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12結婚式

「ど、どうして!? 以前は逃げろって言ったじゃないか!!」 「陛下があれほどお前に執着しているのを知らなかったんだ」 「戻ったら僕は二月過ぎれば王妃だよ!?」 「俺はお前に王を癒すような王妃になって欲しい」 「僕の自由を望む気持ちはどうなるのさ!?」  僕とシックは言い争った。シックはあくまで僕は王宮に帰るべきだと言った。僕はやっと手に入れた自由が楽しくてそれは嫌だと答えた。答えは平行線を辿ったが結果は分かっていた。シックは東方部隊長だ、その気になれば僕を捕まえることなんて容易だった。僕は納得ができないまま王宮に連れ帰られることになった。それと同時に一月近く閉鎖されていた国境は解放された。王宮からはなんとアルジャン本人が来ると手紙が来た。 「シルバ、シルバ、シルバ!!」 「ちょ、ちょっとアルジャン苦しいよ」  アルジャンは手紙がついてそうそうやってきて僕を抱きしめた。そうして公衆の面前でキスもされた。僕は恥ずかしいのと苦しくて拒否したがアルジャンは何度も何度も僕にキスをした。そうして僕はアルジャンと同じ馬車に乗って王宮に帰ることになった。アルジャンは馬車の中でも僕にキスしてあわよくば僕に性的に触れようとした。 「シルバ、もう逃がさない。何があっても王宮から出さない」 「そんな酷い、僕にも自由があっていいはずだ」 「駄目だ、シルバ。目を離すとお前は俺から逃げ出すからな」 「僕は男として自由に生きたいだけだ」 「そんなことを言うと檻に閉じ込めてしまうぞ」 「王宮自体が檻のようなものじゃないか」  そうやってアルジャンと言い争いながら馬車に乗っていたが、アルジャンはそのうち僕をしっかりと抱きしめたまま眠り始めた。この一月よく眠れていないのだろう。目の下には黒いくまがあった。アルジャンは明らかに弱っていた、だから性的に触れようとしたがしつこくはしなかった。代わりにどの宿屋でも必ず僕を抱きしめて眠りについた。僕は考えていた、王妃にならない方法をまだ考えていた。でも、とうとう王宮まで辿り着いてしまった。僕は以前のように王妃の部屋に戻された。出迎えた侍女の中にリッシュがいないので首を傾げていたら、それに気が付いたのがアルジャンがリッシュの末路を教えてくれた。 「シルバ、お前を誘拐した仲間にここの侍女がいた。だから八つ裂きの刑に処してやった。名前? なんといったか忘れたな」 「処刑にしても八つ裂きとは可哀そうに」 「ああ、優しいシルバ。お前は誘拐されたんだぞ。その手引きをしたんだ八つ裂きでも飽き足らない、死体は街にさらして石を投げさせた」 「どうしてそこまで」 「俺からお前を奪う者には容赦をしないという警告だ」 「………………」  それからしばらくはアルジャンは大人しく僕と一緒に寝ていたが、体が回復するにしたがって僕を貪るように愛するようになった。 「シルバ、愛している。今夜はお前の精を飲み干してやろう」 「やだ!? 触らないでアルジャン!!」 「二月をまたずに抱いてしまおうか?」 「そっちはもっとやだ!!」 「シルバ、俺を愛してくれ。お前を愛しているんだ」 「僕は男だ。Ωでも僕は男だよ!!」  シックと話し合った時のようにアルジャンと僕の意見も並行線を辿った。僕はこのままだとアルジャンを愛せないまま王妃にされてしまいそうだ。じゅあ、彼を愛する。僕はそんなことができるのか分からなかった。毎晩のようにキスをされ体中に触れられ、精を搾り取られた。たった一つ、アルジャンの腕の中で眠る時だけは心地よかった。それ以外は僕にとっては恥辱といってよかった。 「アルジャン、僕を側室にしてくれない? 王妃は止めて側室にさ?」 「何故だ、俺が愛するのはお前だけだ。王妃以外お前には相応しくない」  側室だったらいずれ王に飽きられたら王宮の外にも出られる。だから僕はそう提案してみたのだが、アルジャンにすっぱりと断られた。それに俺の愛が足りないのかとその夜はいつもより激しく貪られた。そしてとうとう新年、つまり僕の誕生日と結婚式が来てしまった。 「よく似合ってるぞ、シルバ。花嫁衣装が似合うな」 「アルジャン、最後に言うけど僕は王妃に相応しくない」 「何を言う、お前以上に王妃に相応しい者がいるものか」 「僕は反対したからね!!」  こうして新年の祝いと僕とアルジャンの結婚式が執り行われた。幸いなことに僕はドレスではなく男性らしい衣装だった。神官様から誓いの言葉を求められた時、僕は黙って返事をしなかった。でも沈黙は承認を表すと言われて無理やりアルジャンと結婚させられた。僕は自棄になって王城のテラスから飛び降りようとしたが、アルジャンがすぐ気づいて強引に抱きしめられた。 「アルジャン、僕は貴方を愛してない!!」 「俺が二倍シルバを愛するからいいんだ、さぁ部屋に行こう」

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