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第4話 見せたかっただけ
ねぇ、聞いて?
俺の彼氏。
最近、ちょっとずつなんだけど。
冬馬は自分から俺に何か見せようとしてくるんだ。
いや、本人はたぶん。
そんなつもりない顔してるよ?
むしろ見つかった瞬間、全力で隠そうとする。
でもさ。
わざわざ俺が気づきそうなところに秘密を仕込んで。
見つけられたら真っ赤になって。
それでも逃げない。
……可愛すぎるよね。
こないだなんかさ。
****
服を脱がせたときだった。
冬馬の胸元で、小さく光るものが見えたんだ。
一瞬、何か分からなかった。
でもよく見たら。
両方の乳首に、小さなピアスがきらりと光っている。
「……これ、何」
って聞いたら。
冬馬の顔が、一瞬で赤くなった。
「見るな」
そう言って、慌てて腕で隠そうとする。
いや。
そこまでされたら、余計気になるよね。
「いつ付けたんだ? 冬馬」
「……」
「これ、前はなかったよね」
「……うるさい」
「どうして付けたの?」
そこまで聞いたら、完全に目を逸らされた。
答えない。
でも、逃げるわけでもない。
だから俺も、それ以上問い詰めずに。
隠そうとしてる腕をそっとどけた。
「触っていい?」
って聞いたら。
冬馬は少し黙って。
それから、ほんのちょっとだけ頷いた。
だから指先でそっと触れてみた。
ほんの少し摘まんだだけなのに、
「……っ」
って。
冬馬の肩が跳ねる。
ピアスを軽く動かすと。
今度は腹にぐっと力が入った。
俺までびっくりして顔を見たら。
本人も、
しまった。
って顔してる。
「敏感なんだ」
「……違う」
「いや、今のは分かるよ」
「見るな」
「見せたの冬馬じゃん」
「見せてない」
言いながら、耳まで真っ赤。
ほんと分かりやすい。
だから今度は、からかうだけじゃなくて。
少し丁寧に触れた。
ピアスを指先で摘まみ、ゆっくりと弄る。
触るたび、息が少しずつ速くなる。
いつもの澄ました顔を作ろうとしてるのに。
だんだん、それも難しくなってる。
すでに硬くなったちんぽを。
そのまま、冬馬の中へ入れていく。
ぬるりと熱い内壁が絡みつき、奥まで飲み込んでくる。
「ここ、そんなに弱い?」
って聞いたら、
「別に……」
って言うくせに。
ピアスをまた触ると。
ほら、やっぱり。
奥までぎゅっとなる。
俺が冬馬の好きな触れ方を覚えてるみたいに。
今度は、この新しい秘密まで教えてもらってる感じがした。
指先で胸に触れたまま。
腰も動かしていく。
少しずつ動きを強くする。
胸にも、そのまま触れ続ける。
胸に触るたび、中までぎゅっと締まる。
「これ、好きなんだ?」
って聞いたら。
しばらく黙ってから、
「……嫌いじゃない」
って。
「じゃあ、もう少し?」
そう聞いたら。
目は逸らしたまま。
でも。
今度は、ほんの少しだけ俺のほうへ寄ってきた。
腰を自ら押し付けるようにして。
奥まで飲み込む。
それで十分だった。
だから俺も、冬馬が嫌がらない範囲で。
ゆっくり触れた。
すると冬馬は、恥ずかしそうにしながらも。
少しずつ身体を預けてくる。
「調子に乗るなよ」
なんて言うくせに。
俺が手を止めると。
ちょっと不満そうな顔をする。
「止める?」
って聞くと、
「……好きにすれば」
「それ、続けてって意味?」
「違う」
「じゃあ止めるね」
「……お前ほんと嫌い」
そう言って、服を掴んでくる。
もう俺にも分かる。
これは冬馬なりの、
続けて。
だ。
ピアスを摘まみながら後ろから犯し続け。
乳首を弄るたび奥が強く締まり。
ちんぽを何度も絞り取ってくる。
触ってる場所は違うのに。
なんか、全部つながってるみたいなんだよ。
息もどんどん荒くなる。
だから、そのまま抱き寄せた。
冬馬も離れなかった。
むしろいつもより少しだけ。
素直に俺へ身体を預けてきた。
****
しばらくして。
冬馬が落ち着いたころ。
俺、やっぱり気になって聞いたんだ。
「で」
「……何」
「これ、どうして付けたの?」
冬馬はぴたりと止まった。
「まだ聞くのかよ」
「気になる」
「忘れろ」
「無理」
「……」
また黙る。
でも、まえみたいに。
完全に逃げる感じじゃなかった。
言うかどうか迷ってる。
そんな顔だった。
だから待った。
急かさずに。
ただ隣に座って。
冬馬の手を握ってた。
しばらくして。
冬馬が、小さな声で言った。
「……お前が」
「うん」
「こういうの……好きそうだったから」
一瞬、意味が分からなかった。
「俺が?」
冬馬はさらに顔を赤くした。
「前に雑誌見てただろ」
「ああ」
「こういうの、ちょっと目で追ってたから」
そこまで覚えてたのか。
俺、自分でも忘れてたのに。
「それで付けたの?」
「……別に」
「冬馬」
「……見せてみたかっただけ」
ほんと、小さな声だった。
それだけ言って。
冬馬は俺の肩に顔を押しつけた。
たぶん。
引かれるかもって思ってたんだと思う。
俺が好きそうだから試してみた。
でも実際見せるとなったら恥ずかしくなって。
もし変だって思われたらどうしよう、って。
そんなことまで考えてたんじゃないかな。
だから俺。
ピアスそのものより。
その言葉のほうに、完全にやられた。
俺が好きそうだから。
俺に見せてみたかったから。
冬馬が一人で考えて。
ちょっと勇気出して。
俺のために、秘密を一つ増やしたんだ。
なんかさ。
めちゃくちゃ嬉しくない?
「冬馬」
「……何」
「ありがとう」
そう言ったら。
冬馬がゆっくり顔を上げた。
ちょっと驚いた顔してた。
「……何で礼言うんだよ」
「俺のこと考えてくれてたから」
「……別に」
「嬉しいよ」
その瞬間。
冬馬の顔が、ほんの少しだけ緩んだ。
安心したみたいに。
「……変じゃない?」
って。
びっくりした。
冬馬がそんなこと聞くの、珍しいから。
だからすぐ、
「全然」
って答えた。
「むしろ、そういうことしてみようって思ってくれたのが嬉しい」
冬馬はまた黙って。
それから、俺の肩に額を押しつけた。
「……ならいい」
って。
その声が、さっきまでよりずっと柔らかかった。
俺、そのとき思ったんだ。
冬馬って。
少しずつだけど。
俺に見つけられるのを待つだけじゃなくなってる。
自分から、
こんな俺もいるよ。
って見せようとしてる。
まだ言葉にはできないから。
遠回りして。
秘密を仕込んで。
見つかったら真っ赤になって。
でも。
俺が受け止めたら、ちゃんと安心する。
また一つ。
冬馬の知らない顔を見つけた。
しかも今回は。
冬馬のほうから、俺に見せようとしてくれた顔だった。
……それが一番、嬉しかった。
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