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第3話

 頭では分かっていても、実際、目の当たりにしてしまうと動揺しすぎて頭が働かない。  せめて桐江には知られたくなかった。今日は桐江たちの長期出張が終わる最終日なのだ。  雪乃に対して良い印象を抱いてくれていた、そのまま本社へ帰って欲しかった。  物陰から薄目で篠塚たちを見ると、梢は下着ごとストッキングが足首まで下ろされている。梢は器用にそれらを脱ぎ捨てた。  淫らに濡れた下肢は、雪乃が俯いている間に一度達したのかもしれない。胸をしゃぶりながら自分のベルトを外す篠塚は、躊躇いなく固く反り上がったペニスを下着から弄出した。  梢を抱え上げた篠塚は、濡れた先端を避妊具も着けずに梢の蜜所に宛てがう。 「あっ、入ってくる……」 「愛美ちゃんの中、熱い。気持ちいい」  小柄な梢を抱えたまま挿入すると、下から突き上げる。 「やぁ……深い、奥まで入ってるよぉ」 「奥、突かれるの好きだろ」  梢を上下に揺する。篠塚にしがみついている梢は善がりながら涎を垂らす。 「あっ……、んん、もっと……もっとしてぇ……」 「マジ、最高の女だわ」  篠塚は自分が達するまで夢中で注挿を繰り返す。    あぁ、こんな瞬間を見たくなかった。浮気はバレなければいいと言う人もいるが、本当にその通りだと雪乃は思った。自然と漏れたため息に咄嗟に口許を覆い、桐江を盗み見た。  桐江も二人から視線を逸らさないでいた。真剣な視線から怒りは感じないものの、やけに冷静な顔付きである。  この後の対処をどうするか考えているのかと思いきや、二人が一つに繋がった時、桐江は素早くスマホ取り出した。  まさかと思い、瞠目とする雪乃の隣で、桐江はカメラを起動し無音シャッターで何枚も証拠写真を収めていく。  彼の行動には感嘆してしまう。僅かほどの呼吸の乱れもなく、目の前で繰り広げられている性行に冷ややかな視線すら送っている。  至って冷静にこの状況を判断しているのだ。  そして全ての行為が終わったのを見計らい、篠塚に電話をかけた。 「うわ、やっば。桐江さんからだ。なんなん、あの人。タイミング悪すぎ。空気読めよ」 「早く出ないと怒られちゃうんじゃない?」 「先に出るわ。拭いてあげられなくてごめん。また、夜に……」  息が上がったまま梢にタオルを一枚渡している。短くキスをしてから急いで身なりを整え、倉庫から飛び出していった。  桐江は電話を切り、ポケットにしまう。  篠塚が掛け直しているのか、バイブレーションが響くが無視していた。  梢はこちらを気にも止めず、篠塚から渡されたタオルで適当に体を拭くと、服を正し、髪を整え倉庫を出た。  満更ではない様子が窺える。  今夜も、二人の時間を楽しむのだろう。

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