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#2 搾精※
久し振りに入ったアビシェラの部屋。
呼吸をする度に、彼の匂いでいっぱいになってしまう肺が、熱くて仕方がない。
「アビ……も、舐めるの、おしまい」
執拗に舐め回されるペニスだってそう。
「腰、揺れとるよ」
「だって、やだそれ」
「こんな先端充血させて、嫌なわけ無いよな? 早く射精したい言っとるわ」
「ひぅ!」
ぱくりと、好物のチーズタルトを頬張るかのように咥えられて、腰が引ける。
「それいや、こわいっ、から」
アビシェラの口には綺麗な歯が行儀よく並んでいて、彼の気分を損ねたお馬鹿さんを食い殺すための鋭い牙も鎮座しているのだ。
つい先程、興奮した彼にぷつりと裂かれた唇の、血の味を反芻してしまう。
去勢されるのは嫌だ。
「あ……っっ!」
オレが怖気付いているのがお気に召さなかったらしい。
アビシェラは何の合図もなしに、一気に喉奥までペニスを飲み込んだ。
あまりの気持ち良さに呼吸が止まる。
(手先は冷たい、のに……)
濡れた体温でしっかりと包み込まれ、反ったままの背筋が処理しきれないゾワゾワで粟立つ。
「んぁ! あうっ、んっ」
裏筋を舌の根元でグリグリと撫でられ、堪らずその美しい銀髪を握り締めてしまう。
それでも彼は眉間に皺ひとつ寄せず、寧ろ更に深く咥え込もうとするからタチが悪い。
痛みとか苦しみとか、そんな不都合なものは感じないらしい彼。
ぐちゃぐちゃと、絶え間なく卑猥な音を響かせながら小さく笑う。
「ふぁ、あっ、あ!」
腹の奥で溜まるだけのムズムズ感に、もう我慢できない。
これ以上押し込める事は出来ないと分かっているのに、もっと深い所まで入り込みたくて腰を押し付けてしまう。
痙攣するようにぷるぷると震える太腿を優しく撫でられながら、アビシェラに喉の奥をきゅっと絞められた。
物凄い快楽の波が押し寄せる。
「ぁ、ああぁっ!」
射精しながら、恥骨に走るピリリとした痛みを感じた。
あれだけ嫌だと言っていた彼の牙が皮膚に食い込んでいたのだけれど、最早それすら気持ち良い。
「ふっ……はぅ……」
吐精を終えたペニスが急激に質量を失ったために、余裕のできたアビシェラの口の中。
だからこそ、彼がオレの精液を飲み込む振動までも悉に拾ってしまう。
掴んでしまった髪を労るように撫でながら、ゆっくりと息を整える。
「美味しくないね、ごめんねアビ……っ、んあっ」
不意に陰嚢を揉まれて仰け反る背中。
尿道にこびり付いた精液の残滓までもを啜りながら、アビシェラはその感触を楽しむように、冷たい指先でたぷたぷしてくる。
「……キュッてなった、可愛いなぁ」
「それ嫌ってば、っ」
「ここ、縮んどっだ方がルルのエロいとこ、良く見えるんよね」
胸に付きそうなくらい大きく割られた膝。
濡れたアヌスが外気に触れて、ヒヤッとする。
「へん、たい」
「尻穴こんな緩ませて何言っとるん?」
意地悪く笑うのに、腰の下にクッションを差し込んでくれるアビシェラ。
恥ずかしくて反らしたいはずの視線は、その妖しく輝く瞳に釘付けのまま。
恐らく、魅了をかけられているのだ。
「あっ」
つぷりと音を立てて潜り込んでくる、長い指。
体内で温まった軟膏が縁から溢れ出して、背を伝ってゆくのがわかる。
「クッション汚すから……」
「そんなん今更じゃねぇ、ほら、狭いのに中熱くて溺れそ」
「そこ、きもちい、い」
唇同士が触れそうなくらい寄せられた顔。
ぐりぐりと甘えるように鼻筋を擦り付けてくる彼に、煩い心臓が更に跳ねる。
差し込んだ2本の指でオレのアヌスをくぱくぱと開閉しているとは到底思えない、無邪気な笑顔を向けてくれる可愛いひと。
「こんなスケベな身体しとるのにな?」
「おしりさむい……アビ、はやく」
「生物としてバグっとるわ。なぁ、ルゥル」
薄い唇が優しく触れて、期待に震えながら口を開ける。
アビシェラとするキスは普段から大好き。
幸せな気持ちになるし、足りてない何かを埋めてくれる感覚があるから。
「んん、んっ、ん」
同時に体内に割り込んでくる彼のペニスだって大好き。
けれども薬が切れると、この感覚はいつも忘れてしまう。
粘膜を擦り上げられて、前立腺をガンガンに突かれて、指が食い込むほど腰を掴まれて、漏らしそうになるくらい、気持ちいいのに。
「ルル、もうイく? 早いなぁ」
「出したい、んぁっ、握るの、やめ……っあ、抜かない、で」
「精液飲むためにセックスしとるんじゃろ」
もう少しで最高に気持ち良くイけるって思った所で、簡単に引き抜かれてしまった。
腹の奥はひどい喪失感で、目尻にじわじわと涙が溜まる。
「中でイきたかった、の、に」
「ここ空になったら好きなだけイかせてやるけぇね」
再度口腔内に収められて、先端に小さく歯を立てられて。
痛みすら快感になってしまう身体は、呆気なく射精してしまう。
ぜんぶ全部、アビシェラの思い通りだ。
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