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蔑まれたハクビシンは、運命の青年に溺愛される〜光芒の庭に春雷は咲く〜 第五十九話 百花開陣、穢獣来襲 | 谷地やちるの小説 - BL小説・漫画投稿サイトfujossy[フジョッシー]
目次
蔑まれたハクビシンは、運命...
第五十九話 百花開陣、穢獣来襲
作者:
谷地やちる
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第五十九話 百花開陣、穢獣来襲
光芒
(
こうぼう
)
が
天虹剣
(
てんこうけん
)
を夜空へ掲げる。 次の瞬間。 ドオォンと空気を震わせ、莫大な密度の霊力が解き放たれた。 青白い光の波が円状に疾走し、天空庭園の全域を覆い尽くしていく。
天幕
(
てんまく
)
ーーだ。 巨大な防護壁が瞬く間に形成され、庭園そのものが外界の空間から完全に切り離された。 「お二人とも、よろしくお願いします!」 春雷の叫びに応え、
蘭淫
(
らんいん
)
と
紫苑
(
しおん
)
が力強く頷く。 二人は筆を抜き、光芒が護る光の領域のなかで、冷たい地面へ猛然と筆を滑らせた。 一筋。 また一筋。 走る墨線が眩い黄金の光を帯びて駆け巡る。 やがて、床一面に禍々しくも美しい巨大な陣が描かれた。 蘭淫と紫苑が声を揃えて叫ぶ。 「『
百花開陣
(
ひゃっかかいじん
)
』!!」 その瞬間——光芒が自ら結界を解除した。 一瞬の静寂。 光芒は天虹剣を鋭く構え、闇の奥を射抜くように見据える。 そして—— 「来い」 蘭淫の低い呟きが引き金となった。 直後。 ——ドドドドドドドドッ!! 大地を揺るがす強烈な地響きが轟いた。 遠くの闇の底から、底知れぬ無数の足音が津波となって迫ってくる。 地響きは激しさを増し、空気が激しく振動する。 「……来た!」 春雷が身構える。 しかし次の瞬間、大地の揺れと溢れ出す邪気の影響で、春雷の身体がぐらりと傾いた。 「っ……!」 春雷の体内で
紫電
(
しでん
)
が激しく反応し、身体の奥を這う
穢
(
けが
)
れに抗って紫の火花が逆巻く。 「春雷!」 光芒が即座に腕を伸ばし、光芒が即座に腕を伸ばし、倒れかけた春雷の身体を支えた。 「大丈夫です……!」 春雷は光芒の力強い腕を掴み、顔を上げる。 その視線の先を—— 無数の
穢獣
(
けじゅう
)
の群れが、漆黒の濁流となって駆け抜けていった。 一匹、二匹、十匹、百匹——! 恐ろしい数に膨れ上がった群れが、
百花開陣
(
ひゃっかかいじん
)
の光へ吸い込まれるように殺到していく。 「……入った」 春雷が息をのんで呟く。 陣へ踏み込んだ穢獣たちは、見えない檻に弾かれるように次々と足止めされていく。 暴れ回り、逃げ出そうとしても二度と出られない。 一匹、また一匹。 穢獣たちが恐ろしい密度で陣の内側へ閉じ込められていく。 光芒が春雷をしっかりと抱き支えながら、濁流の深遠を鋭く睨みつけた。 その時。 春雷の美しく澄んだ虹色の瞳が、敵を捉えて鋭く細められた。 「……きます」 蠢く群れのさらに向こう。 暗黒の奥底で、巨大で禍々しい『何か』が
蠢
(
うごめ
)
いた。 罠は仕掛けられた。 あとは、引きずり出すだけだ。
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