寝ていることに気が付いてなかった。 「シルバ、愛しい俺の王妃。早く俺にお前を抱かせてくれ」  アルジャンがそう言って眠る僕を抱きしめていることも知らなかった。そして翌日からいつもの日常が始まった。でも僕にとって嬉しいことが一つあった。手紙がきて幼馴染のシックが王室近衛隊の予備メンバーに受かったという知らせがあったのだ。二、三日のうちにこっちに来るということで、僕は再会の期待に胸が高鳴った。シックの茶色い髪と瞳ももう長いこと見ていなかった。近衛隊の詰め所を見学してシックが来たら出迎えようと思っていた。そんな夜、アルジャンが言った。 「お前にとってシックとはただの幼馴染か?」 「どうしてシックのことを知ってるの? うん、ただの幼馴染だよ?」 「お前に渡す手紙は全部俺が目を通しているからな」 「ああ、それで知ってたの。幼馴染がこっちに来るんだ。僕はとっても嬉しいよ」 「浮気はするなよ、シルバ」 「あはははっ、シックと浮気? 冗談でもお断りしたいよ」  その夜も僕はアルジャンに抱きしめられて眠った。もう一年が経った、彼とは離れなくてはならないがきっかけがなかった。皇太后様はアルジャンに何人も王妃候補の女性をすすめていた。でもアルジャンはどの女も相手にしなかった。ならばと皇太后さまは今度は男のΩをアルジャンにすすめてみた。でもやっぱりアルジャンはどのΩも相手にしなかった。僕は大丈夫かなぁと思いながら眠りについた。そして三日後シックがやってきた。 「よう、シルバ。会いたかったぜ」 「シック、元気そうで嬉しいよ」 「訓練があるからまたな」 「うん、またね。また話そうね」  シックは近衛隊の予備メンバーとして訓練が待っていた。僕はその様子を遠くから見ていたが、シックは一年で身長も伸びて男らしくなっていた。いいなぁと僕は思って、自分も剣術をもっと習おうと家庭教師のところへ駆けていった。夜にアルジャンからこう言われた。 「シルバ、お小遣いをやるから近衛兵たちに差し入れをもっていくといい」 「差し入れか、肉や果物それに薄いお酒がいいかな」 「訓練中だからな、そんなものでいいだろう」 「シックと話してきてもいい?」 「……少しだけだぞ、訓練の邪魔はしない方がいい」 「分かった、ありがとう。アルジャン!!」  僕は喜んでアルジャンに抱き着いた、その時アルジャンがごくりと喉をならすのが分かった。このくらいの接触は慣れているはずなのにと僕は不思議に思った。アルジャンは僕を子どもをあやすように頭をなで頬へのキスを沢山くれた。そうしていつものように僕は眠りについた。だから知らなかった、アルジャンが眠っている僕にキスをしたり自慰を手伝わせているなんて気がつきもしなかった。翌日、僕は近衛隊の詰め所に侍女たちに差し入れをもたせて出かけていった。 「近衛隊長、これは差し入れです。皆で召し上がってください」 「これは王妃様、光栄なことでございます」  近衛隊の兵たちは僕からの差し入れを喜んで受け取ってくれた。僕自らが毒見したものだから安全だった。侍女のリッシュには掃除を命じて差し入れには近づかせなかった。僕はシックと話しにいった。 「シック、訓練はどうだい?」 「はい、王妃さま。訓練は力になりますがキツイです」 「僕も近衛隊になってみたかったよ」 「それは面白いお考えですね、俺も王妃さまと戦ってみたいです」 「じゃあ、戦ってみよう!!」 「え!?」

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