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第4話 後悔
あれは小学6年の秋だったか。
その日は、身体測定の日だった。
なんてことはない、ただ身長や体重を測って成長を記録するだけの行事。
ただ一つ違うのは、生まれて初めてのバース性の検査があったことだった。
バース性については、元々保健の授業で習っていた。
この世界には男女とは違う、3つの性別がある。
一つ目がα(アルファ)。
優秀で社会的地位が高いエリート。
オメガに対してラットと呼ばれる発情期があり、頸を噛むと番になることができる。
人口の2%しかいない。
二つ目はβ(ベータ)。
これといった特徴はなく、普遍的で最も人口が多い。
最後にΩ(オメガ)。
体が弱く社会的地位が低い。
定期的な発情期があり、性フェロモンでアルファ、ベータを誘惑することがある。
アルファとの性行で妊娠できる。
人口の1%しかいない。
そして、重要なのは"運命の番"。
極稀に遺伝子的に惹かれ合うアルファとオメガがいるらしい。
出会ってしまうと本能的に強く引き寄せられる。
互いが唯一無二の存在、それが運命の番。
「運命だなんてロマンティックよね」
「…クラスの男子の中だったら〜
誰と番になりたい?」
近くの席で、女子たちがキャッキャとはしゃいでいる声が聞こえる。
くだらないな。
そんなことを考えつつ、ふと、晴海の方を見る。
この2年間で晴海の身長はぐんぐんと伸びた。
僕との身長差は更に広がり、背の順では1番後ろ。
恵まれた体格からか、スポーツテストでも学年で1位だったらしい。
「かーぜみやっ!何考えてんの?」
さすがに見すぎてたか。
隣の席の晴海が僕の頬をツンっとつつく。
フイっと顔を逸らして、熱くなった頬を頬杖で隠して誤魔化す。
「いや…。きっと晴海はアルファなんだろうなって
ほら、スポーツもできるし、背も高いし」
「え〜、そうかなあ」
本人はどうでもよさそうに笑うが、実際のところ近頃の晴海は女子たちの注目の的だった。
なんでも「他の男子より大人びててかっこいい♡」らしい。
確かに、最近の晴海は以前と比べて、良い意味で落ち着いたというか、破天荒さが丸くなってきた気がする…。
「風宮はベータではなさそうだよね」
「どういう意味?」
「なんていうか、他の人とは違う感じ?がする
それに…」
…綺麗だから。
恥ずかしげもなく、微笑みかけられる。
真っ直ぐな視線があまりにも眩しくて、目を逸らしてしまう。
対して晴海は、こんなこと大したことないとでも言いたげな、余裕な表情をしていて本当に腹立たしい。
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