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第13話 猫カフェ♡がハーレム
どうなってるの〜!?
慎が店中の猫たちを独り占めにする光景を、僕は見せつけられていた。
慎の膝の上を勝ち取った大型の白い長毛種の猫が、気持ちよさそうに耳の間を撫でてもらっている横で、他の猫たちが「次は俺の番だからな」「いや私よ」と言わんばかりに、慎の背中や肩を上着の上から爪でカリカリ引っ掻いて、まとわりついている。
当の本人は嬉しそうな顔もせず、普段通りに低い声でぶつぶつ文句を言っているのだが。
「……なんだよ、降りろよ」
(……うっ、浮気現場だぁ〜〜っ!!)
慎が側でアピールするスリムなキジ猫の、高く持ち上げられたお尻をポンポンと叩いてやっている。
「ニャァゥーン……」
(ふわぁぁぁ……っ!そこは僕らの性感帯なのにっ!)
「嶋くん、あんなの放っておいて、あっちのドリンクコーナーに行こう!」
「えっあ、うん……」
面白くない!と思った僕は半ば強引に嶋くんの手を引いて、背の高い大きなハート型の葉を茂らせた観葉植物の鉢で仕切られたカフェスペースへ移動した。
ソファーの背の後ろの窓辺には、アンティークのステンドグラスが飾られていた。
四角や菱形の淡い色彩の枠の中に、控えめな紫色のスミレと優しい赤のチューリップの花の模様が、行儀よく並んでいる。
ステンドグラスの柔らかな光に見入るように、嶋くんが小さく息をのんだ。
「綺麗だなぁ…」
「本当。僕も好きだよ、こういうの」
嶋くんの髪に映る色鮮やかなステンドグラスの光がちらちらと揺れるのを眺めていたら、波立った気持ちが少しずつ落ち着いてきた。
「なに飲むー?」
フリードリンクのコーナーでグラスを手に取りながら、僕はいく分余裕が出てきた。
「あっ、フロートがあるよ!僕メロンソーダにしよっと」
嶋くんは楽しそうに、好きな物を見つけたようだ。
「これは?」
僕は紅茶のティーバッグの中に茉莉花茶と印字された中国茶が目についた。
「ジャスミンティーだよ」
と覗き込んできた嶋くんが教えてくれた。
なんだか甘い花の香りが漂ってくる気がする。
「これにする!」
僕はすっかりそれが気に入って、元気にそう宣言した。
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