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第46章 明日も一緒に
どれくらい眠っていたのか分からない。
目を開けると、身体はきれいになっていた。
和真が隣にいる。
それを確かめて、悠麻はまた目を閉じた。
「……久世さん」
「起きた?」
「ん」
声が掠れた。
身体を動かすのも面倒で、そのまま和真のほうへ寄る。胸へ額を押しつけると、背中へ腕が回った。
その腕に包まれているうちに、さっきまで胸の奥を掻き回していたものが、少しずつ静かになっていく。
あの男のことも。
触れてもらえなかったことも。
もう考えたくなかった。
「明日、店来る?」
「行くよ」
「ん。じゃあ、待ってる」
目を閉じたまま答える。
「久世さんのために作ってるものあるから」
「何?」
「明日まで秘密」
「気になるな」
「楽しみにしててよ」
「うん」
少しだけ笑って、悠麻は和真の胸へ頬を寄せた。
明日で契約は終わる。
けれど、悠麻にとって終わるのは契約だけだった。
そのあとの生活まで終わるとは思っていない。
店が終われば一緒に帰る。
飯を食う。
休みが合えば出かける。
春になれば、前に話した桜だって見に行く。
今まで二人で口にしてきた「次」も「今度」も、そのまま続いていくのだと思っていた。
「明日も一緒に帰ろうな」
一瞬、背中を撫でていた和真の手が止まった。
「……うん」
悠麻は気づかなかった。
「じゃ、おやすみ」
「おやすみ、ユウ」
胸に耳を当てる。
規則正しい心臓の音を聞いているうちに、瞼が重くなっていった。
明日も一緒に帰る。
その次の日も、この部屋へ帰ってくればいい。
そう思っていた。
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