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第20話 リベンジ2

そして、決勝戦が始まる時間になった。 西高校と名望学園の生徒、合わせて10人が向かい合って礼をする。 アルファだらけの名望学園、普段は何とも思わないが、こうやって客観的に見ると全員背が高くてガタイがいい。 会場内は今まで以上に静まり返る。 当たり前だ。 去年、名望学園は団体戦としてブロック大会まで駒を進め、結構良い成績を残していたのを覚えている。 そんな強豪校の試合が始まるのだから、注目度は断然高いだろう。 静かすぎて、鼓動の音まで響いてしまいそうだ。 ついに、先鋒選手が前に出る。 思わず胸の前で手を重ね合わせ、祈るポーズをとってしまう。 そして、戦いの火蓋は切られた。 晴海チームの先鋒選手の背中には、赤の襷が垂れている。 その赤を目に焼き付け、心の中で何度も祈ると突然、襷がふんわりと揺れた刹那 「ツキィーーァッ!」 竹刀が相手選手の喉元を突き刺した。 あまりの華麗さに会場内が響めく。 「突きアリ!」 僕らも夢中になって拍手をする。 先鋒戦は結局、一本勝ちに止まった。 といっても、勝ちは勝ちだ。 たった一本、されどこの一本がその後の流れを作ることにもなる。 お願い、どうかこのまま晴海まで繋いで…! だが、名学も昨年度優勝校としてのプライドがあるからか、ただやられっぱなしと言うわけにはいかないようだ。 続く次鋒戦は一本負け。 中堅戦も序盤に一本取られ、すぐに一本取り返すも、次鋒戦の負けが後を引いたのか終盤にもう一本取られてしまうという残念な結果になってしまった。 ここまでで、名学は二勝三本なのに対して西高は一勝二本という圧倒的に不利な状況だ。 次の副将戦で勝たなければ、西高の敗退は決まってしまう。 祈る手をギュッと強く握り込んで、晴海を見つめる。 ……何してるんだ? 誰も気がついていないが、副将が場内へ向かおうと立ち上がる直前に晴海に耳打ちしているのを見逃さない。 そして、ついに運命の試合が始まった。 粒揃いな選手たちの中で、副将はかなり小柄だ。 縦にも横にも大きい相手選手と比較しても20cm近くの身長差がありそうだ。 これは……かなり心配になる絵面だ。 「おいおい、流石に…」 黙って見ていた千秋も口を出さずにはいられなかったようだ。 この体格差で、一体どうやって戦うんだ。 案の定、相手選手がガラ空きの頭を目掛けて猪のように突進してくる。 やられる!そう思った瞬間、居るはずの場所に姿が見えない。 「ドオォォオ」 気がつくと、いつの間にか小さな体はとっくに巨体の一撃を躱し、2人は互いに背を向けていた。 「胴アリ!」 え?何が起きたのか全くわからなかった…! 速い、速すぎる。 スピード命の剣道選手たちの中でも群を抜いて敏捷だ。 その後、副将はクールに二本目も決めていった。 これで形勢逆転、勝者数は2対2、勝ち取った本数は3:4で西高が優勢となった。 つまり、晴海は最悪でも引き分けに持ち込めればチームとして勝てる!

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