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13赫い林檎に唇濡れて①

 翌日。 「あ゛──、最っ悪……」  結論から言うと、イけなかった。折角あんなに男が、欲望を煮詰めたドラム缶みたいなチンパンジーどもが沢山居たというのに。酷使されて擦り切れたのは俺のケツとバルクだけだ。  俺は新品のメンズブラの防弾繊維と衝撃分散ジェルのホールド力に八つ当たりするように位置を直しながら、苛々を隠しもせず廊下を歩いていた。背面が削ぎ落とされた薄手シャツの隙間から、ムチムチの肉体が躍動する。その時、前方から歩いてきた何者かの硬質な肉体にドスンとぶつかった。 「お、っとと。すんません──」  見上げれば、漆黒の重厚な隊服に身を包んだ、竜の双角、目元に赤の隈取りのある魔人が立っていた。あれ、コイツ、確か秋葉原の大怪獣戦争の時に見た……そうだ、名前は確かミハイル。自己評価が天元突破している傲慢のアルファだ。  ミハイルは、虫ケラをすり潰すような冷たいルビーの眼差しで俺をちらと見下ろすと、眩暈のするようないい匂いを傲慢な臭気と共に放ちながら言い放った。 「目障りだ。俺の前からさっさと消えろ、穢らわしい愚民が」 「え? 愚民を舐めたら百姓一揆起きちゃうよ?」  脳の血管が不条理にバグっていたせいか、ついそんなクソウザい哲学が口から滑り落ちていた。 「ふ、フハハハハ! 貴様……」  ミハイルの美しい顔が愉悦に歪む。彼は俺の黒の刈り上げポニーテールを強引に鷲掴みにすると、ぐっと顔を至近距離まで引き寄せ、酷薄ににっこりと笑った。 「殺──んむ!?」  こちとら昨夜からむしゃくしゃしてんだよ。  俺はミハイルの高級なローブの襟をひっ掴んで強引に引き寄せると、そのまま奴の傲慢な唇を力任せに奪ってやった。  信じられないものを食らわされたという風に、驚愕したミハイルが凄まじい力で俺を突き飛ばす。俺はタタッと数歩下がると、自堕落に笑いながら言い放ってやった。 「だから謀反起こされるぞって忠告したっしょ~」  脱兎の如くその場から逃げていく俺の後ろで、紅蓮の竜の王がこの世の終わりみたいな声でキレ散らかしていたが、知~らねっ。 ◆  ──我が城、マゾン高円寺に帰ると、俺はいそいそと自室に戻った。ボロボロに引き裂かれた服を脱ぎ捨て、チョーカーを外し、まずはシャワーの蛇口を全開にしてお湯を浴びながら、浴槽に湯を張り始めた。 「……はぁ~~」  身体の奥底に溜まった、男たちのドロドロとした欲望の汚れを洗い流しながら、ふと先ほどの廊下での出来事を思い出して唇をペロリと舐める。 「ん……」  尻の孔からは、昨夜10数人に蹂虙されて中出しされた時の精液が、今も不条理な液体となってジリジリと垂れ続けている。  俺は自分の孔に容赦なく指を突っ込み、奥に溜まった体液を掻き出した。どろりとした、人間の濁ったエゴが指先に絡みつく。一体どれだけ出されたのか、考えただけでうんざりだ。つい、その指先の臭いを嗅いでみた。 「あクッセ!!」  俺は顔面を限界まで梅干しのように歪め、歯を剥き出しにしながら浴室に叫び声を響かせた。  考えてみれば、昨夜何本ものちんぽを咥えまくった俺の口の中も、相当に廃車置場のヘドロみたいな臭いが残っていたに違いない。  そう考えたら、さっきのミハイルへのキスって、あの傲慢な男にとってこれ以上ない最悪の罰ゲームじゃん。 「んははっ」  あのプライド天元突破男が、あの後どんな顔をして口を濯ぎまくったのかを想像したら、愉快な気持ちになってつい笑いが込み上げてきた。 「あ゛──」  喉がイガイガして顎も痛い。大怪獣のタップダンスを喉の奥で食らった気分だ。兎に角、この口の中を歯ブラシで磨き倒さねぇと。  ふと、歯ブラシを取ろうとして洗面台の鏡を見れば、俺の褐色肌の首筋には、生々しい絞め跡や青痣が星座のように点在していた。 「うわ~。好きなようにやらせたから……ま、良いか」  それから、何度洗ってもなかなか落ちない男たちの厭な獣の匂いに顔をしかめながら、俺はお気に入りの高級ボディソープをこれでもかと手のひらに注ぎ、ムチムチのシックスパックを泡まみれにした。 「中出しのバーゲンセールだなこりゃ……ガキが出来たりして」  歯を激しく磨き終わると、今度は自分のお腹をゆっくりと擦りながら、脳裏に一抹の不安が過る。  当然と言えば当然だが、グカたち含め、あの部屋の連中にコンドームなんか付けるような常識さを兼ね備えた奴は一人もいなかった。 男のオメガの妊娠確率は天文学的に低いはずだし、何なら本格的な発情期(ヒート)が来ない限りその確率はゼロに近いはずだ。  それでも、突発的とは云え、とうとうヒートを迎えるバグが起きるようになった身体だ。今、油断をすれば世界の絶対法則が崩壊する。 「でも……ヒートも起きてねぇし、子宮口には挿れてねぇし……。念のためにピル飲んでおくか……効果があるか分かんねぇけど」  俺は鏡に映る継ぎ接ぎ傷だらけの自分を見つめながら、そう自分に言い聞かせるように呟くと、清潔な服に着替えた。  室内に戻ると、白い大福のごとき毛玉がベッドの上でぽよんぽよんと跳び跳ねていた。 「ミ゛ィ」 「お、毛玉~~。お腹空いたぁ?」 「ミ゛ィ」 「ははっ。後でプロ級の飯作ってやるからな~」  俺は最強のヒモ兼居候のために、錆びついた台所へと向かうのだった。 ◆  夜。また珍しく、俺に夜指名が入った。  今度の相手は、カーストの頂点たるドラコの一人だと聞いた。  ドラコが? つーか、あのプライド天元突破の俺様ミハイルが? この俺を夜指名? 他のクラブのどのキャストも喉から手が出る程に求めてる、あの怪物の王が?    絶対におかしい。何かのバグか陰謀だ。そう思いながらスタッフルームで兒玉さんに理由を訊くと、エンブリオの上層部が真顔で会議室で決めたような、最高に面白い答えが返って来た。  なんでも、ノーブル・ダルジャン寮のドラコには、キャストを頑なに抱きたがらない深刻なオメガ嫌いの奴が数名居るらしい。  転生するとは云え、それがいつになるのかもわからない。  堕竜の猛攻も相変わらずだ。  世継ぎの竜(スペア)が欲しい組織側からすれば、彼らのオメガ嫌いは死活問題だ。清守と云う運命の番(許嫁)も居る手前、とりあえず実践の前の予行練習をさせておかないといけない。  要するに、組織側が「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」の精神で、手当たり次第にオメガを部屋に放り込むローラー作戦を試みているのだとか。だから、抱かれずにそのまま送り返されるのは完全に想定内の駄目もと作戦らしい。 (あー、なるほど。つまり俺は、組織の数合わせの鉄砲玉ね……) 兒玉さんに案内され、仰々しい『賢者の扉』をくぐってモルガナへ向かうと、ドラコたちが隔離生活を送る豪華絢爛な寄宿舎の区画へと足を進める。  ミハイルの部屋の前で兒玉さんとは別れ、俺は高級そうなドアをノックした。──が、いくら待っても返事は無い。  仕方無く「おい~す。失礼しま~す」と勝手に鍵を開けて中に入った。不法侵入だが、指名されたんだから文句は言われる筋合いはない。  奥の方からランプの灯りが漏れている。人間の確かな気配はあるようだが、やはり何の反応も無い。 「あの~……もしもーし……」  ヒョコっと顔を覗かせると、部屋の奥の高級な書斎で、アンティークなランプを灯りに静かに本を読んでいる人が見えた。  煌々とした灯りに照らされて、その人──紅蓮の竜の王ミハイルは、こちらを見もしないで偉そうに口を開いた。 「何だ……またエンブリオがくだらないオメガをあてがって来たのか。俺は抱かんと云っているだろう。さっさと散れ、穢らわしい愚民──」 「あ、ちわっす」 「──ッ! 貴様……!!」  ミハイルがバタンと激しい音を立てて本を閉じ、机に置いた。その瞬間、彼の眉間に一瞬で深い皺が刻まれ、顔面が「今、俺は目の前で巨大なうんこを見ました!」というレベルで最悪に歪んだ。 「朝の愚民か……あの時は、随分と面白い事(謀反)をしてくれたな?」  紅蓮の炎が背後に見えるような氷の微笑で、部屋の気圧が変わるほどの圧を掛けてくるミハイル。対照的に、新品の黒レースブラを服の上から直しながらニッコニコしている俺。 「え~~? 何の話ぃ~? 俺、記憶力は母ちゃんの母胎に置いてきたから分かんな~い」 「俺を欺けると思ったか? 貴様ごとき雑種が? よくもあの時、その穢らわしい口で……。全く、舐められたものだな。さて、どうしてくれようか……」  ぎぃ、と不快な音を立ててミハイルが書斎の椅子から立ち上がると、連動してパッと室内が明るくなった。  部屋は高級感溢れるシックな黒を基調としたもので、とても上品だ。配置された家具と調度品も、一般人が見たら一瞬で脳のニューロンが異常結合するくらい高そうなものだと見て分かる。  俺がポカンと高級そうな絨毯を見つめていると、ミハイルはつかつかと長い脚で俺の前までやって来た。そして人差し指でとん、と俺のムチムチの胸板を押したかと思うと、ガッ!! と片手で俺の首を掴んで壁に強引に押し付けた。少女漫画の壁ドンというよりは、犯罪者を拘束する時のそれだ。 「殺してやる。一思いにな」 「ふ~~ン。いいよー」  幸い、首を締める力には殺意もクソも籠もっていなかったので、俺の自堕落哲学センサーは「あ、これ脅しだわ」と瞬時に検知した。  なので俺は、壁に押し付けられたまま、目の前のミハイルの綺麗な首筋に、ごく自然な動作で自身の腕をそっと回した。  そして、れろ、と自堕落に舌を突き出すと、彼の傲慢な唇の端をダイレクトに舐め上げてやった。  バッ!!! と、ミハイルが物理法則を無視した物凄い早さで、部屋の反対側まで距離を取った。  ただ唇をれろっと舐められただけの何てこと無い動作に対して、カーストの頂点たる怪物の王が、まるで未知の物体に触られたかのように激しく狼狽え、唇をガタガタと震わせている。その反応が最高に面白くて、俺の寄り目になりかけていた目は、さらに愉快に笑うのだった。 「……ッ! どこまでもこの俺様を舐め腐った雑種めが!」  ミハイルが噛み殺すような声で吠える。俺がれ、と舌をちらつかせて自堕落に笑えば、彼は不機嫌な表情をさらに硬く尖らせ、凍土のような冷たい眼差しを俺に突き刺してきた。  折角の機会だから、俺は壁に背を預けたまま、改めてまじまじと怪物の王を観察した。  真珠の様に滑らかな白い肌。飛び抜けて眉目秀麗で、神の気まぐれで整えられたその美貌には、一つの欠点すら見付からない。薄い唇は不快げに歪められているが、無駄に色気を放っている。  長い綺麗な赤髪、双角、およびピクピクと揺れる獣の耳。ルビーの様に大きく切れ長の美しい瞳は冷徹なオーラを纏っていて、それを縁取る長い睫毛が嫌味の無い上品な顔立ちを際立たせていた。右目には大きな縦傷がついている。感情を隠しきれない尻尾が、時折イライラとしなやかに揺れていた。 (ナハト達の時も思ったけど、このカーストの頂点ども、マジで全員高級果実みたいな良い匂いすんなぁ……) 「朝の時から思ったが、臭い、汚い、下品。お前の事だぞ愚民。鼻がひん曲がりそうだ」 「だって俺、昨夜のセックスで10人以上の男を相手にしたしね!」 「何……!?」 「因みに、朝アンタに不意打ちでキスした時は、俺フェラしまくった後で口洗ってなかったからね。いわゆるザーメンキッスってやつだわ」 「貴様ァァァ!! 殺す!! 万死に値する!! 今すぐその首をギロチンで切り落としてやる!!」  竜の余裕を完全にかなぐり捨て、文字通り人を物理的に消滅させる勢いの血走った瞳で、ミハイルが俺の首を再び締め上げようと突っ込んできた。 「じゃあ、カウンターでちゅーするけど」  俺が唇をすぼめてみせると、ミハイルの動きは、ゼンマイの切れた安物のネジ巻き人形のようにピタリと停止した。興奮でピンと立ち上がっていた尻尾が、彼の絶望を表すようにしなっと情けなく垂れ下がる。 「……行動の一つ、言葉の一つとっても、品性の欠片すら母親の母胎に置き忘れてきたようだな」 「それもあるけど、俺ぁセックスに関するステータスに全振りしちまった身体だから、こればっかりはしょうがないね」  俺は親指と人差し指で輪っかを作り、そこに反対側の指をズボズボと無遠慮に突っ込んで、実に卑猥なジェスチャーをミハイルの眼前に見せつけた。ひく、とミハイルの美しい顔面がさらに引きつる。 「ねえ、ミー君ってさ、もしかして童貞でしょ?」 「は!? 高貴なるこの俺様に向かって、そんな世迷い言が通用するわけが無いだろう! それから、誰の許しを得てそのふざけた渾名で呼んでいる、痴れ者が!」  どこぞの古代の王族のような余裕をかましながら、尚も横柄な態度でふんぞり返るミハイル。何故そこで虚勢を張ってしまうのか。これだから童貞の悲しい性ってやつは見ていて飽きない。 「もしかしてミー君って、無駄に面倒くせぇタイプの人? いちいち小姑みたいに口うるさいんだけど」  俺が正直な感想を口に出すと、またプライドが爆発しかけたので、「あ、またちゅーしちゃおっかな?」と呟いてやると、王はガチリと動きを止めた。  漸く俺の自堕落なペースに呑み込まれ掛けた事に気付いたミハイルが、ハッと我に返って冷笑を貼り付ける。 「……フッ、随分とビッグマウスだが、本当はそんな経験など無いのだろう。見苦しい虚勢は己を辱しめるだけだぞ、雑種」  ミハイルはそう云って大袈裟に肩を竦めて、フン、と鼻で笑った。その言葉、鏡に映った己の顔面にそっくりそのまま叩き付けてやりたいよ。 「じゃあ、そんなに言うなら今からここで俺を抱いてみたら良いんじゃねぇ?」 「誰が! 貴様なんぞを抱くか!」 「あ~~、分かった。童貞だから、オメガを優しくエスコートする手順が分かんねぇもんなぁ? エベレストみたいに無駄に高いプライドで虚勢を張り散らかして、いざ本番になったら、自分が完全未経験なせいで下手くそな前戯とセックスを晒して恥をかくだけだもんなぁ、ミー君は♡」  それを聞いたミハイルが、ルビーの瞳をこれでもかと見開いて、全身をわなわなと震わせ始めた。 「き、貴様ぁ……ッ、そこまで不敬な……ッ」 「図星だろ?」 「まあ、童貞を貫くのも個人の自由だけどさ。アンタ、組織の数合わせで今のうちに練習しとかねーと、いざって時に『ドラコのくせに夜の営みが下手くそ』って恥をかく立場なんだよな?」 「ぐ……ッ」  効いたな。今のは見事なフリッカージャブだ。ガードの隙間から脳を揺らしてやった。 「アンタ、顔面と見た目の造形だけはスッゲェ良いから相手には苦労しないだろうけど、本番のベッドの上でどうすんの? もしかして、手マンでガシガシ擦りゃ誰でも濡れて喜ぶとか思ってるタイプ? 無知過ぎて相手に幻滅されて、その高いプライド保てる? 後から『ミハイルは見た目だけのクソ下手童貞』って裏で噂が立っても、エベレストの頂上で生きていける?」  地下闘技場で仕込んだ凄惨な夜の哲学をテキトーに嘯いてみたら、これも100%図星だった。カーストの頂点に君臨する怪物の王のくせに、全身がWEAKPOINT(弱点バグ)だらけで、俺は笑っちまうのを堪えるのに必死だった。 「ぐぬぬ……」 「だ・か・ら! この俺が、懇切丁寧な夜の練習台になってやるよ~♡」 「貴様……そうやって恰も俺の為を思っているかのような殊勝な雰囲気を作っているが、本当は自分がヤりたいだけなのではないか?」  じと、と底冷えするような胡乱な眼差しを向けてくるミハイル。 「そうだけど? 何か問題ある?」  あけすけも無くあっけらかんと言い放てば、答えは当然イエスに決まっている。 「ほら、さっさと脱げよ~」 「な、何だと!?」  ミハイルの端正な顔面から、驚きで思いきり上擦った声が漏れた。 「どうした? もしかして、自分のモノに自信ねぇのかぁ~?」 「……何だと貴様……っ!」  こいつは一体、脳内のどんな高尚な法廷で葛藤を繰り広げているんだ。御託はいいからさっさとヤッちまえば良いだろうがよ。実に往生際が悪いねぇ。 「も~、しょうがないなぁ。よし、分かった! 諦めるよぉ、ミー君」  それを聞いたミハイルが、はぁ、と幾分か安心したような、無駄にホッとした表情を見せた。──ふん、諦めたと思った~? お馬鹿さん♡ 「じゃあ、俺がお前のちんぽに特大の呪い(まじない)を掛けてやる」 「はあ???」  ミハイルが美しいルビーの目を見開いて、こいつは一体何をトチ狂った事を口走っているんだ、という顔をした。  俺は首の後ろを自堕落に掻きつつ、大袈裟な溜め息を一つ吐き出した。それから長い赤髪を揺らすミハイルの眼前に厳かに跪くと、奴の股間に向かって、ドアをノックする仕草を真面目に見せつけた。 「コンコーン! ミハイルのおちんぽさんですかぁ~? セックスのお時間ですよぉ~?」 「はあ……? 貴様、一体何を……」 「う~ん、反応が無い。完全におねんねしてますねぇ~」  俺は両腕を組んで、うんうんと深刻そうに頷いてから首を振った。 「は……?」  それから俺は両手を怪しく翳し、奴の股間に向かって「それ勃起! 勃起! 勃起っき!」と、不条理なリズムで手を叩きながら大真面目に呪い(祈祷)を捧げ始めた。  カーストの頂点たる怪物の王が、恐怖のあまり青ざめた顔で本気で怯え、部屋の天井に向かって絶叫した。 「誰か!! 悪質なちんぽ祈祷師が、俺様の股間に不条理な呪いを掛けようとしています!! 助けてくれ!!」 直後、パコォン!! と、俺の頭に思い切り良い音が響いた。 「いったぁ~い。怪物の王のくせに、何すんのぉ~?」 「何をするのとはこちらの台詞だ!! 偉大なるこの俺の前に、訳の解らん不条理なオカルトを持ち込むな!!」 「ちぇー、しょうがない。呪いが効かないんじゃ、実践のテクニックで無理やり勃たすしかねぇな」 「なにを──」 「まあまあ、取り敢えずベッドに座って♡」 「……? ──な、何をする!?」

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