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22ル・ルトゥール②

「ん、ンう゛、う゛っ! んんン゛、~~ッッ!!」  目隠しされ、猿轡を噛まされ、手首を縛られ、無理矢理組敷かれるようにして、テオドアの下で俺は苦しく喘ぐしかなかった。  テオドアは人好きのしそうな爽やかな笑顔で俺に近付くと、俺を油断させ、指名の承諾を得た。 (勿論、あのテオドアのことだ。何かしら企んでいるだろうとは思っていたが……)  テオドアは相手の懐に潜り込むのが上手い。  その上相手は隙だらけのオメガの俺。  それは赤子の首を捻るより容易い事だったようで、理由はそうでもしないと奴にとっての楽しみが減るからであった。  そしてとうとう最初の夜がやって来た。  もう猫を被る必要の無くなったテオドアは気持ちが良い程の切り替えっぷりで本性を露にした。  相手の懐に潜り込み、油断させ、思い切り裏切った時の反応がテオドアにとってのご馳走であった。  例えどんなに嫌がって抵抗しても、身体はアルファのフェロモンに反応してしまう。  その逆もまた然りで、俺の凄まじい官能的なフェロモンにテオドアはどっぷりとハマってしまったようだ。  貪るように俺を味わった後、目隠しと猿轡、手首の拘束を外す。 「て、おどあぁ♡ ……こういうプレイが好きなのかよ……?」  テオドアは俺の予想外の反応に目を見開いて「く、クック、ク……良いね、もしかして煽ってる?」と嗤うと、無理矢理後ろを向かせ、思い切り俺を貫いた。 「ん、あ゛、~~ッッ! ん、ンっ、んう、ふ、ぅ゛……ッッ♡♡」 「ははッ」どちゅっ! 「どう?」どちゅっ! 「たまには」どちゅっ! 「こんな風にッ」どちゅっ! 「犯されるのもいいだろうッッ!!」ごちゅんっ!! 「お゛、~~~~ッッ♡♡♡♡」 「俺は君が嫌がってもずっとこうやって虐めるからさぁ、イイコにしててくれよ」  テオドアのぞっとするような冷たい囁きと、俺は目の前がチカチカと明滅するのを感じながら、絶え間なく続く激しい抽挿に腹の中を突き破られるのでは無いかと思うほどの圧迫感を覚えた。  そんな事が9日も続いた頃、とうとう我慢の限界がやって来た。  俺は律儀にもずっと奴の辱しめに耐え凌いで来たのだ。(嘘。楽しんでました)  断ると云う選択肢は無かった。何だか負けた気分になるから。(気持ちいいし)  う~ん、う~ん、と無い知恵を絞って何かを閃くと、俺はうひひ、と笑ってイシュタルの給仕へと向かった。  ──その夜。  いつもの様にテオドアはイシュタルの専用部屋にやって来ると、扉を開けた途端にむせ返るようなフェロモンの香りに圧倒され──気を失った。 ◆ 「ん……──?」  テオドアが目を醒ますと、ベッドの上で手首を縛られ鎖で繋がれていた。  動く度にガチャガチャと鎖が鳴る。  ひた……ひた……。  忍び寄る足音に視線を向けると──着崩れたスーツ姿で直忠が現れた。  その姿にそこはかと無い色気を感じて、テオドアの胸が高鳴る。 「へえ……面白い意趣返しだね?」  予想外ではあるが、その反応に俺は思わずクスクス笑うと、涼しい顔で徐にテオドアの上に跨がった。  それからそっとテオドアの耳元で蕩けるような甘ったるい声で「テオドアがぁ、いつもしてる事……」と囁いた。  ブワッと辺りに広がる圧倒的な色香に惑わされ、全身の産毛が粟立つと、それだけでテオドアの股間は大きく盛り上がってしまった。  俺は「はあ……」と甘い吐息と共にぴくんと身体を震わせ反応する。 「いっつもい~っつも……意地悪ばっかりしてさぁ。でもな、俺はテオドアとは違うぜぇ? 優しいんだからなぁ」 ふふっと小悪魔のような笑みで悪戯っぽく笑うと、すり……とお尻の割れ目をテオドアの股間に擦り付ける。 「……ッ」 テオドアは快感に耐えながら羞恥にポーカーフェイスが崩れ、顔が歪む。 「テオドア……♡」 「もっと楽しもうぜ……な?」  不意に俺はテオドアに優しくキスをした。  ちゅ、ちゅう、ちゅっ……。  甘い水音が静かな部屋に響く。  熟れた果実のようなフェロモンに満たされた心地よい部屋で、蕩けるようなキスをされて、テオドアは目眩を感じながらその居心地の良さに酔いしれた。  そういえばいつもキスなんてしなかった。  こんなにも甘いフェロモンの香りなんてしなかった。  その事に気付くと、テオドアは自然と直忠の舌に自分の舌を絡ませてちゅう、と吸った。 「ん、ふ……ぅ。んん、てお、どあ……っ」  唇を離した俺はテオドアのシャツのボタンを丁寧に外すと、胸元に何度もキスを落とした。  それから徐に腰を上げ、テオドアの隊服のズボンのファスナーを下ろしてぶるんッと勢い良く飛び出すバッキバキの長大なペニスをお尻の割れ目にあてると、「一緒に気持ち良くなろ?」と上擦った声で囁きながら一気に腰を落とす。 「────ッッ!!!!」  想像を超えるような快感がテオドアの身体を駆け抜け支配すると、今までの俺が行為に手を抜いていたのだと漸く悟ったようだ。  きゅう、としとどに濡れた肉襞に絡めとられ締め付けられて、あわやと云う所で何とか押し留める。  俺はぶるりと震えて「は……ッ、テオドア……頑張ったね。えらいえらい」と子供にする様にテオドアの頭を撫でた。  テオドアは手首の拘束を容易く引きちぎると思い切り俺の桃尻を鷲掴み、その弾力と溶け込むような柔らかさに虜になりながら、一気に奥へと自身を突き入れた。  ──ごちゅんっ!! 「ああ゛~~ッッ! あっ、あっ、あっ、あンぅ゛、ぁ、~~ッッ♡♡」 「あっ、て、お……ッ。俺で、気持ちっ、良くっ、なってぇ……ッ。もっと、おくっ、ぐちゃぐちゃに、してぇ……ッ♡♡」 「んっ、んっ、ン、ぁん、はぁんっ、ひあぁう゛、~~ッッ♡♡」  淫らに腰を打ち付けながら、テオドアのペニスを奥へ奥へと誘うと、どろどろに蕩ける中が愛液と精子と混ざり合って次から次へと快感が止めどなく身体を突き抜ける。 「ん、んはぁ、んふっ! あ、あっ、あ゛っ、はうぅ゛~ッ♡ やんっ、やっ、あぁあ゛……ッ、あ、おれぇっ、イッてるッ、あっ、もっと、もっとして……ッ! うぁ゛、~~ッッ♡♡♡」  テオドアが激しく腰を打ち付けると、奥を突かれる度に俺の身体が上下に揺れ、シャツの隙間から覗く色気のあるしっとりとした褐色肌がテオドアの目に留まった。  徐にテオドアは俺のシャツに手を潜り込ませて胸をむにっと揉みしだく。  むちっとしていて、それでいて指先が肌に溶け込むような感覚。  芯を持った粒に触れ、擦り、摘み、撫回す。 「や、ん……そこ、ばっかりぃ……っ♡」  俺は涙目でテオドアの愛撫に身悶えすると、テオドアの手に自分の手を重ねて「もっと激しくして……」とおねだりした。 「ん、ん、ふ、あ……ッ! んあ……ッ、あっ、や、ん……ッ♡♡」  テオドアに激しく胸を弄られながら、下半身は尚も俺を攻め続ける。  ぱちゅ、ぱちゅ、ぱちゅんっ!!  とろりと濡れた穿孔をテオドアの逞しい雄が激しく出し挿れする。  俺はびくんっ! と大きく震えると、「あ、あ、あ、んあぁ゛……っ、ぅ~~ッッ♡♡♡」と声を漏らしながら、はっ、はっ、と赤い唇から吐息を漏らし、とろんとした涙目でテオドアの身体に倒れ込んだ。  テオドアは徐に力尽きている俺を自分の下に組み敷くと、ちゅ、とキスをした。 「君……今まで態と手を抜いていたの……?」  ──今までに感じた事の無い云い様の無い暖かいものが胸の中でとくとくと満たされていく。  ──どうしてこんな気持ちが湧いてくるのだろう。  ──いつもだったら、誰かを抱いた後は何の感慨すら無かったと云うのに。  ついこの間までの乱暴な行為にまさかの味を占めたコイツは、このような意趣返しに及んだ、と。  テオドアのじとりとした視線も何のその、俺はケラケラと笑って、テオドアの頭を子供にするように撫でくり回した。  そのふざけた行動に苛っとくると、では今度はこちらの番である。 「は、──っ。てお、どぁ……ッ、や、くふぅん……ッ♡♡」  テオドアは俺の腰をがっしりと掴んで、濡れそぼつ穿孔に再び自身を深く深く味わう様に穿った。  極太のペニスに抉られるようにして襞がみちみちと別たれる。 「あ、あ、あぁ゛ッ! はぁんっ、あっ、やぅ、ん、待って……ッ、待ってぇ……ッ♡♡」 「あは、あっ、や……ッ、またっ、イッ、イッてるからぁ、~~ッッ♡♡♡」 「てお、どあ……ッ、んあ……ッ、ん、もっとして、おく、あ、いいっ! そこ、ふああ゛、あううぅ゛~~ッッ♡♡♡」  パンッパンパンパンッ!!  夢中で激しく腰を打ち付けながら、俺の熟れてとろとろになった中を全身で味わう。  汗で濡れた肌が触れ合う度にどうしよもない愛おしさが沸き上がる。  肉襞がテオドアを美味そうに咥え込み優しく包み込むと、激しい快感と共にどろどろに溶かしてくる。  とんとんと一定の律動でポルチオを優しくあやしてから、今度は前立腺をごりゅごりゅと抉るようにしてナカをカリ首で引っ掻いてやれば、ゴキゲンな鳴き声が熱の籠った空気を混ぜっ返していく。  勢いを付けすぎると、グブッ!! とあらぬ音がして、俺の身体が引き攣れたように大きくわなないた。  カヒュッ、と俺の喉から空気が絞り出される。  先ほどまでの圧迫感が一転して、云い様の無い多幸感に脳味噌が支配されパンクする。 「い゛、ひぃ゛っ、……ッ♡ まって゛、あぐっ、はげし……ッ! おくうぅ゛、入、って、アッ、やだ、やだやだっ、またイっ、んぅ゛~~ッッ♡♡♡」  グプゥッ!!  ぱち゛ゅっ、ぱち゛ゅんっ!!  官能的で甘美な味が、テオドアの本能を煽り、クスクスと笑っている。  俺の口から漏れる甘い喘ぎと、下半身から漏れる淫靡な水音。  蕩けるような極上のオメガを貪るように犯していくと、えもいわれぬ幸福感。 「ふッ、う゛……ん゛ッ、やっ、ぬえ、く……ッ♡ あ゛っ、あっ、はうう゛……ッ! い、イイっ、そこっ、あ、あ゛う゛ぅ~~ッッ♡♡♡」  魅惑的な色香、今までに出会った事の無い妖艶な肢体で魔性のフェロモンを持った圧倒的な怪物を目の前に、テオドアはただただ至福の時間に溺れた。

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