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第2話 虹
【登場人物】
吉川輝 よしかわひかり
→浦井の事を好きになる。
浦井耀 うらいひかり
→吉川の事を好きになる。
園部祐樹 そのべゆうき
→浦井の親友
坂本真 さかもとまこと
→吉川の親友
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タタタタタタッ
吉川「何してるのー?」
浦井「園部に一緒に帰ろ!
ってメッセージしてるー」
吉川「オレも一緒に帰りたい!
てか、浦井の家どこ?」
浦井「学校から30分くらい歩いた3丁目」
吉川「近いじゃん!
オレ、川挟んだ隣町の3丁目!」
浦井「え……?そうなん……?」
浦井(だからか……)
浦井「え、だったら、遠くない?
歩いたら1時間くらいかかるんじゃないの?
バスなら10分くらい?」
吉川「明日から自転車通学にしよ!」
浦井「え?いいの……?」
吉川「うん」
吉川はスマホを取り出し母親に電話した。
吉川「もしもし、あのさぁ、
やっぱりオレ明日から自転車通学にするわー。
うん。うん。そ。そう。
また今度で良いから、新しい自転車買って!」
吉川「OKって!」
浦井「軽っ!」
吉川「定期代浮くから良いんじゃね!
浮いた定期代で、新しい自転車
買ってくれるみたいだし。
ということで、一緒に帰ろうぜ!
オレも今から坂本にLINEするわ!」
浦井「おけ」
浦井(変わってないなぁ)
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--校舎の出入口
吉川と浦井が話していると
園部と坂本が近寄ってきた。
園部「お待たせ!」
坂本「おまたー」
園部と坂本を見た
吉川と浦井が見合って笑い合う。
園部、坂本「なんで笑うんだよ!」
吉川「だってお似合いだもん……」
浦井「だよな……」
園部「お前らこそお似合いだよ〜〜」
浦井、吉川「え……?」
お互い見合って、すぐに目を逸らし、
照れて頬を赤らめる二人。
坂本「なんでお互い照れてんだよ!」
浦井、吉川「照れてない!!」
園部「帰るよ!」
浦井、吉川「お……おぅ……」
わちゃわちゃ話しながら帰る4人。
朝は晴れていた空だったが
厚い雲に覆われ次第に辺りが暗くなってきた。
すると……
ポツ……ポツ……ポツポツポツポツ……
坂本「え?雨??」
浦井「マジかよー」
園部「どこか雨宿りするとこ!」
吉川「あそこの軒下は?!」
雨が降り出し
近くの閉まっている商店の軒下へ
駆け出す4人。
ザーーーーーッ
園部「めっちゃ降ってんじゃん」
浦井「誰か傘持ってる??」
坂本「ある訳ねーじゃん」
吉川「オレもない」
園部「止むまで待つか」
吉川「浦井……」
浦井「なに?」
吉川「髪……めっちゃ濡れてる……」
吉川は、
浦井の髪をハンカチで
丁寧に拭き出した。
浦井「あ、いいよ……。そんな事……」
吉川「ダメ。動かないで」
浦井「な、なんか……ごめん……」
吉川「別にいいよ」
浦井「てか、吉川も肩
めっちゃ濡れてんじゃん!」
浦井もハンカチを出し、
吉川の肩や袖を拭いてあげる。
吉川「オレこそ……、いいよー……」
浦井「ダーメ!動かないで」
吉川「あ……ありがとう……」
園部と話している坂本は
しきりにリュックと接している
背中を気にしている。
園部「坂本、どした?」
坂本「なんかずっと
リュックの中身が背中に当たって
気持ち悪いんだよね」
痺れを切らしリュックの中を探る。
ガサゴソ……ガサゴソ……。
坂本「あれ……?あれれ……?
これはもしや……」
3人が坂本を見る。
坂本「ラッキー!」
バサッ!
吉川「お前、さっき傘ない。
って、言ってなかった?」
坂本「なんか背中に当たるなぁ。と思って
リュックの中手入れたらあった!」
吉川「なんだよ……」
坂本「なぁ!園部!家の方向一緒だし、
近くまで入れてやるから一緒に帰ろうぜ!」
園部「え……?吉川じゃなくて……いいの?」
吉川「おい、オレは??」
坂本「方向違うじゃん!
それに、吉川には浦井がいるだろ」
浦井「オ、オレ、傘持ってないよ!」
坂本は園部にウインクをした。
坂本越しの吉川と浦井を見て、気付く園部。
園部「あ…ぁぁ。そだなー。
じゃぁ、オレ坂本と帰るわ!」
坂本、園部「じゃぁ、また明日なー!」
傘をさした坂本と園部は
足早に2人の元から去っていった。
浦井「え?ちょっと……」
吉川「なんなんだよ。アイツら……」
浦井「めっちゃ仲良くなってるし……」
吉川の後ろから坂本と園部を目で追う浦井。
すると、足元の側溝の蓋がぐらついた。
ガコンッ!!
浦井「あ……!」
ゆっくりと視界から
振り向き驚いた吉川の顔が消え
軒下の裏側が見えようとしたその時……、
グッ
吉川「大丈夫??」
浦井(え……?なに……???)
倒れかけた浦井を
吉川がグッと抱きとめていた。
密着する身体。
相手の心臓の音まで伝わりそう……。
というか伝わっている。
ドックン……、ドックン……
ドキドキする……。
吉川の顔が目の前にあり
吉川は、浦井を見つめたまま。
浦井(恥ずかしい……。見れない……。
無理……。)
ゆっくり目を瞑る浦井。
吉川「目を瞑ったってことは……、
キス……しても良いの?」
浦井「よ……吉川なら……」
吉川「わかった……」
目を瞑っても
ゆっくり近付いてくるのが
温度で分かる。
浦井(良かった……。
ファーストキスは……。ひー……)
浦井(ん……?あれ?)
真正面から伝わる温度が
ゆっくりと頬へと移動する。
そして……。
吉川「まだしない……」
耳元で、そう呟く吉川。
そしてゆっくり首元に移動し
深呼吸する吉川。
スゥーーッ
吉川(懐かしい……匂い……)
恐る恐る目を開ける浦井。
優しく微笑み
ゆっくりと抱き起こす吉川。
浦井「あ……ありがとう。
た……助かった……」
吉川(変わってないなぁ)
吉川「浦井って可愛いね……。
あと……、良い匂いだった……」
顔を真っ赤にする浦井。
恥ずかしくなりそっぽを向いた。
浦井「な……何言ってんだよ!
ていうか、よ……吉川も優しい……よ」
吉川「あ……ありがとう……」
吉川「顔見たい……」
浦井「今はダメ……」
吉川「恥ずかしいから?」
浦井「ぜ……全然……」
雨が止み太陽の光が2人を照らす。
屋根から伝わった雨粒が
水溜まりに落ちる。
ピチャ……ピチャ……
吉川「ねぇ……」
浦井「なに?」
浦井が不貞腐れながら言うと
吉川「こっち向いてよ!」
浦井「ヤダよ。もうちょっと待って」
吉川は、強引に浦井の身体を
自分に向けさせた。
浦井「もう!恥ずかし…………ぃ」
吉川の方を向くと
そこには、青空が広がっていた。
吉川「虹……」
浦井「どこ……?」
吉川は、浦井の肩に腕を回し、浦井と並び
もう反対の腕を伸ばし虹の方を指さした。
吉川「あそこ……」
浦井「久しぶりに見た……」
吉川「オレも……」
吉川「綺麗だね……」
浦井「うん……」
吉川「雨やんだし帰る?」
浦井「もう少し……」
浦井「このままでいたい……」
つづく
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