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第12話 猫カフェ♡でデート
今朝、夢見が悪かった。嶋くんとの待ち合わせの猫カフェの前まで、慎に付き添ってもらえたのは、正直ほっとしている。
猫化を完全に操っているのは、人の多い賑やかな場所や、緊張する場面を避けたりして、細心の注意を払っての結果だ。
出会ったばかりの人と初めての場所に行くのはやっぱり緊張する。
「どんな人なの?その、友達って……」
「うーんと、ちっちゃくて、スッゴく可愛いよ!
僕、あんなに自分の気持ちを何でもそのまま話せる人は初めてなんだ」
「そーかよ…」
と慎は気がないみたいで、ぶっきらぼうにポケットに手を突っ込んで、自販機を眺めていた。
専門学校には受験前に予行演習で行ってみたし、今も教室には毎日早めの時間から入っている。
嶋くんは、席の決まっていない教室で近くに座っていることが多くて、話しかけやすくて、どちらからともなく喋るようになっていた。
いつの間にか二人で行動するようになって、これはもう友達なんじゃない!?と思って、勇気を振り絞って、学校の外で会う約束を取り付けたんだ。
嶋くんはメッセージ越しには、『幼馴染も一緒でいいよ』と言ってくれてたものの、本当のところはどう思っているのか分からない。
「大丈夫かなぁ。嶋くん人見知りっぽいから。
慎がいたら、落ち着いて楽しめないかも……?」
「俺は、お目付け役で来ただけだからな……」
遠くのほうで小柄な人影がキョロキョロと辺りを見回しながら歩いてくるのが目に入った。
「あ、来た……!」
嬉しくなって僕が手を振ると、それを見た嶋くんが、パッと顔を輝かせて小走りで駆け寄ってくる。
白いシャツに袖なしニットの着こなしが、似合っていてすごく可愛い。
「お待たせ!」
「ううん、僕も今来たところ!」
僕が、「その服かわいいね」って言ったら。
「デートだから、頑張ってオシャレしちゃった」
と、戯けて嶋くんは手を広げて服をよく見せてくれた。サコッシュも提げてる。
「可愛い、可愛い♡」
と小さく拍手して称賛を惜しまず送る。
「お前ら、よく似てるな…」
それまで黙って見ていた慎が感心したみたいに呟いた。
「え?僕と嶋くんが?」
僕はキョトンとしていると、嶋くんの顔がほころんで……。
「うれしいっ…」
って、とびきりの笑顔で言ってくれたんだ。
そんな風に言ってもらえるなんて、思ってもみなくて。
僕もそれ、スゴく嬉しいかも。
二人で顔を見合わせて、くすくす笑っちゃった。
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